11/8
感情が揺さぶられてぐったり。見終わって心地よい疲労感がある。よくこういう演出を考えたと感心する。シンプルな表現であるほど、メッセージがパワフルに迫ってくるようだ。
「生き残るってどういう事?」と聞く子ペンギンに、「死ぬよりずっと難しいこと」と言うサイのノードン。
瞬間(ベルばら)アンドレ絶命の場面が思い浮かんで、あの時は、起こってはならない悲劇に見えたけど、動物たちにとって死はいとも簡単にやってきて、死なずに生きている方が稀有な事なんだと思い至る。もしかすると我々も。
生き残るとは「毎日起き上がって歩き続ける事」と聞いて「意外と簡単なんだね」と屈託なく笑う子ペンギンの姿に、なぜか胸が熱くなる。
12/6
前回に続くマチネ枠で、ノードン以外は前回と同じキャスト。
私が感想を語るより、まずは草の揺れる草原のかなたの地平線や、風や、鉄条網に囲まれた閉塞感や、愛や痛みやあれやこれやを実際に感じて欲しいと思う。
ウジンさんは「ミュージカル俳優ではなく歌が弱いので、違う部分の表現力を工夫したい」と語っていた。そのせいか、ウジンノードンは、心も体も傷が深くて辛くて、反対にペンギンには暖かい。
中学生のガウンちゃん。マチネだと彼女に当たる確率が高いってことだろうか。2009年生れだが、ミュージカル歴は2018年の〈マチルダ〉から。2015年からドラマ出演もしていたらしいので、15歳にして芸歴は9年?子ペンギンに相応しい幼さと、瑞々しい感情の奔流で観客を圧倒する。
チク役のイ・ギュハクさん。知らない俳優さんだったけど、1回の観劇ですっかりファンになった。ちょっとひねくれた表現で、チクの愛情や悲しみがより深く感じられる。
この日は大量の小学生(そして親たち)が来ていた。劇場のスタッフがロビーでも隙あらば観劇マナーを伝授している。上演前にも中央に立った案内員が、子供にも分かりやすく禁止事項を確認していた。こうして正しい観劇マナーを学んで立派なオタクに育って欲しい。(違うか?)
始まってすぐは「あれはペンギンなんでしょ?」と大人に尋ねる声が聞こえたが、じきに没頭したようで聞こえるのは自然な笑い声などだけだった。しかし、上演中2~3回、注意するために客席の通路を移動するスタッフの姿が気になる。音は聞こえてこなかったので、姿勢が問題だったりしたのだろうか?
多分私の趣向は大衆的で、激押し作品の評価は9.9(インターパーク)のことが多いのだが、〈長い長い夜〉は9.8だ。不思議だった。評価内容を見てみると、「子供がトイレに出たらその後入場できなかった。ひどい。」「ちょっと遅れただけなのに観られなかった」なんて内容で低評価をつけているケースを見かけた。なんだかな。
有名な童話が原作なだけに、観劇に慣れていない大人や子供の観劇が多かったのだろう。「オタク vs マグル (一般人)」の対立構図で「一緒に観劇したくない」となりたくはないので、お互いルールを把握して観劇いたしましょうよ。終了後、瞼や鼻の頭が赤くなった付き添いのお母さんを見た。仲間だし。
12/17
本来予定はなかったが、この期間にコンサートが急に発表されたので渡韓追加を検討していた。コンサートのピケッティングに負けた段階で大人しくやめれば良かったのだが、火曜なのに〈マタハリ〉のマチネもあるし、22年〈ベア〉ナディアのジヒョンちゃんペンギンも見たいしで...。
ガウンペンギンは真っ直ぐな感情をぶつけてくる感じなので、もう少し演技術的なアプローチを見てみたいのもあった。
結論的にはまさしくそんな感じで、少しお姉さんぽいペンギンだったかもしれない。
結局、甘いものの後には漬物が食べたくなるのと同じで、こっちを見ればあっちを、あっちを見ればこっちも見たくなる魔のループ。
ジョンウノードンも見たかったが残念ながらはまらず。
アンガブ/ウィンボは初めてのパク・グンシクさん。暖かい笑顔のアンガブだった。...が、私はソニョンさんのアンガブが好きなようだ。動物園育ちで翳りのない善良さ、一種(アホっぽい)単純さとも言える純粋さが愛らしい。ウィンボの時は同じ暖かさでも、チクを包んで見守っているかのような大きさを感じる。
ソニョンさんは勉強放送で質問に答える時、とても緻密に考えた答えを準備してきて、メモを見ないと答えられなかったりする。そこまでしなくてもいいのにって(あくまで暖かく)笑われたりする。超理論的タイプらしいのに、とてもエモーショナルな演技をするので、人間的にも興味をそそられる俳優さんだ。
この日は特別カーテンコールデイだったので、スタッフさん達がボールの海をお片付け。
大賞の方には〈島〉ではなく〈グルーミーサンデー〉が入っている。私としては結構好きなので来月も見る予定ではあるけど。実は...びっくり。11/5に開幕してから、それなりに面白く見たが、評判もまあ普通、「大賞」という程ではないような?まあ、色々あるんだろう。
スタンプ貯めてもらったストーリーブック。