わたしの女装人生において、いつかは起きるかもしれないという大事件がとうとう起きてしまいました。十数年前にお気に入りされたちょっと反社風アンチャンにホテルに連れ込まれて、ベッドの上でわたしが反抗的な態度を取ったものだから、そのアンチャンの機嫌を損ねて殺されかけたとき以来の大事件です。
その大事件のことは後ほどにして
まずは、改めて「女装の楽しみ方」についてです。話は半年ほど遡りますが、約8年ほど勤めた会社を辞めました。退職金がちょろっと出ました。そんなことはどうでもいいのですが、旧態依然の業界で、どうにも改革ができない時代遅れの業界でした。今では多くの利用者・消費者を抱える業界に発展してはいるのですが、その利用者・消費者の人生を直撃しようとしている待ったなしの今にも大爆発しそうな問題を抱えている業界でもあるし、また一方で働く人間はと言うと、夜や休日を使って所定業務を片付けるのが前提になってしまっていて、どうにもこうにも、何のための会社か、何のための仕事かと、こんな業界や会社のために働くなんてバカバカしくてやってられない、ということでさっさと辞めたわけでした。そして、幸いにも、この度、再就職が内定しました。わたしは、もちろん中高齢者の部類に入ります。就職活動は困難を極めるものと覚悟していましたが、ありがたいことです。
就職活動に臨むにあたり、残りの人生をどう過ごせればいいのか考えました。もちろん楽しく過ごせればいいに決まっています。では、そのわたしにとっての楽しいとは何なのか。わたしにとっての楽しいとは、今では言うまでもなく、女装です。さっさと足を洗いたいと考えていた女装だったのですが、言い切るとは恐ろしいものです。8年前、その辞めた会社への就職が決まったのを機に再開した女装でしたが、辞めるまでのこの約8年間は、心底楽しめるものではありませんでした。金、土、日もエンドレスに湧いてくる旧態依然の時代遅れのどうでもいいような業務、いついつまでに○○を作成しなければなどと、時代遅れの業務に付き合いながら、こなしながらでは、何のための女装なのか、女装の最中にでもお客様からはどうでもいいような、「そんなことぐらい自分で考えろ」とか「そのくらい自分でやれ」と、怒鳴り返したくなるような電話も茶飯事でした。せっかく女装してその気になっているときにかけてこられたら興ざめです。仕事なんだから仕事を優先して女装なんか後回しと言っていたんでは、いつになったら女装ができるかわかりません。女装ができなくては意味がありませんし、するなら間隔を空けずにやらなくてはせっかく会得できたメイクテクを保つことができません。
今回、内定した仕事は夜勤の仕事です。所定の勤務時間以外を使って、何かを作成、点検、確認しなければいけないなどというようなことはないと思います。不定期ではありますが、所定の日数分の休日が与えられますので、計画的に数か月に1回くらいで、いつも献身的にわたしを支えてくれている妻と近場への一泊程度の温泉旅行を楽しみたいと考えています。また旅行以外の休日はもちろん女装です。勤務ということにすればそれでアリバイとなります。今から楽しみです。夜の8時くらいから準備を始めて10時くらいに完成して、飲み食い、お出かけなどを楽しんで、日の出の頃に解除して帰路に向かう。もうやるべきことはすべてやりつくして夜明けまで女装を楽しんだとして、悔いなく解除するというのが女装の正しい楽しみ方だと思います。ライバルとどっちがいい女か決着付けたいのに、次の日のどうでもいいような形式にこだわるような業務のために早めに解除して逃げ帰るように帰路に着かなければならないようなことはもうないと思います。お出かけや出会いの機会も増えることと思います。わたしの新たな女装ステージの開幕です。
となる運びでしたが、大事件発生です。
先日のことです。
「どうせ、また、女の子の格好して写真撮りに行ってたんでしょう」
と妻。
「?! ! !」
一体いつから? どうやって? なぜ?
こんなときは、どうしたらいいのか?聞いてみたいが、聞けるはずはない。
ピンチです。