太平洋戦争後半になり、敗色が濃くなるにつれて、絵も凄惨でドギツイものが増えてきます。
下の白黒イラストは、鎖で縛られたインド人の手を、イギリス兵が刃物で切っている場面。
「イギリスの残虐行為」
しかしこれは宣伝効果よりもむしろ、現地住民を不快な気分にさせてしまったようです。
「野獣を皆殺しにしろ!!」
マレー半島の現地人に、アメリカや連合軍に協力したら、こんなことになるということを訴えた、反感誘発ビラ。
「英鬼から解放するのはこの斧だ ― われらインド人には苦しい前例があるのだ。
独立の斧を振る以外、われらのインド人を救う道は絶対にないのだ。
拷問と虐殺に明け、搾取と餓死に暮れる、インド300年の血の歴史を、今こそ我々は独立の斧で閉じるのだ。」
下のユニオンジャックの服はチャーチルです。足縄で縛ったインド人に斧で叩かれようとしているところ。
兵士(左)「あの音は何ですか、閣下。確かに大きな音が聞こえますよ。」
ルーズベルト(右)「大丈夫だ、全く何にもない、おおそうだ、多分・・・」
ルーズベルト大統領が沈没する船(劣勢な戦況)を兵士に隠すため、目隠しをしているところ。
「帰る場所がない!」
これらのビラの大きさはポストカード大の大きさで、カラー印刷は鮮明でむしろ米軍のものより絵も上手で、技術も高かったと言われています。
確かに絵もアメリカ人が描くようなタッチでアメリカナイズされています。
さて宣伝の効果はいかほどだったのでしょう。アメリカ兵は撒かれたビラを見て笑っていたとの話もありますが・・・。