更生医療の申請をしました。とてつもなく面倒! | 視覚障害投資家のHappy Days

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お金に関することを軸に、視覚障害者(弱視)である僕が、言いたいことをどんどん発信していきたいと思います。

白内障手術から10日。
経過は順調で、ひと安心しています。

今回、「更生医療」の利用を申請したので、それについていろいろ書きたいと思います。


更生医療、あまり聞き慣れないかもしれません。
これは自立支援医療制度の1つで、「障害者が、その障害を軽減させるため、あるいは悪化させないために必要な医療を受けるとき」に医療費が安くなる制度です。
大人を対象とするのが更生医療、子どもを対象とするものは育成医療として制度が設けられています。

この制度を使うと、まず基本として医療費が1割負担となります。
一般的に医療費は3割負担なので、これだけでもかなりの救済措置ですね。
さらに、所得に応じて負担上限額が決められています。特に住民税非課税世帯だとかなり低くて、月額0円~5,000円が負担上限額となります。

僕は住民税を払っているので、負担上限額は高額療養費制度での上限と同じになります。
具体的に言うと、僕の高額療養費の上限は57,600円なので、この金額になるまでは1割負担、ということになりますね。
1割負担で助かるけど、そもそも医療費が高すぎると高額療養費制度の上限に達し更生医療を利用する意味はなくなる、ということです。(ただし、制度はもう少し複雑なので、恩恵を受けられる場合もあります)



さて、そんなありがたい更生医療ですが、利用するまでがとんでもなく面倒くさいです。

更生医療を利用するまでの流れを、今回の僕の経験から見てみます。

①役所に更生医療を利用したいと相談に行く。
②申請書と医師の意見書を渡される。医師の意見書を病院に持っていき、書いてもらう。申請書は自分ですぐ書ける。
③申請書と医師の意見書を役所へ持っていく。
④審査会にかけられ、問題なければ利用が承認され、受給者証が発行される。



以下、1つひとつ詳しく見ていきましょう。



①役所に更生医療を利用したいと相談に行く。

まず、ここが1つのハードルでした。
利用したいと相談に行ったところ、「更生医療について、病院から案内がありましたか」と何度も聞かれたのです。
病院からは一切案内などありません。
たまたま子どものときに育成医療を利用したことがあり、更生医療についてもなんとなく知っていたので、「こういう制度があるんだな」とネットで調べることができたのです。
自治体や厚生労働省のウェブサイトはもちろん、念のため根拠となる障害者総合支援法まで調べました。
その旨を説明し、やっと申請書一式をゲットしたのですが、戦いはまだ始まったばかりです。


②申請書と医師の意見書を渡される。医師の意見書を病院に持っていき、書いてもらう。申請書は自分ですぐ書ける。

意見書を書いてほしいと頼んだところ、「役所から案内がありましたか」としつこく聞かれました。
「いったい何なの?僕が病気になって病院に行ってるなんて、役所が知っているわけないし、『更生医療があるよ』なんていきなり教えてくれるわけないじゃん。バカなの?」
・・・そんな心の声は抑えつつ、制度を知っているから利用したいと考えましたと、役所で説明したことと同じことをお話ししました。
それでようやく書いてくれることになったのですが、3週間ほどかかるとのこと。
お医者さんも忙しいから仕方ないんだろうけど…、結構時間かかりますね。



③申請書と医師の意見書を役所へ持っていく。

とにもかくにも医師の意見書を手に入れたので、あとは自分で申請書を書き、役所へ持っていきました。
細かいことだけど、申請書の欄狭すぎ!病院の住所や連絡先を書く欄が特に狭くて、健常の方でも大変だと思います。ただ申請書はWordファイルでもダウンロードできる形だったので、パソコンでサクッと作成しました。ちなみに、狭い欄はフォントサイズ「8」にしましたよ。

ところで今更ですが、更生医療は基本的に受給者証をもらってから医療を受けることになります。
審査会はひと月ぐらいかかるようなので、受けたいと思ってから受給者証が届くまで、2ヶ月もかかってしまう。
2ヶ月も治療を待たないといけないのか?
ここは最初から疑問だったので役所に聞いたところ、実務的な対応として、医師の意見書の作成日が治療開始前であればOKとしているようです。
ふー、これでお金を気にせず安心してすぐに治療が受けられますね。
この点は全国一律かわかりませんが、きちんと明文化して法令に盛り込むべきだと強く思いました。



④審査会にかけられ、問題なければ利用が承認され、受給者証が発行される。

さて、いつ受給者証が届くのでしょうか…。
はっきりとはわかりませんが、聞くところによると審査には1ヶ月ぐらいかかるみたいですね。

すでに支払った医療費がある場合は、受給者証が届いてから差額を返還してもらえるそうです。
ここで、気になることが。
更生医療などについて役所へ相談に行った際、おそらく受給者証待ちと思われる方が困っておられる光景を2度お見かけしました。切れ切れに話を聞いただけなので定かではありませんが、審査が遅く、高額な医療費を先払いしたため、かなり困窮しているようでした。役所の方は「待っていただくしか…」と言っておられましたが、なんとかしてあげなよ、ホントに。



ちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが、更生医療について、いかがでしたか。
今回の件で、こういう医療や福祉の分野こそ、もっとデジタル化が必要だと強く感じました。
まず、医師の意見書を準備するのに時間がかかりすぎる。
カルテなんてほとんど電子化されているんだから、そのデータを役所と共有すれば事足りるでしょう。
申請者の収入は役所がデータを持っているんだから、あとはそれらを結びつければある程度の判定は一瞬でできるのでは。
最終的に人の目でチェックするとしても、システムさえ整っていれば、2、3日で処理できるでしょう。


生命保険の保険金申請もそうですが、診断書が絡むと本当にアナログすぎて何もかも遅い。
「診断書を取る」という文化はなくすべきです。
認証の仕組みをきちんと制度化した上でカルテを共有し、もっとスピーディに処理してほしい。
これから人口は減っていくのに、医者にかかる人はますます増えていく。そんな中で従来どおりにやっていたら、いずれ破綻することは目に見えています。


結論:何度も何度も病院や役所に行くのは、もうイヤだ~~~~~~~~~~~!!!!!