(26:36〜34:17)
ジンと結婚します。それがジンを助ける道です。掌楽院で噂になっています。フランスの公使がジンに溺れ公使館へ連れて行ったと。噂は簡単には消えません。義禁部の耳に入ったら…。シスターがジンを説得してください。
それはジンの進むべき道ではないわ。
命より大事な道などあるのですか?私と結婚したら、妾という立場で暮らすことになりますが、その方がましです。このまま行けば地方の妓生として体を売ることになります。ジニがそうなってもシスターは平気なんですか?
ジン…。
キリスト教を信じたりしなければ、すべて起きなかったことではないですか?
これが、あの方が備えた道ですか?
聖堂では身分の差などありません。すべての人がお互いを平等に見なします。決められた人生を抜け出しジンが自ら選択した道を進めるように見守ってあげましょう。
私と進む道こそが、その道なんです!
愛する人がこれ以上苦しまないようにすること、ぱっとしない現実だとしても、身を預けられる場所を作ってあげること、それが答えです。現実を忘れて夢に酔わせること?虚しい夢が人をさいなむんです。これから私はどんなことでもします。助ける気がないなら、邪魔だけはしないでください。
ユジン!ああ、すまない、ウジン。
ジンを愛しているんですか?
全てをかけるほどに。
なぜジンなのですか?
ウジンはなぜジンなのかな?自らに問うたことはあるか?
幼い頃から。私の方が先でした。
ああ、それは私の完全な敗北。
ジンは私のやり方で救うことができます。
それがジンの望みだろうか?誰かが自分を救ってくれることが。誰に人を救える?私は自分自身さえ救えずに闇のなかであえいでいる。もしかすると、リジンが私を救ってくれたのかも。
理由は何であれ、朝鮮の女性をフランスに連れて行くのは、あなたにとっては単に東洋の神秘的な収集品なのではありませんか!?
君は今、リジンを閉じ込めようとしているんだ、リジンを救うという名目で。本当に望むなら、そのままにしておくんだ。リジンが自分で道を見つけられるように。こんなやり方をするなら、君にリジンは守れない。
どこかに行くの?
フランスに。
隣町に遊びに行くみたいに言うんだな。僕は…。行かなきゃならないのか?ジナ、僕と結婚すれば生きていける。
ジナ…ジナ。ジン。
そんな風に呼ぶな!朝鮮の土の上にいれば、僕が君を守ると言ったろ!
ジナ…それは単に私を所有することなのよ。あなたがこの朝鮮にしか見えない。生きるためには私が乗り越えなければならない朝鮮。あなたと私が一緒だと言っても、別の道を進むしかないの。
主よ、 あの子の心をお守りください。
時間はむなしく流れ去り
運命は依然としてあなたの首を絞める
頼れるのはどこにもないから
ただ天に祈ってみる
むなしい夢は無駄に続き
狂気は広がり続ける
大切な君を想う 私の選択が
正しい場所に向かう
火種になりますように
流れ流れて 深い夜がやってきても
流れ流れて 全てを失ったとしても
時間は休みなく流れていっても
記憶は残るから
私の心はいつも あなたを想う
恐れていたようです。彼女を失うかと。私がウジンとどこが違うのか。私に彼女を守れるでしょうか。心から望むなら自由にさせてやれという言葉が、私に刃となって戻ってきます。
勇気を出して 心を整え
愛を心に刻む
閉じ込めはしないと 誓ったが
私はいつも不安だ
君を見つめる
そして流れて 深い夜がやってきても
そして流れて すべてを失っても
時間は休みなく 流れて行っても
記憶は残るから
私の心はいつも あなたを想う
掌楽院所属のリ・ジンを訴えます。朝鮮の法を軽んじてフランス公使館へ自由に出入りし、国妓の身分でありながらフランス公使と情を通じました。即刻とらえて朝鮮の法と王室の綱紀を正さねばなりません!
そうして彼女は夢から覚めたのです。