(21:24〜26:35)
フランスに行けば、ここよりもっと優雅な物がたくさんあります。
私にとってはすべてが不思議で大切な経験なんです。私の身分では望みようもない所へ??ではありませんか。
ここは朝鮮の中の小さなフランスで、フランスでは誰もが平等だから。ここでは、身分とか法とかはありません。
それが無いって、どんなことか分かりませんが、話を聞くだけでも気分がいいですね。
フランスへようこそ、リジン。
私は、踊れば自由になるかと思ったのに、私の身分で自由にはなれませんでした。誰かのための舞だし、私は朝廷の財産に過ぎません。いつか私の身振りがもっと広い世界に届くのを想像しながら、毎日腕を曲げて足を踏み鳴らして、私が生きているのを…生きていることを証明しなければなりません。そうしなければ沈没してしまうかもしれないから。
コレンはどうして朝鮮に来たんですか?
ド・プランシー。高貴な名を持ったから、高貴な人間になれと言うから。
朝鮮に来たら、高貴な人になるんですか?
北京と朝鮮での経歴を積んで、パリの中央政府に堂々と戻れば。これが、この長い旅路の行く末です。私の人生の行く末でもある。家門と父の望みから逃れる方法はありません。ただ好きなダンスを踊って、時々逃げ出してはすぐに降参して戻るんです。卑怯にも。負け続けていたら、もう戦う方法も忘れてしまいました。前言撤回します。馬鹿みたいな話だ。
コレン。あなたはまだ戦っていません。だから負けたわけでもない。終わってはいません。あなたも私も。それに、そんなの何が重要なんですか?朝鮮語が下手で、写真が好きで、時々つかみどころが無いけど、心は暖かい人。そういう事がずっと重要です。どうしましたか?私のフランス語が変でしたか?
そうではなくて、そんな鳥肌が立つようなことを表情も変えずに。
あっ!すみません!
「イリオノラ」どうかな、似合いますか?
コレン様、ちょっと失礼します。
あなたとの出会いは私の逃亡旅行で唯一の贈り物です。
もう慣れたんでしょうか。鳥肌も立たないわ。これで良し。
私たちの顔 あなたと私の距離
全てが消えて
お互いだけが見えますように
しばらくの間は忘れて
楽に休めますように
私たちの顔 あなたと私の距離
夢から醒めても
私のそばにありますように
夢の中で 毎日
私と一緒に行きましょう、パリへ。