ヨハネスブルグでロックダウン②〜地獄宿編〜 | Travel is Trouble 109カ国目

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トラブルに塗れた旅行記
目指すはバックパッカー逆バイブル
反面教師で最高の旅を!

ホステルを首になり、安住の宿を見つけた
しかし価格が安定しなかったので移動

ロックダウン中はころころと宿を変えた
住居を変更しては警察に逮捕される案件になりかねないのだが宿泊している最中にホテルの料金が値上がりした場合はそれに従えと言うのだろうか
それこそ新手のロックダウン詐欺になり得るよな
そんな詐欺には屈するわけにはいかない!
と別に値上げされてないのにロックダウン中でも平気な顔して宿を移動していた

ロックダウンから2ヶ月が経過
宿を変更する為にバックパックを背負ってダウンタウンを歩いていた時だった
「何してるんだ! パスポートを見せろ!」
獲物を見つけたとばかりにガタイのでかい黒人警察
「人のパスポートを見たいのならまずお前の警察手帳を見せろタコスケが!」
反論すると
「警察手帳は警察署にあるから警察署まで一緒に来るんだ!」
警察手帳不携帯で職務全うしてんじゃねーよ糞が!
と思ったのだが、さすがに抑えた
「2カ月もロックダウンで日本へ帰れてなくて金がないんだ。南アフリカの就労ビザがないから働くことができない。どこか無料で宿泊できる場所を教えてくれ」
と懇願すると
「もういいからどこかに行け」
とヤバい奴を鼻であしらうかのように早歩きで去っていった
困ってる人を助けたいと思う気持ちが無い奴が警察になるんじゃないよと思いつつも、これは今後の良い警察への対処法だと採用することに決定

その後、スーパーなど行かずに前々から目を付けていた一週間4千円の安宿に到着したのだが、ここがまたヤバい宿、つまり地獄宿だったのである
この安宿の主な宿泊者は旅人でも現地人でもなくネズミ
彼らはいつも宿を元気に走り回る
宿のスタッフはそれを微笑ましく見守るのみという共存スタイル

宿泊して数日が経った頃、部屋に入ると完全に何か音がしてる
チューチュー」
…まさか、スマホからチューチュートレインが自動再生されてるのかなと思ったのだが犯人はチビネズミだった
チビ過ぎてドアの隙間から自由に出入りしていたのだ
そういえば前に食べ残しのビスケットを放置していてまた食べようとするとなんか変な形状に変化してるなと思ったらこいつが犯人だったのか!
まあ気のせいかと構わずそのビスケットを食べたのだが今考えたらそれは史上最悪の間接キスではないのか! 
病気大丈夫なのかよ!

この宿の安さには更にからくりがあった
トイレやシャワー室の鍵がないので毎日がドッキリテレビ
入室中に何度開けられたことか
他にも部屋の扉の建て付けが悪すぎてタックルをかまさないと開かないことなどきりがないのだが、それより何とも致命的な理由があった

地獄宿の実態
穴の空いた鍋が主力になっているキッチンにいると、宿泊者でエレキコミックのやついいちろうが綺麗になったような雰囲気の黒人女性が話し掛けてきた
「中国人? 私とセックスしたい❤️」
値切るときに最初にめちゃ安い値段をふっかけるかのような大胆不敵なアピールだなと思いつつも黒人女性に一切の魅力を感じれない体質なので満面の笑みでノーと言った
不思議と次に話し掛けてきた黒人女性も同じように勇猛果敢
あれ〜こんなにモテたっけ?
確かに黒人ウケは良さそうだよなとは思っていたが、ここまでモテたのは3歳の頃以来
その次に話し掛けてきたのは日本のケバい女性がガングロになったような綺麗な見た目の如何にも人っ垂らしの笑い上戸
ニタニタと笑いながら
「私達は売春婦なのよ。えへへ♥」
衝撃の一言
おいおいマジかよ!
まあ外で営業してくれればどうでもいいか

さて今日も歩き疲れたぞーと夜宿に戻ると
ホテル内に売春目的の客来まくっとるやないかい!
マリファナやら危険ドラッグやらをかましてくる客達がホテルに入り込むというのは深夜のダウンタウンに飛び込んでいるのと同等じゃないのか!?
極悪人密度やばすぎでしょ

そんなすぐにでもチェックアウトしたい宿だったのだが結局は日々売春婦達から熱烈アピールを受けるのがまんざらでもなくなりしばらく滞在することになった

黒人達の髪質は9割9分パンチパーマ
しかしヨハネスブルグの立チンボ通りを歩くと、売春婦達は10割ストレートヘアーだった
宿の売春婦達も気の抜いてる時はチリチリヘアーなんだが、夜になるとこぞってストレートヘアーに変身
チリチリ頭で生まれ育ったにも関わらず、ストレートヘアーが好きだとは
私も学生時代、金髪を隠す為にカツラを被ってバイトをしたことがあるが蒸れて蒸れてしょうがなく、とても不快だった
チリチリヘアーを愛せない限り、一生カツラと過ごす運命なのかと心配
そうそう、それで宿の売春婦達は朝と夜では髪型が変わる訳で、そうすると全く誰が誰だか分からなくなってしまう
カツラが無い状態でも肌が黒い印象が強すぎて皆ウーピーゴールドバーグに見えてしまうというのに
結局はウーピーゴールドバーグが痩せているか太っているか、でかいか小さいかなど体型で判断するのが早いかなと考えたのだが、細長い人が2人、細くて身長低い人が2人、ぽっちゃり2人、巨尻が全員となってしまい、一か八かで名前を言い当てるしか方法が見つからなかった

地獄宿は日当たりが悪く、最低気温5度以下ということもあり寒さに凍えた
売春婦達は日中暇なので、常に敷地内の陽のあたる場所を探して動き回っている
それは私も例外ではなく、一足先に陽のあたる場所を確保すると、後からぽっちゃり系のうちの一人がやってきた
私は姿を見られないように車の影に隠れながらぽっちゃり系に当たらないように小石を投げると、驚いた顔を見せた
それを面白がって何度かやった後に笑いながら姿を現すと
「お前がやったのか! お前を殴りたい!」
と右手をパー、左手をグーにしてパシパシしながら激怒
てっきりドッキリTVのように安堵の表情を浮かべるのかと想定していたのに予想外の展開
なんだかアフリカはジョークが通じない人の割合が多い気がする
エチオピアでも物陰に隠れて女性を脅かしたらめちゃくちゃ驚いてくれたのだが、ずっと警戒しながら爆笑する私から遠ざかっていった
その答えは明確ではないが、ひょっとしたら生きる事に必死で笑いどころではない状況なのかもしれない
その後、怒り狂った彼女に夏みかんをあげて仲直りして事なきを得た

人ったらしでこの宿一の人気売春婦ジンバブエ人に
「私はあなたとジンバブエでお店を出すの。そしてあなたは私の旦那になるのよ」
と言われたり、行きつけのフライドポテト屋で
「私も一緒に日本に連れてって❤️」
などと言われるなど自動モテが発動する
しかしそこに愛はないのである
あくまで金が欲しいだけ
そんな金問題に飽き飽きしていた頃
「一ヶ月12800円、光熱費込み」
電柱に広告が貼られていた
格安すぎて心配だったが賃貸暮らしも面白そうだなと思い移動することを決断
滞在2週間目のことだった


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