中国は、高市首相の台湾発言に反発しています。

その台湾問題。

高市首相の発言は、たしかに「言うべきではないことを言った、失言だ」と私は思います。

中国が台湾に対して軍艦で方位して攻撃するような事態は、日本の領土である石垣島からほんの数百キロの距離で、ミサイル攻撃が届く距離で軍事行動をするとなれば、非常に危険です。

それに、台湾には半導体の工場などがあり、アメリカが中国へ半導体の技術を渡さないようにしているけれど、中国が半導体の技術をそのまま奪ってったら、世界のパワーバランスが崩れます。

最悪に備えて、台湾では作るだけで、材料は日本などからの輸入なのだろうけれど、ともあれ台湾は、同盟国が力を尽くして守らなければならない理由があるということです。

だから、もしも中国が台湾に対して軍艦で包囲して攻撃、なんてことがあれば、当然ながら、集団的自衛権を発動して軍事介入する可能性が高いのは、事実でしょう。

高市首相の発言内容自体は、正しい。

これを中国の圧力に負けて「発言を撤回します」としてしまうと、中国の主張のとおりに間違いだと認めることになってしまうので、実際に台湾が危機のときに動けません。

だから、中国の要求通りに発言を撤回するのも、良くない。

でもそれは、「言ってしまった以上は仕方がない」という意見であって、一国の首相にもなって軽率な発言をしたことは問題です。

今までの歴代総理大臣のように明言することを避けて、あいまいにしておいて、実際の自衛隊の運用体制としては、いつでも動けるように準備しておくべきだったと思います。

 

ただし今回は、中国の主張に正義がないことを言いたいので、高市首相の発言に関する問題は関係がありません。

そもそも、台湾の政府は中華人民共和国よりも前の、中華民国の政府であって、国共内戦のとき、毛沢東の共産軍と、蒋介石の国民政府軍とがぶつかり、ロシアなどの支援を受けて戦いに優勢になった毛沢東が、中華民国を滅ぼさないうちに、勝手に中華人民共和国の設立を宣言してしまったもので、いうなれば台湾は、戦争で領土の大半を失って残った中華民国です。

蒋介石は台湾での戦いでギリギリどうにか負けずに踏みとどまったので、中華人民共和国としては、一度も、台湾を実効支配したことが無いし、台湾が中華人民共和国でないことは、中華人民共和国設立以前からの別の国である以上、疑いようがありません。

中国の「一つの中国」という考え自体が、おかしいです。

何の正義もない。

それでも、中国は自分たちに都合良く「中国の領土だ」というのですね。


同種のことは、領土以外の文化でも見られます。

例えば中国は、先の高市首相の台湾発言を受けて、あるいは中国国内の経済が悪くて輸出しないと物が売れない状態なので国民の不満の捌け口として、日本を敵にする動きがあります。

中国では日本の文化を排除しているそうですが、みなさんご存知の通り、世界では今、抹茶ブームです。

そのブームに乗って、中国は抹茶の生産に力を入れています。

「日本の文化を排除するなら、抹茶の製造も止めれば?」と、私などは思います。

平安時代や鎌倉時代に、中国へ留学したお坊さんが、中国からお茶の文化を持ち帰りました。

この頃のお茶は、特別な製法で茶葉を固めてタブレット状にした”餅茶”などと呼ばれるものを、火で炙ってから削り、薬研で砕いて、それを熱湯に入れて飲む点茶法です。

日本に伝わった後、日本で独自の発展を遂げて、茶の湯の文化ができます。

現在の抹茶のように、覆いを被せて日光を遮ることで旨みを増したり、石臼で挽いて完全に微粉末にしたりするのは日本で編み出された新しいお茶の文化で、中国の文化ではありません。

抹茶のルーツを辿れば、起源が中国にあることは事実ですが、抹茶の文化は日本で生まれたものです。

だから、中国は抹茶製造のために、製茶機械などを日本から買わなければ、中国独自の抹茶の技術など持ってはいないのです。

一方で「日本文化を排除する」といいながら、一方で日本の文化である抹茶を一生懸命製造している、そういう国なのです、中国は。

それでいて、「抹茶の起源は中国にある。抹茶は中国の文化だ」というわけですが、それはおかしい。

だって、起源である最初の発明者に権利があるというのなら、世界初の有人飛行に成功したライト兄弟はアメリカの人ですから、「航空機の起源はアメリカ。航空機はアメリカの文化だ」という理屈になります。

ドローンの世界大手、DJIは無人航空機(ドローン)のメーカーですが、航空機がアメリカの文化であるなら、DJIが作っている無人航空機もアメリカのものでしょう。

抹茶に関する中国の主張は、つまり今言ったようなドローンと同じ理屈です。

あるいは、中国は共産主義の国ですが、共産主義を唱えたマルクスはドイツの人ですから、起源であるマルクスに権利があるというのなら、中国はドイツ人の考えた社会制度に支配されている、中国の体制はドイツのものということになります。

抹茶に関する中国の主張からすれば、共産主義もそのようになるはずです。

つまり、抹茶について中国が言っていることは完全に無茶苦茶だということです。

抹茶が中国の文化であろうはずがない、でも中国の文化だという。

台湾が中国のものであろうはずがない、でも中国の領土、ひとつの中国だという。

中国の言うことはだいたい同じです。

自分たちの都合のいいように、理屈の通らない屁理屈をこねて、他人の物を自分のものだという。

正義でなどあり得ない。

中国とは、そういう恥知らずな国です。