非効率だった日本の暗号システム | 太平洋戦争史と心霊世界

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独軍の暗号機エニグマ 
ドイツの暗号機、エニグマ


米軍では暗号のシステムが一律に統一されていたのに対し、日本では外務省、海軍、陸軍でそれぞれ別々の暗号を使用していました。

 

それぞれの各組織で別個の暗号システムを作り、それを使用していたのですから効率が悪く、労力もその分アメリカの3倍かかり無駄の多いものでした。

  これは現代にも通じる縦割り組織の悪弊で、暗号に関しても外務省・陸軍・海軍の三者の間で全然横の連携というものがありませんでした。

 

日本の外務省と海軍は「パープル」と呼ばれた機械暗号機を使用していましたが、一番弱くて解読されまくりだったのが外務省で暗号が筒抜けでした。


外務省の暗号機、「パープル」 

アメリカ国立暗号博物館に展示されている「パープル」の部品


次に海軍の暗号も相当解読されており、1943(昭和18)年4月に、山本五十六長官がブーゲンビル上空でアメリカ軍機の待ち伏せを食らい撃墜死しましたが、この時の暗号も米軍に読まれていました。

 

情報漏えいがひどかった外務省・海軍に対し、日本陸軍の暗号は、太平洋戦争半ばぐらいまではアメリカ側にほとんど解読されることがなかったと言われています。

  バレたとされる数をあげるなら、昭和
19年でも1万通に8本くらいでした。

 

これは陸軍が、海軍の使用していた暗号をさらに強化した形の暗号方式を採用していたためでした。

 

暗号にはまず文字列をコードに変換する1次暗号というものがあり、日本海軍はこれを使用していました。

 

陸軍ではこの第1次暗号に加え、それに乱数を合成する2次暗号という2ステップで暗号化を行っていました。

 

日本陸軍は第一線から後方まで全ての部署で、この「無限乱数」を使用していました。

  第一線では通常、複雑な暗号作成作業や解読作業を行うのが難しいため、どうしても簡易な作業になりがちで、敵に解読されやすいという難点がありました。

 

その意味で、陸軍の暗号は世界的に見ても、第一線での強度が最も高かったと評価されています。

 

来週はこれらの暗号の作成方法を解説します。