軍艦の艦長の階級 | 太平洋戦争史と心霊世界

太平洋戦争史と心霊世界

海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。


海上で軍艦同士の挨拶 


 ふつう軍艦の中で一番エライのは艦長です。艦長の階級はというと、以下のように決められていました。

 

■「大和」、「武蔵」といった大型戦艦: 少将

 

■その他の戦艦・空母: 古参の大佐

 

■重巡洋艦: 大佐

 

■軽巡洋艦: 中佐

 

■駆逐艦: 少佐

 

 ところが中には駆逐艦に大佐が乗っていたり、巡洋艦に少将や中将が乗っていたりすることがありました。

 

 極端なのになると、連合艦隊司令長官・豊田副武は大将なのに、旗艦だった軽巡「大淀」に座乗していました。

 

 このような例外は何がまずいかというと、海上や港で軍艦同士が出会った場合、艦長の階級が低い軍艦が先に、階級の高い方の軍艦に挨拶せねばならないからです。

 

 例えば通常、戦艦(艦長が大佐)と軽巡(艦長が中佐)が海上ですれ違った場合、軽巡が先に戦艦に挨拶します。

 

 ところが1944(昭和19)年を例にとると、軽巡「大淀」には豊田副武大将が座乗し、戦艦「武蔵」の艦長は朝倉豊次大佐でした。この場合は戦艦武蔵(艦長が大佐)が軽巡大淀(司令長官が大将)に先に挨拶しなければなりませんでした。

 

艦長の階級が双方とも同じ場合は、どちらが先任者かで決まります。

 

海上で挨拶を交わす場合は、艦長の階級が低い艦が先に気を付けの号令を出し、ラッパが「気をつけ」のラッパを吹きならして、上甲板にいる士官は相手艦に挙手の礼、下士官兵は不動の姿勢をとります。

 

相手艦もこれを見て、同じ動作を行います。

 

こちらが港内に停泊している場合は、これから入港してくる艦は当直将校が調べて承知済みとなっています。しかし上記のような例外もあるので気を抜けません。

 

 航海中、商船に出会うこともありますが、この場合は商船艦長の階級などに関係なく、商船側が軍艦に敬礼することになっています。

 

商船の敬礼は、船尾にある旗を半旗にして降ろします。軍艦も同じ動作を行い、軍艦旗を元の位置に戻した時、商船も自分の旗を元の位置に戻します。これで商船と軍艦との敬礼、答礼は終了します。