気がつくと自宅の部屋だった。

確かなにか衝撃を背に受けて宙を舞った気がする。それは確かだが、その先の記憶が無い。
どうやら友人の説明だとオートバイに跳ねられたらしい。そのままその場で倒れてオートバイは逃走。よくあるひき逃げってことか。一瞬立ち上がったがすぐに気を失ったみたいだ。

洋服にはしっかりタイヤ跡が残っていたが、軽いパニックになっていたせいか警察にも届けずじっと痛みに耐えるように伏していた。その時気がついたのは時間が結構経っていたこと。気絶と言う体験自体初めてだったので不思議な気分だった。

痛いとか苦しいとかを感じる前に体の緊張が一気に弛緩していったのか。寧ろ目が覚めてからのほうが痛みを感じる。でもちょっと前が思い出せない。これは少々怖い。なんて言うか現実から離れているようなタイムワープ的な経験。


まぁ無事だったので良しとするか。