〈グルーミー・サンデー〉観覧 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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韓国ミュージカル
全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

12/5


おかしい。聞いていたのとは違って面白い!


もひとつ、おかしい。ジョンミンさんがカッコいい。前半は割と寡黙だったからだろうか?指差し


昔の白黒か、辛うじてカラーの時代のヨーロッパ映画みたい。映画を元にしているので当たり前かもしれないが。


とりあえず舞台が良く作り込まれていて綺麗だった。ヨーロピアン〜照れ


音楽もたいへん美しかった。OST貰ってあげてもいい。(と上から言いたいところだが、「7回通ってスタンプを押さないとあげないよ〜」だそうだ。)


面白かった理由は、ベテラン3人の妙味かもしれない。チャボの複雑な感情を軽妙に表現するムンソンさん、嫌味のないジョンファさん、2枚目の(!)ジョンミンさん。このチームがよかったんだと思う。


その中で若いハンスが浮きまくり。でも軍人として戻ってきてからの異物感が良い。めっちゃ悪人で俳優本人さえ嫌いになりそう。


イロナを巡る男2人が本心をさらけ出した後、三角関係は奇妙な安定期に入って一件落着。男同士の友情、絆も深まっていく。


話のポイントは、ユダヤ人を迫害するドイツ軍(ナチ)がブダペストに拠点を置いたことで、3人が戦争をどう生き延びるかに移ってく。


昔の恋愛映画のようなアナログな情緒が懐かしくて良かったし、男女関係だけじゃなく運命共同体みたいになっていくのも面白かった。なにしろチャボはユダヤ人なので、緊迫感があってドキドキだ。


ユダヤ人収容所に関する話が織り込まれているので、演劇の〈オールド・ウィキッド・ソング〉を思い出したりもした。


イロナに突然プロポーズして断られた若きハンスは、アンドラスの奏でる「グルーミーサンデー」の調べに誘われるように橋から身を投げてしまうが、それを助けたのがチャボ。


軍人になって戻ってきたハンスは、チャボは命の恩人だから恩を返したいと言いながら地位を振りかざす。ハンスって最低。最低の奴にへつらっても生き残ろうとするチャボはもっと最低なのかもしれないが、その辺ムンソンさんが上手く表現するので、とっても切ない。


でもアンドラスにそんなしたたかさは無かった。


そう言えば80歳?になって、チャボのレストランを再び訪れたハンスの語りで幕が上がるんだが、あんな奴だと知ってたらヤジって座布団投げつけておくんだった。ぷんぷん。


そんな重みのある悪役をギボム君がこなせるのか、若干心配になる。ジュニョク氏は似合うし上手そう。早く見たい!


アンドラスのナンバーがスンアン君の声だと魅力倍増しそうなので、スンアン・ピアニストも早く見たいし、これはリピ決定!





12/15


こっちに誘惑されて、本来見るはずだった「大虐殺の神」はキャンセル。


前回連想したのが、イングリッド・バーグマンとかハンフリー・ボガードとかの時代の映画。具体的根拠は一切なくて、ただ連想しただけ。デジタル味が一切なかった頃の、カラカラとフィルムが回る時代の映画の雰囲気。


なんかやっぱり好きだ。


冒頭のレストランシーンで「料理もピアノも、何もかも昔と同じ」というセリフがあるにはあるが、薄暗い廃墟、もしくはハンスの心象風景のように見えてしまったのは良くないと思う。


私のように映画も見ておらず察しの悪い客のために、客のざわめきとか食器のぶつかる音でも流して、目にはみえないが、客で賑わっている雰囲気を出してくれたらよかったと思う。


それもあり、初回は冒頭のテーブルの上のグラス、アンドラスが持っていた毒の小瓶、現代のラジオから流れるニュース…こんなものには全く気付かずに見ていたが、今回は最初と最後が繋がって、あーっびっくり!となった。




「憂鬱な日曜日」って、ブダペストを包んでいたナチスの時代のことなのかなとぼんやり考えた。


そう思うと何となくクリエイターが重なると聞く「死の賛美」に似た所がある気がする。時代の状況から逃げられない人々。


音楽も似てないか?


舞台の色形や照明の使い方が〈燃ゆ〉っぽい気もする。シャンデリアが似ているので余計に。


憂鬱なキャラとナンバーが似合いそうと思ったスンアン氏はやっぱり良かった!こういうキャラの時が好き。


メビウスの輪のナンバー (M7. 奇妙で特別な)を始め、歌声がとっても良い。


残念ながら前半あまり歌わない。(だからジョンミンさんがカッコよかったのかもてへぺろ。歌うと若干アジョシっぽい)


しかし出ている音源の少ないこと!スペシャルカーテンコールも無いみたいだし。紹介できなくて残念。


痛みと苦しみと怒りを抱いたまま道化のように笑うチャボには、ジョングさんよりはムンソンさんがぴったりだった。逆に、彼が演じたから悲しい道化に見えたのか?


前回〈ホンリョン〉のバリ姫で迫力の歌い上げをしていたイ・ジヨンが、ふわーんとしたイロナを可愛く演じていて、俳優さんて不思議だなーと思った。ドレスを着替えてひらひら〜っと登場した時もとても華があった。





1/18

嫉妬や恐怖を抱えながらも笑いの仮面を付けられるチャボ。


人間の女の存在感を与えない、天使の歌声で美しくも可愛らしいイロナ。


陰鬱で、ナンバーの歌声がめちゃくちゃ素晴らしいアンドラス。


初見ながらヴィランの魅力炸裂と聞くハンス。


かなりのメンバーと思われる


なんだかな〜という声もあった作品だけど…


私は好きだ!良い!!


最後のシーンの照明が落ちてから、じわじわじわじわ余韻が増してきて、カテコで拍手している間に涙がこぼれた。


どういう感情で…とは説明できないけど。


(後からじっくり考えるに、憂鬱な日曜日のような不幸な時代に生きざるを得なかった人々に対する憐憫の情、戦争のような状況を作り出す人間の愚かさに対する悲しみ…?)


ナチスドイツが権力を振るうブダペストで生きざるを得ない、ユダヤ人を含む3人。


前半は男性2人と女性1人の奇妙で特別な3角関係を描いて、


後半になると戦争の影が色濃くなっていく。


絶望の中でも生き残ろうとするのか

絶望に生きるより終わらせることを選ぶのか?


退屈どころか、私には大変ドラマチック!


知らなかったけどスンアン氏、今日がマッコンだった。1週間早い。


この役は本当にピッタリ。いつも愛想がなくて暗い。打ち解けてくるとチャボやイロナと笑い合ったりもするけれど、内面の1番深いところには常にどうしようもない孤独感を抱えているように思わせる。


それに、何と言っても彼の歌を聴くだけでも価値がある。もちろん彼だけじゃなく、全員で歌うナンバーの美しさときたら!


ジニョク・ハンスだが、「これからは大佐と呼べ」ってところ、「こんな事言って悪いけど、本当に人目があるから仕方ないんだ、分かってくれよな」という雰囲気。


ギボム君だと傲慢さ100%で、再登場の初っ端から何か変だと感じるが、ジニョク氏の場合、知らなかったら悪い奴には見えないのが余計に悪どいむかつき


ジニョク・ハンスには、チャボとアンドラスに復讐したい気持ちが強く感じられた。


自分はイロナに拒絶されたのに、チャボはイロナの居場所だし、アンドラスはイロナの心を奪ったから憎しみに近い嫉妬心があるんだと思う。自分が加われない3人の輪に対しても。


チャボが撃たれるのも、もしかするとハンスが図ったことなの??と今回初めて思った。


イロナにはどうかと言えば、それは今でも自分のものにしたい…のも…腹いせ半分?口先では「あなたのためなら、どんなことでも…」と言いながら彼女を手に入れるけど、保身のためなら簡単に裏切る奴。気持ち良いほどの憎まれ役だ。

 

それと、いくら心の広い私でも受け入れられないものが一つ。


それは、若い頃のハンスの衣装ポーン

当時のドイツ人はああいう服を着ていたの?カーテンコールでわざわざ着替えてこなくていいのに悲しい。軍服で良くない?!



全体的なところで難を言えば、イロナが老婆になってからの現在と回想シーンの移り変わりが分かりにくい。本と演出だから、俳優のせいじゃないけど。




1/19


事件!私がプログラムを購入❗️

滅多にない事なので相当気に入ったらしい。

(今一つ把握できない部分があるので、プログラムで理解のカギを見つけたいのもある)


本日はジェウンさん目当てで。あまり素敵じゃないのが似合う役ながら、素敵なジェウンさんを見よう!


顔を見た瞬間〈シラノ〉が浮かんでしまったけど、〈容疑者〉の石神に近い感じ。ちょっとダサくて良かった。耐えて尽くす姿が私の好物。


ジョンミンさんはご本人が陽キャラなので、時代や境遇のせいで陰に見えるけれど、端々に根っこは明るい感じが出てしまい、アンドラスとしてはちょっと違うんではないかと思った。


スンヒョンさんだったらアンドラスがコンプリートできたのだが少々残念。


今日の涙はイロナの “당신을 끝까지 지키지 못해서 미안해” あたりから早々と。


ジヨン・イロナは現在から過去を振り返る場面になっても、特に老婆のような演技をしないのがジョンファ・イロナと異なる点。


彼女は2020年デビューとは思えない実力と円熟度。男2人を同時に愛し、愛される、あっちでキスして、こっちでキスして、反感買いそうなキャラ。何と描写したら良いのか、同性から嫌われにくい彼女のサバサバした感じが役立っている気がする。


ギボム君、歌は迫力。演技的には軍服になってから分かりやすい嫌な奴。最初に彼で見ていたら、ハンスの裏切りがそれ程ショックじゃなかったかも。


とは言え、とてもムキーピリピリ!となるので「コイツめ!これでも喰らえ!」という気持ちでカテコの拍手をバッチンバッチン叩いてきた。


お手伝いも頂き、7回のスタンプを達成したので、めでたくOSTの権利をゲット。関係各位の皆様、感謝感激でございます。