海軍士官には軍艦の中に一人ずつ個室があり、自由時間には自室に閉じこもれますが、食事・休憩などは以下のグループの室で行いました。
■士官室: 分隊長以上の士官の入る室。中尉でも分隊長なら士官室入りとなる。
『ジパング』に出てきた士官室。ボンベイ攻撃にも独り高みの見物を決め込む草加少佐。(ジパング・19巻)
■第一士官次室: いわゆるガン・ルーム。海軍兵学校・機関学校などの出身者で、若い中尉・少尉と候補生の入る室。
戦艦「大和」のガン・ルーム。映画「連合艦隊」
同じく戦艦大和のガン・ルーム。映画「男たちの大和」
「ガン・ルーム」という言葉は海軍関連書を読むと時々出てきます。第一士官次室がガン・ルームと言われるのは、イギリス流に習ったものです。そのいわれは、
「若い学校出の士官はいつでも戦闘位置につけるように、大砲のそばで起居した。すなわちガンの室である。」
士官たちは最初は大砲の近く寝起きしたようですが、その後軍艦も居住性を考えるようになり、それぞれの室を造りました。しかし大砲(ガン)を離れてもガン・ルームという名前が残ったということです。
■第二士官次室: 兵あがりの(特務)中尉・少尉の入る室。年季が入っていてはげ頭やヒゲの士官が多かった。
■准士官室: 兵曹長(准尉)の入る室。
■先任下士官室: 各分隊の先任士官が入る室で、大きな艦だけにあり、小艦艇・小部隊には無い。
■兵員室: 居住区と称して、下士官・兵が寝食、休憩も一緒の大部屋。