〈クローバー〉観覧 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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韓国ミュージカル
全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

11/9


事前に「うん、まあ…、楽しいよ」という感想を聞いた上でプレビュー観劇。なぜなら40%割引だったから。


悪魔役の俳優はジョンインのバイト先のハンバーガー店主、神父、保険外交員など色々な役を兼ねるので、カンチャンべうが大忙し。(ガチャガチャした印象がなくもない。)


次回、起承転結をもっと把握できたら印象が変わるかな?



(3回の観劇を経ての理解はこんな感じ↓)

カビ臭い部屋で年老いた祖母と貧しく暮らす高校生ジョンイン。部屋にはネズミやゴキブリもうじゃうじゃ。Wi-Fiは他所の電波をかろうじて拾っている。


放課後から夜遅くまでハンバーガー店でバイトして廃棄処分品を持ち帰り、ダンボールを拾って歩いては生活費の足しにしている。教会から支給されるパックご飯やラーメンが命綱。そんな彼に済州島への修学旅行費4万円は手の届かない、夢のまた夢だ。


彼の元に、休暇中の悪魔が1週間過ごさせてくれと(かぐわしいカビの香りに誘われて)やってくる。この悪魔、猫の姿で街をうろついたりもする。


ジョンインが「もしも」と願いさえすれば、宿泊費としてどんな願いも叶えてくれると言う。休暇中なので「悪」要素はないと自己申告。


そんな誘いには目もくれないジョンインだったが、(保護者の同意を得ていないから?)敢えて契約書を交わしていないバイトは不当解雇された上に、祖母は交通事故で緊急手術となり、医療費の支払いがのしかかる。


絶望的になったジョンインはついに悪魔の手引きで理想の夢の世界に逃避することになる。しばらくは陶酔するものの、祖母の存在を思い出したジョンインは現実社会で闘い続ける決心をする。



12/9


ミニョン君の歌を聴いたらビックリな美声で、今日は彼を聴くための!クローバークローバー


経歴としてはフランケンの子役を経験しているという。調べたら2014年だった。


ドラマ出演が多くて、25/21、イテウォン、Mr.サンシャイン、7日の王妃、トボンスン、W、その他ゾロゾロと出演している。


実際のミニョン君も実に美声だった。演技もメリハリがあって分かりやすい。20才過ぎたんだしミュージカルに戻ってきて、どんどん歌って欲しい。


悪魔役のイム・テヒョン氏は、〈オズ〉でも〈ホンリョン〉でもタイミング合わず、実物は見ていないかとおもったら〈登登曲〉で見ていた。


この悪魔はまず顔が良くてグリーンハーツ身のこなしもカッコいい。クール!笑顔なんだけど瞳の奥が冷たくて、悪魔っぽい!


カテコ挨拶の笑顔が全然違って、本当にあったかい笑顔だったのでビックリ。


2人とも魅力的で楽しく見ていたんだけど、いつのまにか睡魔が…(俳優が舞台中央に立つと目と目が合う席なのに)


自分の能力か音響か、どうも言葉が聞き取りにくくて疲れたのも原因の一つか?


設定として、バイトじゃ生活苦しいのは分かる。だとしても貧乏な高校生がダンボール拾ってまで稼がなくても、家族が祖母1人なら福祉とか保護制度とかあるでしょ?(体の痛いおばあちゃんもダンボール拾ってるのかな?そこは自信なし。)


悪魔も願いを叶えてくれるって言うなら、夢を見せるだけじゃなくて、現実を変えてあげなよ!夢だけなんて、役にも立たない!と心に不満が募る。(だが顔はいい)


没入しにくい話だ。



ロビーに置かれていたミニツリー。


「世界平和」「大統領弾劾」「ボーナス出せ」まで色々な願いの中で


「自由劇場の視野が自由になりますように」

視野と音響が悪くて有名な自由劇場。笑えるが切実。




1/15


何だかんだ言いながら3回目。コ・サンホと言えば悪魔、悪魔と言えばコ・サンホ。彼が見たかった。


年末に観劇まとめをしながら、なぜ3回も見てしまったのかと首を傾げている私が見えなくもない。


でもオールキャストコンプした意義はあるはず!(?)


ビターチョコのような味わいの悪魔だったが作風と合わないので、彼の魅力も生かせないし作品自体も生きない感じ。


初回観劇から今回まで、一貫して設定に共感できなかった。根本的にこんな苦労しなくても暮らしていけるはず!という考えが頭から離れない。数枚のダンボールを拾ったからって大したお金にはならないだろうに。


でもそれは日本の場合だったら…なのかもしれない。韓国の福祉制度は日本ほど充実していないと聞くので、同じ感覚で見てはいけないのかもしれない。


そこでクローバーを見たことのある韓国の知人に尋ねてみた。ジョンインのような状況は実際にあり得るのか?


私の語学レベルというハードルがあるので100%聞き取れなかったけれども、答えは「あり得る」だった。


「学費は補助があったとしても、修学旅行のような付随的な部分は実費負担になる。」まあ、それは理解できる。


「政府の補助はあるが、劇中のように教会のような組織が用いられることが多い。」


日本の生活保護制度にも多くの問題がありそうだが、『健康で文化的な最低限度の生活』は一応保証されている。不正受給しようとする人がいるくらいだから、悪くない制度なのだろう。


そして収入が少ないなら医療費負担も少ないはずだと思うのだが。


日本だったら正式に働きながら定時制に通うという手もあるが、見栄っ張り社会だから無理な話?(そもそも定時制的なものはあるんだろうか?)


幸運と幸福、勇気と未来。そんなテーマがあったようにも思うが、ミュージカルよりも日本人感覚では理解できないジョンインの状況がもどかしくてたまらない作品だった。




蛇足:〈クローバー〉は、普通だったら売れてなくても意地でも割引は出さないマッコンまで平等に当日50%割を出しているのが偉大だ。〈テイラー〉も見習ってくれるといいな。(マッコン当日券予定)