〈青灰色の夜〉観覧 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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韓国ミュージカル
自分の予習復習用につき、かなりの偏りあり
(注意: 目標はネタバレ100%)
メモ付き写真アルバムとしても使用中。

夜がすべてを灰色に染めるというのは

本当ではない

夜は言葉では言い表せない青い灰色だ

夜はそのように僕たちに吹いてきて

それほどに酔わせる色だ

そして僕たちはただ 夜で満ちた

夜で満ち溢れる街をさまようだけだ

肩を寄せ合って···

もしかしたらそんなに風に 一緒に..

 

밤이 모든 것을 잿빛으로 물들인다는 말은 사실이 아니다

밤은 형언할 수 없고 따라할 수 없는 푸른 잿빛이다. 

밤은 그렇게 우리에게 불어와

그토록 취하게 만드는 빛깔이다. 

그리고 우리는 그저 밤으로 가득한

밤으로 차고 넘치는 거리를 헤맬 뿐이다.

가까이 붙어서..어쩌면 그렇게 함께..

 

「廃墟文学」と評されるヴォルフガング・ボルヒェルトの文学をモチーフにしたミュージカル。インターパークには「最も輝いた時代を残酷な戦場と監獄で過ごさなければならなかった彼は、暗鬱な時期の絶望的な状況を作品にそのまま盛り込んだ」とある。

 

彼の小説や詩をナンバーやセリフに溶け込ませたというだけあって、文学的な表現はゆっくり味わってみたくなる。

 

 

12月28日

まずは四男ユ・ヒョンソクのこれでもかという熱唱を聞けるだけで幸せだった。

 

先日配信された〈ミオ・フラテッロ〉にも出ていたけど、明るめの役より〈ベア〉のジェイソンとかこのヴォルフみたいに切なく悩んでるウェットな曲の方が魅力炸裂だと思う。バラードが似合う系。

 

私のスタートが〈ベア〉だったのでキリッと切ないイメージだが、それ以前は軟弱?なイメージだったらしい。3人コンサートの時、カッコいいジェイソンになっていてびっくりしたと他の2人が語っていた。ヒョンソクがジェイソンを演じるなんて、〈ベア〉の名声もここまでか、と言い合っていたらしい。

 

話が逸れた。

 

遺族に遺品を届ける任務を課せられた酒浸りの帰還兵ヴォルフ。シベリア戦線からただ1人生還し、生きていることに苦しんでいるかのよう。

 

ヴォルフはライザと親しくなることで救われていくのか?という展開はそのままでは終わらず、最後に(おそらく遠く離れた相手に)「アンニョン」と言って2人は別の方向に視線を向ける。

 

最初の台本では、戻って来たヴォルフと彼を出迎えたライザが視線を交わしながら言う設定だったそうだ。練習中に演出家が2人の視線が交わらないエンディングに突然変更したのだという。

 

私は単純な人間なので元の台本通りのハッピーエンドを望んでいたのに。「アンニョン」てのは出会いにもなり、別れにもなり、本当に始末の悪い言葉だ。

 

物語の最後、「アンニョン」の前に読み上げられるヴォルフが書いた文章。分かるような分からないような、関連があるような無いような、この曖昧さは嫌いではない。

 

私たちはこの世で出会い一緒に過ごす。

それからこっそり逃げる。

私たちには出会いもなく、

留まることもなく、

別れもないからだ。

私たちは別れのない世代だ。

心が叫ぶ悲鳴を恐れて

泥棒のようにこっそり逃げる。

私たちは帰郷のない世代だ。

私たちには帰るところもなく、

心を与える者もいない。

そうして私たちは別れのない世代、

帰郷のない世代になった。

しかし、私たちは到着の世代だ。

もしかしたら、私たちは新しい星に、

新しい人生に到達する到着の世代だ。

新しい太陽の下、

新しい心に迫る到着の世代だ。

もしかしたら、私たちは新しい愛に、

新しい笑いに、新しい神に届く到着で

いっぱいになっているのかもしれない。

私たちは別れのない世代だ。

しかし、私たちはすべての到着が

私たちのものであるのを知っている

 

 

1月1日

「作品に何かマイナス要素があるとか、変なところは無いけれど、あまりにも予想どおりの展開なので、もういいかなと思ってしまった。」

 

そんな感想を聞いて、たしかにあらすじを読んだ段階でライザの弟ラディの死とヴォルフの関連を私も予想していたことに思い至った。

 

想像通りの結末でも、登場人物の感情に気持ちよく共鳴して泣ければそれで良いような気がするのは負け惜しみだろうか?

 

とにかく、この回は号泣してしまって、その立役者はライザのチョン・ウヨンと思われる。彼女は本当にうまい。涙が流れるのはともかく、鼻水は困ると知った夜。

 

ラディの死は、直接的にはヴォルフの言葉がきっかけだったことを、恋人であるヴォルフから知らされた時の怒りと苦しみ。半ば否定してきた弟の死を事実として受け入れなければならない悲しみ。間接的にはクリスマスオーナメントを持たせた自分のせいでもあるという自責の念。そして弟の手紙から知る少尉との信頼関係。それらを咀嚼し受容する感情の積み重ねがこちらの涙腺を刺激し続ける。

 

ついにライザはヴォルフに言葉をかける。

「ありがとう、弟の最後を伝えてくれて。そして、ありがとう。生きて帰ってきてくれて。」

 

ライザの言葉を聞いた瞬間、生きていることを責め続けていたヴォルフの体内で固く結晶化していた何かが一瞬で溶けるのが見えた。ヴォルフの嗚咽と同時に、私も泣き声が出そうになり慌てて口を押さえた。

 

チェ・ホスン氏の方もとても良くて、廃人のような帰還兵が、彼女の明るさに救われて惹かれていく過程がわかりやすかった。明るさを取り戻しそうになるけど、また過去の記憶に引きずり落とされる、といった感情の揺れを鮮やかに演じていた。

 

舞台を見ながら登場人物の絶望や苦しみに胸を痛め、そして彼らが救われるその癒しも感じ取って、とっても満足した舞台だった。

 

 

 

1月5日

 

前回は、ライザの秘めた苦しみと、それを乗り超えた慈悲に満ちた赦しの心、ヴォルフがそれを受け止めた瞬間救われたのが見えるような気がしたので、号泣に繋がった。

 

ハウンちゃんはとても良かったけど、そこまでじゃなかったかも。もしくはライザに対する解釈が違うのかもしれない。

 

 

このミュージカルを映像化したら、哀愁のある素敵なヨーロッパ映画みたいになりそう、と私は思うのだが、韓国の方たちには舞台が第2次世界大戦後のドイツというのが引っかかるらしい。他国に苦しめられたこの国で、他国を苦しめたドイツの戦争を物語にするなんて!ということらしい。割と残席ありで残念。

 

 

 

1月8日

灰色だけで満たされているようなユドン・ヴォルフ。空虚感がとても良かった。

 

ところで、前もって聞いた時は特にインパクトのないナンバーばかりだと思っていたが、物語の流れの中で聴くとうっとりするのが不思議。歌詞も素敵。台本集を売ってくれたらよかったのだが。

 




 

これは12月28日、開演30分前のチケットボックス。行列が長い。早めに行くべきだった。立ち止まっていると寒さが染みる−5℃。ネガティブ

 

並んでいる皆さん、略して「ちぇっぴっぱむ」と言っていた。トッポッキみたいだと思ったが、よく考えると「ポックンパプ」の方が近いな。(どうでもいい)

 

びっくりしたのは、Twitterでこの写真を見たフォロワーさんが、この中に写っているお友達を見つけたと教えてくれたこと。これで特定できるとはびっくり