
昨年3月11日の震災と原発事故が発生したとき、「原発は大丈夫」としか言わない日本のマスコミに危機感を抱いて海外のメディアに注意し始めました。
日本のニュースと並行してネット上でアメリカ(The New York TimesやLos Angeles Times)、カナダ(Montreal Gazette)などの新聞社の記事をチェックしていました。
すると日本と北米とでは言っていることが全然違っていました。日本のマスコミでは「大丈夫」、「メルトダウンは起こらない」とノンキ調で語っておりました。例えば東大や京大の原子力専門家は、
「炉心溶解はありえない。」
「ほとんどの核燃料は、今も原子炉のなかに収まっている。住民には冷静な対応をお願いしたい。」
「(政府の非難指示の方針は)先に先にと徹底している。一歩先を進んでいると思ってほしい。」
「内部の損傷はスリーマイル島より軽微だろう。」
などとのんびり発言していました。しかし彼らの意見はその後の現実とはかけ離れた、とんでもないものでした。
一方同じころ、北米メディアでは早くも危機感を募らせていました。いちいち記録していた訳ではないので詳細は忘れましたが、
「アメリカ人は緊急に避難せよ、または日本を脱出せよ。」
「炉心はメルトダウンしている。」
「この状態ではもう原子炉を石棺化して塞ぐしかない。」
とアメリカ人はチェルノブイリ級の重大事故が起こった、事態は危機的状況であると、どの新聞も認識しており、日本のマスコミとは口調が全く違っていました。
この当時は実際の状況が分からなかったので日本と北米、どっちが本当なのかと考えました。しかしどうも日本のマスコミは報道がしらじらしく、真実を語っているように聞こえなかったので、アメリカの報道が真実なのではないかと思いました。
だとしたら事態は日本で報道されているより深刻だ、日本のメディアは信用できないと考え、しばらく原発事故については北米の新聞記事を拾っていました。
なぜ日本に住んでいる日本人が日本の新聞を読めず、インターネットで海外の新聞を読まなければいけないのか!?日本のマスコミに対する不信感がふつふつと湧いてきました。
その後やはり北米のメディアの方が正しかったと知って、日本のマスコミは数ばかり揃っていて、役立つものが一つもないではないかと、存在意義を疑いました。
しかし今回は海外のメディアは日本の原発事故の状況を正確に報道しましたが、ではアメリカ自国で原発事故が起きた場合はどうなるかと想像すると、やはり多少の隠蔽工作を行ったのではないかと憂慮しています。
アメリカでは1979年のスリーマイル事故でも政府が情報隠しを行っていたため、原発事故が国内で発生すれば隠蔽が行われることは、容易に想像できます。
しかし日本ではその程度があまりにもひどい。マスコミの情報歪曲度は歴史的事実から両国を比較して、北米の何倍にも及ぶのではないかと推測しています。
とにかくこの事件では日本のマスコミは隠蔽体質であること、事実を歪曲して伝えていることをこの目で確かめ、はっきりと悟りました。
戦争はとっくの昔に終わったというのに、いつまで大本営発表を続ける気なんでしょうか。