総括原価方式 【前編】 | 太平洋戦争史と心霊世界

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人災 


総括原価方式をご存じの方は多いと思いますが、詳細を詳しく解説した動画がありましたのでご紹介します。

 

■日本の電力料金が高い理由は総括原価方式にある?!


●動画1(1143
http://www.dailymotion.com/video/xk1stl_yyyyyyyyyy
yyyyyyyyyyyy-1-2_news#rel-page-1


●動画20721

http://www.dailymotion.com/video/xk1svp_yyyyyyyyyy
yyyyyyyyyyyy-2-2_news#

 



(1)電気料金の決め方

大島堅一 
立命館大学の大島堅一教授にインタビュー。

 

司会:電気料金を決める総括原価方式がどうも奇妙な決め方になっているということなんですが、どういうものなんですか?

 

大島:電気事業者の利益は、資産の量にある一定の率(事業報酬率・3%)を掛けたもの、それを計算したものが利益になります。

 

電気事業者の利益 施設(固定資産)など × 一定の率(事業報酬率・3%)

 

つまり施設を持っていれば持っているほど、利益が上がる仕組みになっているということです。

 

司会:同じ電気を生むのに、Aというやり方だったら1兆円、Bというやり方だったら5,000億円ということであれば、1兆円の方が利益が上がっちゃうということですよね?

 

大島:施設の価値が高ければ高いほど報酬が上がりますから、そのように言うことができますね。

 

司会:原子力でつくるのと、火力でつくるのとでは施設費は原子力のほうが高くなるわけですか?

 

大島:固定施設部分は大きいですね。燃料費という部分は火力のが大きい。だけど原子力は固定施設部分が大きいので、そういう意味で原子力は利益を生む。

 

司会:電力会社としては、なるべく高い施設を造った方が利益が大きくて、結果として電気代も高くなるわけですよね?我々にとって良くないことですよね?

 

大島:以前の事業報酬(利益)の考え方は、電気事業者の利益を保障してやることが公益性が高いので、必要なんだという議論から出来ています。

 

しかし今となっては本当に3%という高率の利益があらかじめ保証されているというのは、一般的な常識からすれば何なんだと言われてもおかしくはないですよね。

 

 

(2)総括原価方式の役割とは?


小出裕章 
京都大学原子炉実験所、小出裕章助教授にインタビュー。

 

小出:(総括原価方式は)電力会社の資産に比例するという形で利潤が決められたがために、電力会社としては資産を持てば持つだけ利潤が膨れ上がるという構造だったわけです。

 

 原子力発電所っていうのは1基造れば何千億円という資産になりますので、造ってしまえばもうそれだけ比例計算で利潤が懐に入るという、とてつもない上手い方式で電力会社が優遇されてきてしまったんですね。

 

司会:同じ電気をつくるのにもたとえば火力発電所よりも原発の方が高いわけですよね?高い施設を造った方が儲けになるということですか?

 

小出:そうです、そうです。

 

司会:そしたらやっぱり高い方、高い方っていきますよね?

 

小出:そうやってきてしまったわけですね、今日まで。

 

司会:逆に言うと、総括原価方式があったから、利益を出す民間企業ですから、利益を出すために原発をいっぱい造ったという側面もあるんですかね?

 

小出:そのような逆の言い方をすれば、国が誘導してきたっていうことなんですね。原子力発電所を電力会社にやらせるために。

 

 

(3)総括原価方式での利潤の出し方



一般企業

一般企業の場合:利益を出すためにはコストを下げる。


電力会社 電力会社の場合:

 コストとは「適正な原価」。これは人件費・燃料費・修繕費などを含む。これを「適正な原価」かどうか審査してもらう。

 

 事業報酬(利益)の基準となるものが「レートベース」。これは原発の特定固定資産や核燃料(使用済み核燃料も含む)など。これに3%掛けたものが利益となる。

 

電気料金は原価 + 利益を合計したものとなる。

 ここで問題が2つ。 

 

1.利益を出すにはレートベース(コスト)の金額を大きくすればよい。コストがかかればかかるほど儲かるという、普通の民間企業と全く逆の発想となっている。

 

2.独占企業で競争が無いから「適正な原価」の部分も言い値になる。すると言い値で買ってくれるので、電力会社は売る側からは、いいお客さんと言うことになる。これが電力会社が力を持っていると言われる訳である。