普通二輪クラスのフルカウルスポーツバイクの1馬力あたりの重量を比べて、見出しに「一番速いバイクって」というのです。

高校生かハタチそこそこの若い子でもなければ、そもそも公道を走る市販車に速さを求めるのがイタいと思うのですが、というか速いのが良いなら普通二輪といわず、1000ccクラスのスーパースポーツバイクに乗ればいいと思うのです。

免許センターの限定解除試験に合格しなければ大型バイクに乗れなかったのはもう還暦を迎えるようなおじさん達が若かりし日の、大昔のお話でしょう?

今は自動車学校でお金を払って教習を受ければ大型二輪免許が取れるし、教習費用だって既に普通二輪を持っていて大型二輪を受ける場合十数万円程度です。

まぁ、それはともかくとして、馬力は速さじゃないでしょう。

馬力といってもイギリス式とかなんか2種類か3種類くらいあるのでしょうけれど、「重さ75キロのものを1秒間で1メートル持ち上げる仕事量を1馬力とする」みたいなものでしょう?

例えば相撲の横綱ともなればものすごい力があって、体重も平均的な成人男性より倍以上重いでしょうが、馬力でいっても平均的な成人男性の倍以上で、、1馬力あたりの重量は一般人より横綱の方が上かもしれません。

でも、「じゃあ横綱は走るのが速いですか?」って、馬力の問題じゃありませんよね?

あるいは、馬力は最高出力なので電力のW(ワット)の単位で表現されます。

でも、例えば10年前の古いエアコンと、最新式のエアコンとがあったとして、新しいエアコンは最新の省エネモデルなので消費電力が30%少ないけど、発生させる熱量(カロリー)は同じだとします。

発生させる熱量が同じなら「どちらのエアコンの暖房のほうが暖かい?」といっても、暖房性能は同じです。

でも、出力であるワット数は省エネモデルの方が少ないでしょう?

馬力は出力なので、1馬力あたりの性能っていうのは、1ワットあたりの性能で比較しても同じこと。

電力1ワットあたりの発生させる熱量を比較したときに、省エネモデルの新型の方が、少ない電力で同じ熱量を発生するわけです。

でも、それはあくまで仕事の効率の問題であって、新旧2台のエアコンで、1時間あたりに発生させる熱量が同じなら暖房性能は同じなのです。

走る速さは馬力じゃなくて地面を蹴る脚力の強さや左右の足を素早く動かす瞬発力です。

エアコンの性能は消費電力ではなくて1時間の限られた時間に発生させることのできる熱量の多さです。

それはつまり、クランクシャフトやタイヤなどを回そうとする力の強さ、トルクの強さのはずです。


それに、サーキットでエンジンぶん回して乗るのならともかく、一般的な使用である市街地の日常の利用は、エンジンを1万回転を超えて極端な高回転で最高出力や最大トルクを発揮するより日常的に使う5000回転や6000回転でのトルクの大きさが問題でしょう?


この記事は、見出しと記事の内容が合っていないように思います。