[記事] TRUTH OR DARE 演劇〈ミラー〉 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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自分の予習復習用につき、かなりの偏りあり
(注意: 目標はネタバレ100%)
メモ付き写真アルバムとしても使用中

「TRUTH OR DARE」とは?


負けた人に与えられるのは、truth (真実)か dare (挑戦)のどちらかを選ぶ権利。

Truth を選んだら、聞かれた質問に対して正直に答えて、dare を選んだら「〇〇をせよ」という勝者からの命令を聞かなければならない。




元記事


演劇「ミラー」が初演の幕を上げた。検閲の時代、自由を渇望する芸術家たちの偽装劇を緻密に描いた作品。許可されていない公演を「ジョエルとレイラの結婚式」に偽装してまで上げる理由は何だろうか。今回の作品に参加する俳優のチュ·ミンジン、アン·ジファン、チョ·ウンジョン、アン·チャンヨンに会って話を聞いてみた。初日以後「絶対ネタバレ禁止」というレビューがあふれた作品であるだけに、まだ公演を見ていない人々のために、このインタビューはネタバレにならない線で進行した。しかし、リアルな驚きを味わいたいなら、公演を観覧した後に読んでみることをお勧めする。



--演劇「ミラー」を一言で表現するとしたら、どんな作品ですか。

アン·ジファン:文字通りに鏡。ありのままの姿をそのまま映して見せることが芸術的にどのように作用できるのか、そしてそれが果たして芸術なのか。質問を投じる作品です。


チョウンジョン:演劇の演劇の演劇。一つの演劇を見に来て、五つの演劇を見て行くことができます。


アン・チャンヨン:観客たちの目には本物なのか偽物なのか、ずっと混乱させる演劇です。検閲、真実、そして芸術について扱いながらメタ的な構造を取っている劇です。詳しいストーリーは直接劇場に来て確認しなければなりません!



各自担当した配役について紹介お願いします。


チュ・ミンジン:チェリックは文化部で局長を務めています。大きな権力を持っていて、その権力を利用して自分がやりたいこと、理想を達成しようとする欲望がすごい人です。自分の進む道がとても正しいと考えています。


アン・ジファン:アダムはありのままの現実を鏡のように書いていく作家です。


チョ・ウンジョン:メイは元軍人出身で、文化部に再派遣を受けました。演劇、芸術について次第に目を覚ます人物です。


アン・チャンヨン:バクスは一言で言えば巨匠です。この国の体制に順応しながら活動している、とても有名な劇作家です。芸術家として順応的であってはいけないという自分の内面の声を無視して、新人作家アダムの文章を通じて自らを再び振り返ることになります。



劇を見た方々が「ネタバレを絶対に見ないで劇場に行け」と言う作品じゃないですか。皆さんが台本を初めて読んだ時、その最初の感想が気になります。

チュ・ミンジン:まず劇の構造がとても興味深かったです。一つ心配な点がありましたが。私は文化芸術界で仕事をしている人間だからこの話がとても面白いけど、観客も楽しく見られる作品なのか疑問でした。リハーサルの時点までも皆の宿題でした。初公演後の反応が良くて驚きもし、ほっとしました。検閲という素材が韓国でも遠い過去の話ではないので、時代上の影響もあったのか、様々な意味で運が良かったと思います。

アン・チャンヨン:バクス役を中心に台本を読んでみろと言われ台本を開いたのですが、結婚式場の付添人として始まったんです。とりあえず興味深くページをめくりました。読めば読むほど展開がひっくり返るこの構造が不思議で面白かったです。俳優として「これはすごく楽しく作れるだろう!」と思いました。

アン·ジファン:破格的でした。もともと台本を貰えば、どうやって公演されるのか頭の中でよく描ける方だけど、この台本は想像がうまくできませんでした。舞台にどうやって具現化されるのか気になりました。

チョ・ウンジョン:私はソン・スジョン翻訳家の長年のファンです。幼い頃から先生が翻訳した作品はほぼ全部読みました。科学戯曲にすっかりハマっている時「インコグニート」と「別の群れ」はボロボロになるくらいに読みました。今回〈ミラー〉の台本を貰ってすぐに広げたけど、最初の章に「ソン修正翻訳」と書いてあるんです。あまりにも胸がいっぱいでありがたい気持ちでした。私が実は初見は休み休みするスタイルだけど、この作品は座った席で最後まで休まずに読みました。没入感もすごいし、どんでん返しもとても強烈で、こんなにいい台本で私が演技をするということが心配になったり、ときめいたりしました。


記憶に残る観客の方々のレビューや反応はありましたか?

アン·ジファン:手紙で感想を伝えてくれた観客の方々が多かったけど、思ったより直感的に面白いという反応が多くて不思議でした。ミンジン兄さんの言う通り、面白さに関する疑問点があったんですよ。言語や関係から来る微妙な地点で興味を誘発できるんじゃないかと慎重に予想したくらいでした。意外と今まで見た作品の中で一番面白かったというフィードバックをたくさんもらいました。

チョ・ウンジョン:初のプレビュー公演の時、1列の真ん中に座った観客の表情を覚えています。眉間をひそめて口を開けたその表情!

チュ・ミンジン:私は初公演を終えた瞬間のMBZ代表の顔が思い浮かびます。本当に明るく笑っていました。


練習の過程で一番悩んだ部分はどこでしたか。


チュ・ミンジン:私はセリフを覚えるのがとても大変でした。私たちが初めて全幕を練習した時、2時間40分になりました。今は2時間から2時間10分くらい公演をしているんですが。減った分量はほぼチェリックのセリフです。一通り暗記した時点で、しきりに途中のセリフが消えてしまうととても辛かったです。明け方5時までセリフを暗記して朝10時に練習に行くと「ここのセリフ二行切ってくれ。」と言われるとは。本当にやめようかと...(笑)


アン・チャンヨン:何と言っても新郎の付添人の祝歌にいろいろと悩みました。演劇だけどバクスだけはミュージカルです。(笑)ひそかに気遣うべきことも多く、その場面に責任を持つというのが簡単ではありませんでした。それでも祝歌を歌う場面があって一緒に笑う瞬間が生まれる気がします。あまりにも真剣に流れていく劇だから、そこで換気になったのでは。


アン·ジファン:私が今まで演じた人物の中でアダムは独特な方に属します。周りで似たような人を見ることもできませんでしたし。ありのままを正直に全部言ってしまうのに、感情線が劇的に表れない人物なんです。アダムも何か熱望があるはずなのに、あからさまに表現しなかったので、最初は人物を理解するのが難しかったです。(チェ)ホスン兄さん、(パク)ジョンウォン兄さんと三人が集まって相談し、毎日これが合っているのか不安になると演出家が今やっているのが正しい、もっとやりたいようにやってみろとたくさん応援してくれました。ドラマ「大蔵金」に出てくる有名なセリフがあるじゃないですか。「ただ熟柿の味がして熟柿だと思ったんだが。」それがアダムが芸術を扱う方式だと演出家がとても正確な例を挙げてくれました。


チョ・ウンジョン:メイは軍人という特殊性のある職業を持っていた人物なので、キャラクターデザインをどう掴むべきか悩みました。それでここにいらっしゃる方々に多くの助けをもらって、「鋼鉄部隊」の女軍編もたくさん参考にしました。もう一つ、メイという1人の女性が事務室の中で経験する不快な状況とそれに対する対処、そうしているうちにいきなり出てくる素直さについてもたくさん考えました。その感情が説明されないと観客の方々がメイを理解できないようでした。私も一人の女性としてメイが経験している状況を正確に表現するために努力しました。付け加えると演出家がこの劇はセリフ一つ一つを熱心に、うまくやらなければならないと言いました。だから全ての俳優たちがすごく熾烈でした。初公演の直前に「もう終わったからただ楽しくやれ!」と言われたのですが、私たちの時間を信じてくださったようで嬉しかったです。


アン・チャンヨン:俳優たちは不安でしたが、演出家は自信がありました。すごくかっこいい声で「大丈夫。私が全部整理してあげる。そのままやればいい。」と言われたのを思い出しますね。


チュ・ミンジン:演出助手が本当に苦労して一緒に整理してくれました。この紙面を借りて一言申し上げたい。本当にお疲れ様!



結婚式を偽装した演劇であり、その演劇の中でも劇中劇が繰り広げられる構造の作品です。特に気を使って表現しようとする部分がありますか?


チョ・ウンジョン:結婚式は許可を受けたけど、「A play」は許可されていない演劇じゃないですか。外圧の危険信号が絶え間なく割り込んできます。「A play」を演じるメイの状況に忠実だと、その割り込みがすごく生々しく感じられます。反応も更に敏感になります。だから全ての状況に忠実に取り組むことを最優先にしています。


チュ・ミンジン:結婚式の偽装までしながら演劇をするということは、この話を人々に聞かせなければならないという目的と、必ず聞かせたい気持ちが大きくて強いという意味じゃないですか。劇中劇の中のチェリックがどのように見えることを願って演技するのかに焦点を置いています。


アン·ジファン:おっしゃっるようにバクスが書いた「ピクリー大尉の鎌」とアダムが書いた「ケリン」を実演するという、「A play」の中での劇中劇が更にあります。「ピクリー大尉の鎌」は絵、「ケリン」は鏡だと思います。強調したい部分を大きく、分かりやすく描いた絵と歪みなくそのまま映った鏡。違いがはっきり見えます。観客の方々にその部分をよく見せたいです。


アン・チャンヨン:「ピクリ大尉の鎌」で誇張された演技をすると客席からも笑いが爆発するんですよ。 「積出歌(?)」という恐ろしいタイトルの歌も客席と一緒に歌います。 歌うことのない歌詞を一緒に歌い、滑稽に熱唱する俳優を見ると、一瞬大笑いになります。 そして実際の残酷な戦場の状況をそのまま見せる「ケリン」に移ると、笑いがさっと消えます。 その不思議なギャップ、不気味な感情を感じることができるという点が〈ミラー〉の魅力だと思います。


チョ・ウンジョン:「ピクリ大尉の鎌」のシーンが 一番面白いんですが、一番大変です。メイは演技について無知な人なので、他の人物の影響をすごく受けると思うんですよ。それでメイはこの演劇をしながら残りの3人をずっと観察します。彼らがどのように演技をするのかを見ながら模倣もします。私としては集中を逃してはいけないという考えで、一瞬すごく敏感になります。それで大変でもありますが、うまく終えればこれほど気分が良いことはないんですよ。



チェリックは実在の模写は芸術にはなれないと主張し、アダムは実在を模写する戯曲を書き続けます。この二人の立場についてどう思いますか。


チュ・ミンジン:会ってはいけない二人が出会ったと思います。「芸術とは何か」という質問から始めると、二人は出発点も、到着地も違うんですよ。ところでチェリックがアダムの文章を見てその筆力が欲しがったんです。権力を使っても自分が正しいと思う芸術の場に引きずり込みたかったのですが、それが問題だったと思います。一言で間違った出会い。しかし間違った出会いがいつも人生でイベントを作り、それが話題になります。演劇になります。


アン·ジファン:チェリックが、なぜ会話をそのまま移して戯曲に書いたのかと聞く言葉にアダムが「ただ記憶に残っているからだと思います。」と答えるんですが。そのセリフが芸術を説明できる地点と接しているようです。記憶に残るということ自体が劇的な瞬間じゃないですか。 向き合いたくない醜くてイマイチな瞬間でも記憶に残るならば、その中で芸術が誕生できるのではないか、この作品を通じて考えてみることになりました。だから、芸術が誕生する地点である記憶に残る瞬間、その中身が消えた時、芸術は価値を失ってしまうようです。 バクスはある瞬間、中身を逃した芸術家で、アダムは包装されていない中身だけで芸術をする人だと言えますね。


アン・チャンヨン:しかし、アダムのように事実をそのまま移すことを芸術と言えるだろうか? 相変わらず疑問があります。この作品をしながら、私もチェリックの立場に近いのか、アダムの立場に近いのか、たくさん悩んでみましたが、答えが簡単に出ませんでした。序盤にチェリックが話す話を聞いてみると、間違った言葉だけではないようです。この公演をしながら、私はどんな芸術を望んでいるのか、私が追求する芸術的なことは何なのか、ずっと悩んでみたいです。


チョ・ウンジョン:実在を模写しようがそうでなかろうが、両方とも一つの作品にはなれると思います。それを芸術だと判断するのは、作品を見る人それぞれにかかっているのではないでしょうか? そして、その判断基準には個人的な趣向、考え方、スタイルなど主観的な要素が介入するので、自分自身は何を見た時に芸術だと感じるかを考えてみるのも面白いと思います。



同時代の芸術家として作品に共感する部分も多いと思います。


チュ・ミンジン:私はチェリックにとても共感します。もちろん、する行動がイマイチな部分もありますが、彼の言うことの半分以上が納得できて悲しいです。お父さんたちを見ているような気もします。良く言えば広い共感帯を持っていくということでしょうが、もう私は意地や芯のない人になったのか、苦々しく少し怖い気もします。


アン·ジファン:私はバクスに移入できる部分がかなりありました。出世したいという気持ちは自然なものじゃないですか。生存のための本能でもあります。しかし、出世を追っていると惰性に陥ります。ただ芸術家だけでなく、仕事をする方々なら皆共感すると思います。バクスが醜い姿もたくさん見せますが、その姿から自由になれる人はあまりいないと思うんですよ。「私ももっと成功したくて、すごく悪い時があったんだけど」と思わせる人物なので、何度も見てしまいます。


チョ・ウンジョン:検閲という言葉が大きくて重く感じますが、実はとても身近にあると思います。生活の中でも私たちは大小の検閲を毎日しているんですよ。これを買ってもいいのか、これをしてもいいのか。私はメイがチェリックの小さな事務室の中で自分自身に対する検閲を最も多くしている人物のようで気になります。私たちの中にも皆メイの心が 少しずつあるんじゃないですか?


アン・チャンヨン:この公演をしていると、しきりに自分を振り返ってしまいます。他人は不快に思うことを私は感じていないのではないか、本当に率直に演技に臨んでいるのか、本当に「鏡」を覗き込んでいるような気がするというか。私を良い方法でいじめる作品に出会えたようで感謝します。


チュ・ミンジン:ちなみに、この台本の序文を見ると、作家が台本をどのように執筆するようになったのかについての話が書かれています。本「サピエンス」で多くの影響を受けたと出ているんですよ。それがチェリックのセリフの中にたくさん溶け込んでいます。作品の中の人物たちが演劇について、芸術について話しているようですが、実は生存に関する話が水面下に隠れているのです。私が舞台に立つ職業なので、この作品にもっと移入するというよりは、生きていく方法について話す作品なので、たくさん心に響きます。個人的に「サピエンス」という本が本当に好きでもあり、生存よりもっと価値のあるものが何か悩む過程にあるので、〈ミラー〉に特に共感します。



検閲の時代にも芸術家として信念を持って劇を上演する人たちのように、俳優として必ず守ろうとする自分だけの信念がありますか。


アン・チャンヨン:舞台の上で無駄なことをしないこと。毎瞬間、誠実に舞台に立つために努力しています。ある意味、最も基本的で当然の話かもしれませんが、その誓いを守り続けるというのは本当に難しいことなんです。おじいさんになって演技をしても成長し、発展しながら舞台の上に最善の姿で立っていたいです。


アン·ジファン:以前は芸術と演技をすごいことだと思っていましたが、今はそう思わないようにしようと考えています。人生が優先されなければならないというのが私の信念になりました。日常の中に芸術があるという考えで自分自身と他人をもっと大切にしようと努力しています。そうしてこそ演技ももっとよくできると思います。芸術を上手にしようとしても、それが重要なことではないんです。


アン・チャンヨン:とてもいい話だ。 焼酎一本持ってこようか?(笑)


チョ・ウンジョン:公演は一人ではできないので、一緒に作る人々に対する責任感、私自身に対する責任感、観客の方々に対する責任感を失ってはならないということをいつも思います。公演に上がる前にいつも思い出す内容でもあります。


チュ・ミンジン:信念があったようなのに消えました。私は自ら芸術家でもないと思っています。ただ他人に迷惑をかけないようにしようという気持ちで生きています。年を取るにつれてますます単純になり、日常生活が平和であることだけを望んでいるようです。



最後に、見に来る観客の方々に一言お願いします。


チョ・ウンジョン:まず、これまで来てくださった方々に暑い夏に劇場まで貴重な足を運んでいただき、舞台を輝かせていただき、本当に感謝します。  そしてこれから来てくださる方には、チェリックのセリフを引用してお伝えしたいと思います。「人々は話すのが好きだ。 話は早く広がっていく。」来て私たちの話を楽しく聞いていただいて、作品についてたくさん話してください。なので、遠くに広がるようにしていただけるとありがたいです。


アン・チャンヨン:回を重ねるごとに使命感を持ち、より楽しく公演しています。ますます深くなる予定です。この公演は観客たちと一緒に作っていく公演なので、いらっしゃって私たちの作品を完成してください。


チュ・ミンジン:個人的な考えですが、もう生き残るために努力することを大きな美徳として考えてくれない時代が来たようです。なので力が抜ける方もいらっしゃると思います。少しでもそんな悩みがあるなら〈ミラー〉を一度ご覧になることをお勧めします。作品の中の人物たちも、人物を演じる俳優たちも刻苦の努力をしているんですよ。一体何のためにあんなに熱心にするのか質問してみて、自分だけの答えを探してみてほしいです。


アン·ジファン:本当に面白いです。ぜひ見に来てください!


ATTENTION, PLEASE

演劇〈ミラー(A Mirror)〉

2025年6月24日-9月14日

イエス24アートワン1館