(前半)SBSポッドキャストで語られる〈ザ・テイル〉 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカル
全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

 

 

 

(0:17~1:16)

嘘のように戻って来た、今大学路で1番ホットな作品〈ザ・テイル・エイプリルフールズ〉、

 

この作品を遺作と称するほど?最善を尽くしているヒョン・ソクチュン、

 

今や「재・모・남」のタイトルを捨てようとしているホン・スンアン、(재연을 모르는 남자=再演を知らない男)

 

魅力的な男爵そのもののソン・ユドン。

 

(ユドンだけ「魅力的な男爵」なのが、腑に落ちない2人。当のソン・ユドンは録画日時を間違えて30分ほどの遅刻中。)

 

 

(3:30~4:10)

スンアン:(初演と再演では見違えるように成長したソクチュンに感嘆して) 今回のソクチュンはすごく余裕が出て、主導権を握っている。かっこいい。

 

 

(4:11~7:17)

(〈少年A〉とファイティングコールの話)

 

 

(7:18) 

ディレクター(D):公演紹介してください。

 

スンアン:見ましたか?

 

D:初演は見られなくて、再演を2回見ました。難しかったです。最初は何の情報もなく見たので、ストーリーについていくのがやっと。2回目は細部に目が行きはしたけど、解釈の余地があまりにも多くて難しかったです。

 

スンアン:確かに。

 

ソクチュン:初演時は詐欺かと思った。ありがたくもショーノートという大企業で、早々に貰った台本はジョンとバイロンの3年間の旅程の話だった。僕はそれがすごく面白かった。湖畔に座って星を見る場面もあり、すごく美しい台本。

 

今のザ・テイルがミザンセーヌが良い、すごく美しいと言われているけど、個人的には以前の台本にもっと感じていた。無条件にやりたかった。ショーノートという大企業なのもあるが、面白くできそうだと思って。

 

なのに、プロフィール写真を撮り終わって、練習室に行ったら台本が変わっていた!

 

スンアン:今のと似てるけど、受け取った時はもう少し難しかったね。

 

ソクチュン:まだ覚えてるけど、隣にいたジョンウォン兄さんに、『ヒョン、僕だけが理解できないの?』と聞いたら、『黙ってろ。俺たちみんなボンクラなんだ。理解できたやつは誰もいない。』と言われて。だから大人しくしていたけど、みんな良くわからないと言ったからほっとした。

 

スンアン:大筋は似ているが、あまりにも難しいところは演出家が修正してくれて、今のテキストが出来上がった。

 

再演は初演に比べて鮮明になったと思う。初演時は、俳優ごとの性向も違うし、視点も違ったから、それぞれの方向に行ったが、再演はテキストの目的とかを俳優が共有したから、進む道は同じで進み方だけが違う感じ。

 

初演に比べて、とても親切になった。それでも初見の人にとって難しいのは同じだ。それは長短両方あると思う。再演の方が好かれると思う。

 

ソクチュン:再演に出るのは本当に初めてなの?同じものはやらないと決心してるの?

 

スンアン:そんなことはない。景宗は再演も出たし。

 

決心してやらないわけじゃなくて。新しいものが出てくるから。僕は安全に確保されたものは熱くなれない。初演だと安全性は全然ないだろ。何かを作り出す行為が楽しい。成功させようと生命を吹き込む作業が熱いんだと思う。

 

でも今回やりながら考えが変わった。思ったより面白い。練習にだいぶ遅れて参加したので、たくさん練習できなかったが、それでも面白かった。

 

なにしろ初演時はテキストが破片になっていて、正直言うと、演技しながら自分で整理する点が多かった。今回はそれが終わった段階で向き合ったから。詩的な単語とか表現方法が多い。それらを、どうすればより効果的か考えるのが面白かった。

 

ソクチュン:僕も似た感覚がある。初演時は自分がテキストを理解するまで膨大な時間がかかったし、舞台でそれを実演するのはまた別問題じゃないか。理解することと、どう表現するか、料理するか。作業に時間がかかったから焦っていた。練習室で見つけるべきことをたくさん、ようやく公演で見つけたりして。

 

僕が初演で選択した方法は楽な選択だった気がする。個人的に。だから今回は楽な選択は避けようとした。なぜならテキストを理解したから。一つの調理法は試したから今度は別の方法で。それでこそ再演にも出る意味があるんじゃないか?そう思って、練習室から変えたたけど、面白かった。

 

スンアン:練習室で見たら、君の演技は表現方法が変化した。すごく良い。僕の感覚では、一層高級になった感じ。レイヤーが積み重なっていて。もともと良い俳優だが、さらに成長したと感じたよ。

 

ソクチュン:初演の作品はみんなそうだと思うが、どの俳優も責任感を持つ。作品を成功させなきゃいけない。

 

スンアン:成功も失敗も、全部僕らのせいだから。

 

ソクチュン:成功するか否か以外に、どの俳優も自分たちが準備した作品を正確に伝達する責任感があると思う。

 

僕が感じたのは、この作品は、ジョンとバイロンの過去がレイヤーになきゃいけない、現在のジョンとバイロンもしくはルースベンも見せなきゃいけない。それからジョンの過去そして現在の感覚。それから、なぜバイロンが現れたのか?まで。全てのことが層になって観客に伝わらなきゃいけない。そう考えたものだから…

 

だとすれば僕が、1次元的であっても、僕がバイロンを好きなモーメントをはっきり見せなきゃいけない。過去の僕が何に幸福を感じて、何に苦しんだのか、現在の自分は何に苦しんで、懐かしんでいるのか。この全てを見せようと焦ってた。この作品を伝達しなきゃいけないっていう責任感で。

 

でも再演では、自分だけがあまりにも責任感を募らせていたんじゃないかと考えて、少し自由になりたかった。

 

スンアン:いつも自由になりたがってる。だからキャンプするのかな。

 

ソクチュン:(笑) OK!再演なんだから、プレッシャーを感じずに、楽しくやろう!と思った。君の言う通り、今回は表現せず心の中に潜ませておこうと、そんな気持ちで台本を見たんだ。

  

スンアン:何でそんなに自由が好きなの?

 

ソクチュン:人は自分に無いものを欲しがるものだ。だから今、ユドンがすごく羨ましい。僕は朝から運動してむくみをとって30分前に着い着いたんだから!ユドン兄さんは自由で羨ましい。

 

芸術は自由から始まると言うのに、僕はだめだな。

  

スンアン:そんなことない。君は誠実さと熱意の基盤を持っているから、必ず自由を手に入れるはずだし、はるかに成長の幅が大きいさ。

 

ソクチュン:基盤を持ってから10年経つが、いつ持てるのか。(笑) (〜15:32)

 

(16:16)

スンアン:ザテイルをやっていなかったら、旅行に行く予定だった。だから空けてあったのに、魔法みたいにやることになった。

 

D:どこに行く予定でしたか?

 

スンアン:ヨーロッパが好きで行きたかったんです。誰も僕に関心ないし、各自マイウェイなのが楽で。

 

ソクチュン:元々は旅行の計画だったと言えば…。

 

初演が成功して、思ったより早々と再演になったろ。僕に提案が来た時全員やるって言うから、本当か?と聞いた。僕が見る限り、6人ともやらなさそうだったから。でもやると言うから僕も決めた。あんなに苦労した作品を初演と同じに皆でできれば面白そうと思って。なのに…いざふたを開けたら…。

 

(訳注:ホン・スンアンは当初再演に出演する予定ではなかった。)

 

スンアン:僕が悪人なんだ。でも、初演ですごく愛されて終わったろ。だから本当に嬉しかったけど、拍手されてる時に去りたかったんだよ。あまりに大変だったから。

 

打ち上げの時、また一緒にやろうと言ってもらい、とてもありがたい提案だったが、この作品はここで終わりにしたい、多分次はできない、幸せだったし楽しかったと、あの場で終わりにした。初演最後のパーティの日に。

 

なのに、意外にもこうなって、演出家と大笑いした。

 

ソクチュン:でも、良かった。今回楽しくやってるなら。

 

スンアン:本当に楽しい。自分が持っていた考えが変わるくらい。過程が物理的に大変だった記憶が残る作品だが、今回やってみたら誰もが成長していて、テキストがほぼ同じでも、明白な目的を共有した状態で始めたから作業自体が面白い。

 

初演とは随分変わったと思う。今回も成功して欲しい。そして3演になったら違う俳優も来て貰って。10年以上続く作品になったら良いと思う。時代ものだから廃れない。

 

(後半に続く)