
これまで『シルバーバーチの霊訓』をはじめとして、高級霊による霊界通信をご紹介してきました。しかし中には霊界なんて本当にあるのか、夢物語を語っているのではないかと疑う方も多くいらっしゃるのではと思います。
霊界が存在する証拠として、19世紀半ばにかけて、欧米で物理的心霊現象、つまり空中浮揚・物質化した幽霊の出現・ポルターガイスト現象などが多発したことが挙げられます。
これらは全て霊界側の計画によって実施されたということが、後の1920年代から出現し始めた高級霊・シルバーバーチの言葉からも裏付けがなされています。
霊界が存在する証拠として、19世紀後半にウィリアム・クルックス博士が調査したケーティ・キング霊が物質化したケースがあります。
クルックス博士はタリウム元素の発見、クルックス放電管の発明などで、当時世界的に名の知れたイギリス一流の化学者・物理学者でした。
彼は19世紀に巷を騒がせていた霊現象に懐疑的であり、そのトリックを暴こうと調査に乗り出しました。ところが現象を検証するうちに、結局は真実であると認めざるを得なくなり、「心霊現象は本物である」との調査結果を表明しました。
■ウィリアム・クルックス(1832-1919)

彼はフローレンス・クックという霊媒がトランス状態になった時に出現する、ケーティ・キングという女性霊に対し、調査や実験を行いました。

ウィリアム・クルックス博士(左)と物質化したケーティ・キング霊(右)
ケーティ・キング霊は、18世紀にジャマイカ総督になった海賊ヘンリー・オーウェン・モーガンの娘アニーだと自己紹介しました。
霊媒のクックがキャビネットの中でトランス状態に陥ると、物質化した、つまり誰にでも見える人間同様の固体化した人体を持つケーティ・キング霊が現れます。
この霊は生身の人間同様に汗もかき、呼吸もして脈拍もあり、出現中は歩き回って参加者とも会話を交わしました。
ガリー博士(右)がケーティ・キング霊の脈拍を計っている場面。
英国学士院のガリー博士がケーティの脈拍を調べると75だったのに対し、霊媒のクックは90でした。そして実験が終わるとケーティは徐々に消えていきました。
1873年のラスクモア家での交霊会では、出席者のウィリアム・ヴォルクマンという男性が、出現したキング霊が霊媒のクックに似ている、詐欺だと怒ってキング霊に掴みかかったことがありました。ケーティ・キングの顔は出現するたびあまり一定化していませんでした。
しかし出席者が慌ててヴォルクマンを抑えた時には、ケーティは忽然と姿を消しており、キャビネットの中にいた霊媒のクックは鼻血を出して倒れていました。
物質化した霊の身体は、エクトプラズムと呼ばれる霊媒が身体から出している半物質上の物で出来上がっています。従ってケーティ・キングの身体はエクトプラズムを通し霊媒と繋がっているため、霊が乱暴を働かれて霊媒の身体に傷がつけられたようです。
物質化している途中のケーティ・キング霊。手前で倒れているのが霊媒のクック。
またクルックス博士はケーティ・キング霊から一束の金髪がかった赤褐色の髪を切り取らせてもらい、そのままそれを保存していました。しかし霊媒クックの髪は黒に近いブラウンであり、霊との個体差が見られました。
この実験は3年間続き、ある時キング霊が「実験はこれで終わりにする」との言葉を持って、それ以降彼女は地上世界に出現することはなくなりました。
霊界が存在するという証明は、人間や物体の空中浮揚など別の事件によっても裏付けられています。以下にその内容がまとめられていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
■クルックス博士のケーティ・キング霊の調査
http://foochan28.at.webry.info/200712/article_2.html
■19世紀に起こった心霊現象
キーワード:19世紀の物理的霊現象、霊の物質化現象、ケーティ・キング、ウィリアム・クルックス、フローレンス・クック