7/29
バレエリュスでの華々しい活躍は過去のもの。戦争中の今は芸術にうつつを抜かす時代ではない。
ストラビンスキーは生活に追われ、死を目前にした愛する乳母を土葬にするお金もない。(安価な)火葬などロシア人にとっては死者への冒涜も同然だ。
登場人物が苦しみながら目を逸らしたい自分の内面と向き合う構図は好物である。
後半のニジンスキーに対する罪悪感とか、自分を縛る要素と向き合うあたりから俄然惹きつけられる。
そこに至るまでが…決して悪くはないけど凄く良いわけでも?という印象は相変わらず。状況説明の雰囲気があるからだろうか。前半は若干忍耐して見る気分に包まれる。
シリーズの他の2作を見ているから、〈ストラビンスキー〉では簡単にしか言及されないエピソードもドラマチックに迫ってくるけど、見ていない場合はどうなんだろう?
このキャストを選択したのはパク・ソニョン推しの友人の影響もあるにはあるが、シュムは意外なイメージのパン・ジョンモも見てみたかった。
張りのある強い声のパク・ソニョンが歌声の強いキャラクターを演じると「強い×強い」になりがちで、
もちろん強弱はあるんだけど、感情の陰影を音色から感じ取りにくかったのが残念。
同じ俳優を様々な作品で、様々な劇場で聴くと、歌声が結構違って聞こえる気がするから、もしかすると音響の調整のせいもあるかもしれない。
いずれにしろ、キュートでユーモラスな役もまた見たい。
いたずらっぽい表情でストラビンスキーにまとわりつくパン・ジョンモのシュム。結構良かった。
シュムって、どんなイメージでもいけるキャラな気がするが、ストラビンスキーとの一体感が欲しい気がする。そう言う意味ではベストな組み合わせではなかったかもしれない。
今期、ストラビンスキーとシュム、両方の配役をこなすパク・ソニョンに興味津々だったが、他の作品に押されて脱落のため、これにて終了!
初演の劇場はTOMだったから、ピアノの鍵盤を見下ろせたのが良かった。迫力は同じはずなのに演奏の妙味が違うようだ。
