動機と道義心の関係について、最後に山本五十六を取り上げます。

山本五十六
【例3】 山本五十六は昭和16年12月の真珠湾攻撃直前から戦死までの1年半の間、妻子に会う機会はあったのだがついに会わず、4人の子供の養育は妻任せだった。(山本と妻との関係はこの頃既に冷え切っていた。)
【動機】日米戦争の為に多くの時間を割かなければならなかった。これは国のために自分の時間を捧げているのであり、人の為となる行為なので動機にやましいものはない。
【道義心】連合艦隊司令長官として海軍司令部のトップに立っているので、国家のために奉仕しなければならず、家族どころではない。従って良心の呵責は感じなかったので、道義心もクリア。
山本は死後この出来事を振り返ってみた。忙しかったとはいえ、実はその合間に芸者の愛人とは密会したりしていた。
妻との関係が悪かったとはいえ、子供の養育や教育はまた別の話である。多忙にかこつけて子供にも長い間面会せず、父親としての義務を放棄していたことが悔やまれるようになった。
【解説】山本五十六の国家に対する奉仕は、良心の呵責はないので魂に罪過を及ぼすことはなく、自己犠牲と言える行為なので、むしろ霊性の向上にプラスとなる行為である。
一方、自分の子供を顧みなかった事は家族に迷惑をかけ、マイナスの行為となった。この時点で山本は国家への奉仕は道義心にかなった行為であり、裏でマイナスの要素が発生したことに気付いていない。
しかし彼の霊性が向上するにつれ、マイナスの種も蒔かれていたことを認識するようになり、良心の呵責を覚える。これを本人が認識するまで因果律(カルマ)は休眠状態となる。
つまり、良かれと思って行っている行為の裏で知らずにマイナスの種が蒔かれ、利他的行為により霊性が向上すると同時に、マイナスの因果律が発動するという現象が繰り返される。
※
ところで、戦争など生死にかかわるような危機的状況に置かれるということは、前世から引き継いだ因果律(カルマ)も絡んでいる可能性もあります。この種の人たちはカルマを解消するために、戦争が起きそうな時代や環境を選んで生まれてきているのかもしれません。
ブログ外のバーチマニアの方々もご覧になるかもしれませんので、動機・道義心をチェックするためのフローチャートを作成しました。(未来編・過去編)
■未来編:これから行う行為の動機・道義心をチェック
・「動機は人の為」:行う行為が人の為になるかどうかチェックする。
・「行動は道義心にかなう」:その行動を行って良心の呵責を感じるか(道義心に外れる)、良心の呵責を感じないか(道義心にかなう)をチェックする。
■過去編:以前行った行為の動機・道義心をチェック
・「宇宙の法則に反する」:「自然の摂理」(神の教え)に反する事。例えば殺人・自殺・強盗など。
・「因果律(カルマ)」:宇宙の法則に反した行為を行った場合、因果律(カルマ)と呼ばれる負債が個人に付加される。具体的に因果律は病気・事故・障害・悩みなどの形体をとってやって来る。
・「因果律(カルマ)の凍結」:因果律(カルマ)が発動せず、何らかの理由で一時休止状態になっていること。
キーワード:動機、道義心、応用例