両腕にほとばしる切り傷を前に、ソニクジャクはこの一瞬の出来事を飲み込めずにいた。斬撃を受けたのは間違いない。しかし、ダークザウラーの動きを注視していたが、剣を振りかざす動作など、まったく確認できなかった。それどころか、腕を動かしてさえいなかったのだ。
「鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしておるな。我のこの攻撃の仕組みが分からないといったところか」
図星であったソニクジャクは二の句もつけずにいた。
とはいえ、このまま手をこまねいているわけにもいくまい。ダークザウラーとは数メートルほど距離がある。この間合いのままダメージを受けたので、遠距離攻撃をされたのは間違いない。ならば、それ相応の対応策を取らせてもらおう。
ソニクジャクは地面を蹴るや、一気にダークザウラーに接近していった。遠距離攻撃は、発動準備から発動まで少なからずタイムラグが発生する。発射されてから接近戦をしようものなら、単に不利になるだけだが、それ以前であれば俄然有利となりうる。なにせ、攻撃準備中はわずかな時間とはいえ丸裸になるからだ。
その読み通り、ダークザウラーは剣を真横に構えたまま、微動だにせずにいた。次なる攻撃が来る前に、この拳を叩きこむ。更に移動速度をあげ、ダークザウラーの目と鼻の先で静止した。まずは、厄介な剣を取り落とそう。ダークザウラーの手元と狙って手刀を振りおろそうとした。
しかし、その手がダークザウラーと接触しようとしているときだった。
「波動撃」
にわかには信じられなかった。まさか、立て続けに技を発動してくるとは。ダークザウラーの剣はソニクジャク腹を捉えていた。急に胸を切開したかのような激痛が走り、その場でうずくまってしまう。