自衛隊の階級を、戦前の日本の軍隊と同じ、大将だの大佐だのというものに変更するそうです。
なんてずるいことをするのでしょう。
政府は卑怯です。
まず、立ち位置を明確にしないで、階級制度を軍隊並みにして、なし崩しで軍隊らしくしようとしています。
私の個人的な意見として、戦車や戦闘機などの兵器を保有し、外国の軍隊との合同軍事演習に参加して軍隊と同じ戦闘行動を練習しているものが軍隊ではないという理屈には納得できませんが、それはこの際置いておきます。
一応、日本の憲法は戦争を放棄し、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しないと定めていますから、建前として、自衛隊は軍隊とは別です。
軍隊じゃないのに軍隊と同じ階級制度というのはおかしな話で、言うなれば東京の消防庁に、警察でもないのに警部や巡査部長の階級があるようなものです。
消防署の警部なんて、おかしいでしょう?
警察には警察の、消防には消防の、軍隊には軍隊の階級制度があって、同様に自衛隊には自衛隊の階級制度があるのです。
憲法を改正して、日本は戦争放棄の基本方針ではあるものの、避けることのできない外敵からの攻撃への備えとして、自衛隊を日本の防衛軍とすると定めればいいのです。
軍隊の保有を政治上、正式に認めるならば、日本防衛のための軍隊である自衛隊は、軍隊の階級を使用しても問題はありません。
けれども建前を守り、軍隊を保有しないというのなら、自衛隊に軍隊の階級制度は必要ありません。
外国の軍隊との合同演習などの際に独自の階級制度は不便だなどというのは理由にはなりません。
そんなことを言ったら、地震大国である日本は、災害救助などで警察と消防が協力する可能性があるので、階級制度が独自では不便だから、警察と消防の階級を統一するという理屈になります。
でも、そんなことはありません。
階級制度が違っても高度な連携ができない理由にはなりません。
その上で、軍隊と同じ階級制度を利用するとなれば、中国や韓国などの周辺国から「日本は戦前の軍国主義に回帰している。高市首相は右翼だ」という批判の声が上がることは想像に難くありません。
軍隊ではない自衛隊が軍隊の階級を名乗るのはおかしいこと、周辺国から批判の声が上がり国際的に受け入れられない可能性があること。
自衛隊の階級は独自のもので、関係者以外の一般人には馴染みがないものの、自衛隊発足以来70年以上続いている階級制度なので、自衛隊や同盟関係にある国の軍隊などでは十分に浸透している制度だということ。
それらの事情を承知の上で、敢えて変更する合理的な理由がるとは、私には思えません。
憲法の改正を避けて通って、階級の名称の変更なんて方法で軍隊式にしようという政府のやり方は卑怯です。
