お年玉貧乏・・・。
2024年10月に行われた衆議院議員選挙に続いて、2025年7月に行われた参議院議員選挙においても玉木雄一郎氏が率いる国民民主党は大躍進を遂げた。その原動力となった政策が「103万円の壁の引上げ」である。長年据え置かれた所得税控除額を103万円から178万円に引き上げるという政策のこと。尤も物価も賃金も長いデフレ経済下にあっても上昇しているのだから課税基準がそのまま放置されることは妥当ではない。基礎控除を賃金上昇率に比例して引き上げると178万円になる。
国民から大きな支持と賛同を得て躍進した国民民主党と大敗北を喫した自民党と公明党は3党幹事長合意を結び基礎控除の引き上げに取り組んできた。昨年度の税制改正では適用する所得が200万円以下に制限されていたことから国民のニーズとはかけ離れていた。参議院議員選挙を経て再び国民民主党が更に躍進し自民党が再び敗北を喫したことで基礎控除の引上げの所得制限が200万円から600万円にまで引き上げられることになった。これによって低所得者層のみならず中間層にも恩恵が及ぶことになった。
ところがである。下記の通り、国民民主党が選挙時に示していた減税額と今回の基礎控除の引上げ後の減税額が全然違う。これはいったいどうしたものか。
結果的ななぜこれだけの減税額の乖離が生まれたのか。実は、基礎控除には所得税分と住民税分の2種類がある。国民民主党が目指していたのは両方とも控除額を引き上げる案であったが、自民党との合意は住民税分を据え置かれている。所得税分は昨年48万円から123万円に引き上げられた。そして、今年の両党の合意によって178万円(所得制限600万円)まで引き上げられる。一方、住民税分は一昨年の43万円が昨年も43万円のまま、今年の合意においてもそのまま据え置かれることになる。つまり、国民民主党が目指していた住民税の控除は分離されることで成就することはなかった。このことから国民民主党が公表していた減税額とは大幅に乖離する結果となった。成果だけ強調されると何が残されたのか、何がうまくいかなかったのか見失いがちになる。少なからず結果を出した国民民主党の功績は称賛に値する。だが、「物足りない」と思われるのも当然であろう。このままでは国民民主党のプレゼン能力は高いがいざとなったらゴールポストを動かすのでは勘繰られてしまうかもしれない。形式的な達成ではなく数値的な達成を見たいものだ。