原発後のエネルギー政策 【広瀬隆氏・天然ガス】(2) | 太平洋戦争史と心霊世界

太平洋戦争史と心霊世界

海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。


ムンクのNoNukes


■ガス・コンバインドサイクル発電:広瀬隆(動画)

http://www.youtube.com/watch?v=LrYXGx5trgs
アップロード:2011518日、時間:1358 


 

 前回に引き続き天然ガスの現状です。 

 

膨大な天然ガスの埋蔵量

 

 油田やガス田で採掘される在来型天然ガス(現在使用されているもの)は、2009年まで10年間で埋蔵量が3割近く増加している。加えて、非在来型と呼ばれるコールベッドメタン(CBM),タイトサンドガス、シェールガス、メタンハイドレードのような新たな天然ガス資源の存在が確認されている。

 

  その埋蔵量は(石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMECの試算で)922兆立方メートルに達し、従来の天然ガスの5倍もある。現在の天然ガスの埋蔵量は60年と言われているので、その6倍であるなら、360年分ある。

 

まだおそらくこんなものではない、他の説では、地球はほとんど無尽蔵に天然ガスを出すだろうという説もある。そんなわけで、現在の業界で天然ガスの枯渇を心配する人はまずいない。

 

 アメリカでは埋蔵されているシェールガスの採掘技術ができたおかげで、今のアメリカのエネルギーはシェールガスにほとんどシフトしている。このシェールガスを日本が買えばいい。シェールガスは現在12ドルが4ドルにまで暴落している。4ドルを切るくらいまで大量に出てきている。

 

 

原子力は本当に電力の3分の一を占めているのか?

ガス・コンバインドサイクル3

日本の原発の占める割合は電力量の1/4以下(電気事業連合会の資料)


 電事連が発表している2007年のデータでは、日本の原子力は23.5%、実際は発電量の4分の一にも満たない。これは地震・事故などで頻繁に止まっているので稼働率が悪いためである。

 

 

原発があれば経済成長するのか?

ガス・コンバインドサイクル4 
BRICSでの電力量に原発が占める割合


 新興国BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国)での電力に原発が占める割合:ブラジルで2.8%、ロシアが15.8%、インドが2.1%、中国が1.9%でわずかな割合。原子力と経済成長は何の関係も無い。

 

 

自然エネルギーは原子力の代替にならない

ガス・コンバインドサイクル5 
日本の電力消費の分布図


 自然エネルギーを否定しているわけではないが、自然エネルギーでは原子力の代替は今すぐは無理。電力消費は家庭と業務用と産業用で100%。産業と業務で7割以上を占めている。真夏のピーク時には家庭に人がいないので1割くらいになる。つまりほとんど大事なのは業務用と産業用。

 

 産業が電力の大部分を消費している。彼らは自然の気まぐれによる不安定な再生可能エネルギーでは、原子力に匹敵する電力量を供給できない事を知っている。

 

なぜなら太陽光発電は大変な面積を使う。太陽光発電は即座に原発の替りにはならない。100万キロワット級原子炉1基分の電気をソーラーで賄おうとすれば、東京の山手線内側と同じ程の面積に太陽電池を敷きつめなければならない。

 

原発は5,000万キロワットあるのだから、その50倍の面積が、太陽電によって占められてしまう。それ自体が、恐ろしい自然破壊になる。従って天然ガス火力の方が、はるかに自然破壊は小さい。