巨大すぎて距離感覚を失う国立中央博物館。
一見のどかな風景。でもお隣は軍関係の施設だったかな?NAVERマップの航空写真で見ると緑で塗りつぶされていて何も見えない。(Googleマップだと全部写っているので隠す意味あるのだろうか?)
併設の劇場「龍」(ヨン)で見たのがこちら
〈パガニーニ〉。
5/17
シッツプローブを見てホン・ジュチャンのパガニーニを見たくなったのに18日しか枠が取れないので諦めていたら、
「悪魔と言われたパガニーニが天使みたい

」「萩尾望都ふうパガニーニ

」とかってハートマークのコメントが耳に入ってきたものだから、他を犠牲にして無理やりねじ込んだ回。萩尾望都と言われて後には引けない。
そもそもナンバーに殴られたい、という動機で選んだ作品。ペク・インテ/キ・セジュンの声圧で殴られまくってパンチドランカーになりそう

。大満足。
〈レミゼ〉のジャベールは現代なら強迫性パーソナリティー障害に近いって説があるそうで、インテ演じるルチオも似てると思った。…でも違うのかも。割と早くから悪魔じゃない疑惑が彼の中にあったようだし。
最後まで自分は悪魔だと認めなかった女が銃で自殺した事件がトラウマになっている感じだ。押し殺したトラウマが表面に出てこようとするたびに、返り血を浴びた首筋を押さえたりする。トラウマを打ち消す、もしくは隠し続けるためにはパガニーニが悪魔でなければならなかったのか?(まだ良くわかってない。)
カテコ最後のパガニーニの動作に呼応してだったか、ルチオが首筋を押さえてからその手をじっと見た(ような気がする)。何?最後まで意味深で困る!
一番印象深かったコルレン役のキ・セジュン。ニヤリと登場した瞬間、うわっ!こいつ悪人!というオーラ。卑屈さの裏にひそんだ傲慢さ、親切な紳士のようでありながら実はゾッとするほど残酷。唸るほどの表現力。
前作品では〈メリシェリ〉の気弱なパーシー。コメディから悪人まで、見るたびに違う魅力に驚く。先日大学路のアワードで主演男優賞かなんか取ったのは順当なのかもしれないと思った。
一方主役のホン・ジュチャンが初めて顔を出した時は、爽やかな風が吹き過ぎた。(嘘ではない)
歌も演技も演奏も立派なもの。無理して枠を作って良かった。
頻繁にバイオリンの弓毛が切れて弓の先で揺れているのが照明でよく見えて、大丈夫なのか心配してしまった。後で調べたら馬のしっぽの毛を160~180本使うそうなので、数十本切れても演奏はできるのかな。
その毛をつかんで激しくむしり取ったのは演出じゃないだろうけどインパクトがあった。最後の演奏は命を注ぎ出している感じが壮絶だった。
話は違うがパガニーニがジーンズを履いている。ジーンズチェーンまでしてるからモーツァルトを思い出した。(どっちが先なんだろう)
最近はアガサもイソップもハマらなかったので久しぶりのジュヌ君。感心するくらい上手かった。1ヶ月前に比べるとだいぶ進化したとのこと。凄いよなあ。
5/18
この作品のハイライトは最後の演奏だと思うが、もう一つのハイライトは、天使か?悪魔か?といった趣で始まる冒頭のダンスじゃないだろうか。途中にも登場するがパガニーニの音楽を具象化する。(ベートーベンもこの手法を使ったんだな)
女性ダンサーがとても長身で手足が長く、ドラマチックな舞踊を披露してくれるので実に見応えがある。
長身と言えば代表イメージのジュニョン・コルレンとルチオがほぼ互角なのでギョンスさんも長身なんだなと改めて思う。そしてコルレンをわずかに見下ろす感じのKoNパガニーニ。見下ろされるジュニョン君を初めて見たかも。
そしてそんなパガニーニと並んでもあまり差のない女性ダンサー。やはり相当背が高いよね?
身長の話はこれくらいにして
キャスティングでなんと一番重要視したチャホン君が息子役の日。
昨日のアキレとはまた違った雰囲気が新鮮!〈銀河鉄道の夜〉では並外れたエネルギーを発散していたけどここでは封印。
法王の前でガクガク震えている。まさに「心臓が口から飛び出しそう」な様子。発言を促されるがすんなり声が出てこない。
しかし、本来なら人前で話すだけでも無理そうな息子が法王の前で気絶しそうになりながら頑張っているのは、父を思う心の切実さゆえ。チャホン君ならではの情の深さを感じる。
ギョンス・ルチオは昨日ほど病的な感じはしなかった。ルチオと十分親しくなれていないので理解できない部分が大きいのだけど、深掘りしたら面白そうな人。
そのためにこの作品が存在すると言われるKoNさんのバイオリン演奏は確かに素晴らしかった!素人なので、あんなに演奏法にバリエーションがあるのに感心した。
演奏のアドリブとかも凄いんだけど、昨日に比べると楽々弾いてる感じがあって、必死な雰囲気は昨日の方が出ていたかも。
客とは我儘なものだな。