〈パリパン屋〉観覧 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカル
全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

6月観覧の初日。ソウルの空港が混んでいてなかなか脱出できず、経路検索すると劇場到着時刻が開演5分前!驚き

 

とにかく劇場に駆けつけてキャリーを預け、トイレの後に着席して時計を見ると開演2分30秒前。大学路でなく光化門の世宗文化会館で助かった。

 

 

6月4日

とりなそうとする母親の言葉も甲斐なく、ギスギスして会話も成り立たない父と息子。

随分若い母だと思ったら既に亡くなった人。会話してるのは3人じゃなく男2人だけだった。

愛する妻と母を失った傷や喪失感が2人をギスギスさせていると気付いてから、ずーっと涙がジワジワ。

 

そんな2人のために、母親のミヨンが起こした奇跡のお話。

 

しばらく働くことになったパン屋で過去の両親に出会った息子ソンウが、母親の生前の望みを叶えるため奮闘する努力は報われるか?1人の人間、友として若き父親ヨンジュンに出会った彼は何を発見するか?

 

ありがちな設定にありがちな展開で、刺激の強い作品ではないけど、人生にはそういう辛さ、確かにあるなあと共感する部分が多かった。

 

長く生きてきたせいか、ヒタヒタ感動が続いて、最後は目の下にハンカチ常備で見た。

 

出会った最初からヨンジュンを愛さなかったことを後悔していたミヨン。ソンウはヨンジュンに色々なアドバイスをして、2人はめでたく早々に心を通わせるようになる。ところが、ひとり親の母親を亡くしたヨンジュンは進路を諦め弟たちのために済州島に帰らなければならなくなる。

 

ヨンジュンを演じたテゴンさんが、恋を諦めミヨンの家に手紙を置いて来たシーン。胸が張り裂けそうな悲しみをようやく喉元で押さえ、早く立ち去らなきゃいけないのに、何度も振り返り、前を向き嗚咽をこらえるが、どうしても足が前にでず…。名演技だった!

 

パン屋の話なので、この日はスペシャルイベントでアンパンが配られた。この後、ソワレに向かう前にありがたくいただいた。甘さ控えめのアンに刻んだ胡桃が入っていて、とても美味しかった。

근대골목단팥빵(近代通りあんパン)という店名を調べてみると東大門現代シティアウトレットに店舗があり、行ってみたら店名は違ったが、それらしきアンパンが2,700wで売られていた。アンパンひとつが300円か…。円安どうにかしてください。

 

 

6月6日

ヒョンギュンお父さんは、素敵さが滲み出てしまって切なさ20%減な感じ。〈イフゼン〉の胸板の厚い軍医さん体格をキープしてらっしゃる。でも、このお父さんは不器用で、魅力なさげじゃないといかんと思う。

 

とは言え今日も泣いた。

 

黙って手紙を置いて去ろうとするヨンジュンを追いかけてくるミヨン。ただ、「元気で」としか言えないヨンジュン。

 

「なぜ別れみたいな事を言うの!手紙もくれないつもり?」

「何も約束できない自分から連絡なんてできない。」

「私たちが出会ったのは運命。離れても別れじゃない。」

「運命なんて信じないと言ったくせに。」

「騙されたと思って信じてみる。」

 

こうして、2人の物理的な距離は遠くなってしまうのだった。

 

両親の姿を見届けたソンウは現代に戻る。すっかり年を取ったパン屋の社長は、何年も後に社長の結婚式で2人が再会したと教えてくれる。初めてデートした社長の故郷の蕎麦の花の中で再会した2人は、言葉もなく、すぐに手を取り合って見つめ合ったという。素敵だ。

 

その蕎麦の花が咲き乱れる景色が映像に映し出されて、とても美しい。


後から色々な所につながっていく素敵な言葉がたくさん。台本欲しい。

 

社長の言葉

パンを焼くには途中の手順を抜かすことはできなくて、何段階も発酵を繰り返して焼き上がるのを待って…。長く待ってこそ良いものが得られる。

両親が離れていた年月は無駄な時間ではなかったのだろう。

 

息子が過去の両親に出会うっていう陳腐な設定で、息子が父親の真の姿を理解する話。本当にそれだけなんだけど…なぜか心に沁みる。悲しい

 

ミヨンと付き合い始めたばかりの頃、13歳で父親を亡くしたヨンジュンは父を知らない自分が普通の父親にさえなれなかったらどうしよう、とソンウに打ち明ける。ギスギスしていた親子だけど、このお父さんは息子が産まれるずっと前から既に愛してたんだよ。

 

 

 

6月11日

3回目、最後の〈パリパン屋〉

 

フンジョンパパは素朴さが出ていて結構良かった。でもやっぱりデゴンさんが1番切なかったかも。

 

ソンウは、この2日後に〈ダーウィンヤング〉で来日したチェ・ウヒョク君。

 

笑顔がすごく可愛いのに、それに似合わぬ声の太さ。爆  笑

演技のキメが細かくて、客席は笑いと涙に包まれた。

 

脳に休息、心に平和。いつも以上にホッとする観劇だった。

(なぜなら前日ソワレに〈ワイルドグレイ〉、この日のマチネに〈ザ・テイル〉と、濃いめ作品が続いたから。)

 

この話を見るたび思ったのは、子供って、親は親として生まれてきたと思いがちだってこと。自分が幼い頃を考えても、親に親じゃない時代があったなんてこれっぽっちも思わなかったから。親が初めから大人だなんて、全然そんなことないんだけど。むしろ、いつまともな大人になれるのか知りたいくらいだ。

 

会場の世宗文化会館Sシアターは、文化会館の裏にガラス張りで地下に降りていく階段があるが、その横にカフェがある。

 

ハッピー・コフンジョン・デーとして飾りつけや、スペシャルカップがあった。

 

ここで特に気に入ったのは、トイレ以上に劇場に直通で降りられるエレベーターがあることだ!