今回はアメリカが製作し、日本向けに撒かれた宣伝ビラをご紹介します。

「爆弾後の生地獄」
近代兵器(飛行機)に刀(銃剣)で突進しても無駄だ、という風刺画でしょうか?
以下は宣伝ビラに記載されていた文章です。文は読みやすいよう現代仮名遣いに直しました。
【ある日本軍曹の手記】
「死が名誉であって捕虜が不名誉であるとは一口に言うことはできない。もちろん義務遂行のため死んだ者に敬意を表すのは当然のことである。
ただし無駄な犠牲は犬死である。犬死したとて国家のためにはならない。かえって、国家が滅びて行くのである。
国家および国民は日本兵士として、最後の一人となるまで勇敢に戦い、ついに捕虜となった者の立場を考慮すべきである。(以下略)」
【解説】 玉砕を止めて投降せよという宣伝です。名誉の死を重んじる日本と人命尊重のアメリカ。当時の二国間の人権意識は対象的なものでした。
「爆弾には目もなく心もない」
「日本軍部指導者諸君 ― 諸君は日本の国土、海域及び上空を防衛しうると日本国民を信服させる事ができるだろうか。」
⇒ ハサミで切って貼り付けたような人物写真で構成されており、あまりやる気のなさそうな宣伝ビラです・・・
「米国人も米国魂あり」
⇒ 「大和魂」に対抗しているのでしょう。
「欲望の自由」、「言語の自由」、「恐怖からの自由」、「厭制からの自由」
⇒ 「厭制」は「厭世」では?当時はこの書き方でよかったのでしょうか。「言語の自由」も「言論の自由」の間違いでは?なんだか人がユーレイみたいです。
アメリカの宣伝ビラは東南アジアの進駐地で作られたものが多く、出来はあまり良いものとはいえず、絵の技術も印刷も日本のものよりはるかに落ちていたと言われています。