チェルノブイリの事後影響:犠牲者100万人 【後編】 | 太平洋戦争史と心霊世界

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モルモット 



■原発事故が人体に及ぼす悪影響

 

博士:(原発事故の)事態は私が思っていた以上に深刻でした。人びとが癌や心臓病で命を落とすだけでなく、体中のすべての臓器、免疫機能・肺・白内障や皮膚などが害されます。すべての器官が放射能の悪影響を受けたのです。

 

しかも人間だけではありません。調査したすべての生き物、人・魚・木々・バクテリア・ウイルス・狼や牛など、生態系のすべてが例外なく変わってしまいました。

 

司会:そのことが本に書かれてあるんですね。

 

博士:人間の影響にとどまらず、多くの鳥や動物にも人間と同様の悪影響がありました。

 

司会:今となっては癌と放射能の関係はわかりますが、心臓病はどうしておこるのでしょうか?

 

博士:私がこの本を編集するときに気付いた重大な事の一つですが、バンダシェフスキーという科学者は研究で、子供たちの体内に蓄積されたセシウム137の量が、実験動物と同じ値になっていることを発見し、それが心臓にダメージを与えていることに気付きました。

 

この研究結果を発表したことで、彼は刑務所に収監されていました。

バンダジェフスキー博士

バンダシェフスキー博士


司会:彼は動物実験をしたんですか?

 

博士:病理学者だった彼は、まず動物実験を行ってから子どもへの影響を調べようとしました。その結果、亡くなった子どもたちの心臓に蓄積されたセシウムの量は動物の場合と同じでした。これを発表したために逮捕され刑務所に収監されました。


■放射能は知的能力を劣化させる

 

司会:スカンジナビアでは、偏西風や雨などによる放射性物質拡散でチェルノブイリの余波を受けましたが、こうした事後的影響については?

 

博士:最近の研究によると、チェルノブイリ事故当時に生まれたスカンジナビアの子供は、高校を卒業する割合が低いようです。知的能力に影響が出たのではないかと思います。

 

私が知る限りのチェルノブイリの最悪な影響は、健康と言えるベラルーシの子どもは、わずか2だということです。つまり、8割のベラルーシの子どもはチェルノブイリ事故以前のデータと比べると、健康でない状態だということです。

 

医学的に健康でないだけでなく、知的にも標準以下となってしまっているのです。

奇形児 

司会:知的能力と放射能の関係について教えてください。

 

博士:妊婦たちが食べる物の汚染については、きちんと知らされていない場合が多かったようです。または汚染されていない食べ物が手に入らなかったのです。

 

妊娠中に放射性同位体が体内に入ると、母体を通じて胎児に届き心臓・肺・甲状腺・脳とすべての細胞・免疫系統にもダメージを与えたのです。

 

こうした子どもたちは未熟児で、生まれつき健康状態が悪く、死産の率も非常に高く、これが被曝がもたらした結果です。これは人間の文化に起こりうる最悪の悲劇です。


■損傷遺伝子は子孫に引き継がれる

 

司会:放射能は遺伝子に甚大な影響を与えるのですよね?それについてはどうお考えですか?

 

博士:これは改善する見込みのない話です。一度遺伝子が損傷を受けると、何世代にも引き継がれます。ですからこういった損傷が人・鳥や植物の遺伝子に起きていて、それぞれの種が増進することは無いでしょう。

 

司会:具体的にどのような遺伝子損傷のことですか?

 

博士:脳や心臓、肺への影響、腕のない子ども、水頭症の赤ちゃんです。

 鳥の場合は羽毛とくちばしの変化、脳の大きさなどがあります。これらの鳥はあまり利口ではなく、汚染されていない鳥に比べそれほどよく生きていません。

 植物も永久的に変わったのも分かっています。

奇形鳥 

難しいことではないのです。放射性同位体の行先は明らかです。ヨウ素は甲状腺に、ストロンチウムは骨や歯に蓄積します。特に胎児に影響が及びます。セシウム137は心臓と筋肉に蓄積されます。

 

これは謎などではありません。これを知っているため、どんな悪影響が出るかを予測できます。そして結果はまさに予測通りであり、それを本で証明しました。

 

■米国の原子力政策

 

司会:WHOIAEAのみならず、ここ米国の原子力規制委員会もまた放射性物質の影響を過小評価しようとしていますね。

 

博士:まったくその通りです。私は原子力規制員会の前身であった原子力委員会(AEC)で働いていました。それはカリフォルニア大学内で、1952年のことで、新卒で働いていました。

 

当時の私の限られた教育と経験でも、他の人が思っているより放射能は危険だとわかっていました。

 

放射能のもたらす害については、米国民に対しても何十年にわたり秘密と嘘で騙されていました。隠蔽およびデータの書き換えが行われ、多少の放射能なんか大丈夫だと吹聴されました。

 

しかしデービスベッセ原発所ではメンテナンス不足のため、炉心が格納容器の中で溶けだすところだったことがわかっています。

 米国でなくても世界のどこかで、再び原発事故が起こるのは時間の問題だと信じています。

 

(解説:この番組が収録された6日後に、福島原発事故が起こったのだから皮肉です。)

米国の原発 


司会:50年以上も原子力産業に携わってきたあなたが、なぜそのようなことを言うのですか?それはお金のためですか?それとも技術を推進するためですか?原子力産業の関係者はなぜ嘘やごまかしをするのでしょうか?

 

博士:複合的な要因があるでしょう。金や原子力を推進する企業による支配もそうですが、米国の人びとはあまりにも原子力について無知です。生物学を全く理解していない学者がいます。(以下省略)