長期滞在中に観覧した作品まとめの最後は〈ザ・テイル・エイプリルフールズ〉
ヘファ駅1番出口を上がると、すぐ右前方に見える新しめの劇場。今度無料配信される「また!オ・ヘヨン」も同じビルで上演していた。〈ザ・テイル〉に通い過ぎて、観る暇が無かった。
ディスプレイに貼り付けられている本のページには実際のバンパイアテールが印刷されている。
(既に以前の記事でも書いてるし)最初に言ってしまうけど、バイロンはルースベンが演技しているので、どちらの名前でも同一人物。最初はそこが分かっていなかった。演技中なのか素なのかで区別しているものの、曖昧な瞬間も多いから困る。でもそこが面白い。
3月27日 ホン・スンアン/パク・ジョンウォン
〈メアリー・シェリー〉のバイロンはわりと普通に歩いていたが、今日は足を引きずるバイロンを見てきた。と言っても主人公はジョン・ポリドリ。
分からないからもっと知りたくなる作品と、分からなくて興味を失う作品の違いは何だろう。
4月8日 ヒョン・ソクチュン/パク・ジョンウォン
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悩みは続く。
初回より情報量は増えたけど、散乱した思考がまとまらない。
緊張感と面白さで、最初から最後まで心拍数高め。
ソクチュン・ジョンは初めからバイロンを恐れている様子。病的に腕が痙攣していたり、ヤバい感じ。追い詰められまくる。逆に、解放されてルースベンと向き合う時にとても幸福そうなのが印象的。
4月16日 ヒョン・ソクチュン/チュ・ミンジン
随分と日が延びた。
ミンジンさんの回に突然来てみた。最後列。席が残ってるだけマシではある。
現在と過去のバイロンと小説の中のルースベンになるのだが、造形がはっきりしているので切り替わる妙味を味わえる。
このバイロンはしつこくてうざい。好きになれない。神経を逆撫でされる感覚がある。なのでジョンがどんな精神状態に追い込まれるか分かる気がする。つまり全て計算されたキャラクター表現なのだろう。
ソクチュン君ジョンは、ジョンウォンペア回に続いて2回目。精神的に危ういところに持ってきてバイロンが追い詰めるものだから、ぐしゃぐしゃ。涙と鼻水が凄いことになってそう。あんまりイジメないで!と言いたくなる。あっち(メリシェリ)のリョウクポリドリに似た感じもあって、善良そう。
劇全体の感情が火山みたいに爆発したかと思うと、深海みたいな静寂に覆われたり。ミンジンさんは激した感情が一瞬で冷えて、照明が当たってるんじゃなくて、体内から青い光を発してるように見えたりする。歌声も爆発したり、ささやきになったり。
それにしてもソクチュンさんの声量はなかなか凄い。
4月19日 ホン・スンアン/パク・ジョンウォン
またしてもこのペアで。
本日は火曜だが、週末からチェ・ソクチン君が病欠のため、スンアン・ジョンにキャス変。ソクチン/ジョンウォン仲良しペアを見たかったけど。まあいいや。また今度。
スンアン氏にはジョン・ポリドリ以外にも〈ドリアン・グレイ〉〈アーモンド〉と良くお会いする。
感情の激流に押し流されるジョンと、感情がほぼ無い〈アーモンド〉を同時に演じる気分を聞いてみたい。
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おかしい。
数日前に同じ場面を見ているはずなのに、まるで違うシーン。
立ち位置、間の取り方、セリフに乗せる感情。2人の関係性。なんか違う!
沼だな。
前回のソクチュン・ジョンは、初っ端から右手が痙攣していたり、現れたバイロンに怯えてガクガクだが、スンアン・ジョンは痙攣などは無く、バイロンに驚きはするけど、精神的鎧をまとって対抗してる感じ。
ジョンの本心を覆っている鎧を、時にはふざけたように、時には突き刺すように刺激して揺さぶっていくバイロン。スンアン・ジョンの鎧が緩んでいって、ついに剥がれ落ちる様子は見応えがある。
バイロンはあれだな。正体の掴めないコロンボ。
ふざけてエイプリルフールを楽しんでる雰囲気のジョンウォン君より、ミンジンさんの方が尖ったバイロン。
4月24日 チェ・ソクチン/ソン・ユドン
これでオールキャスト制覇。
だ〜いぶ把握した。
依然として、緊迫して面白い。
先日病欠してたソクチン君も復帰。
バイロンに対抗するスンアン系のジョンだった。
ユドン・バイロンはクールビューティー、てか割とマトモな人。彼のバイロンが素敵だとキャーキャー言う人が一番多いようだ。난 아닌데...
5月1日 チェ・ソクチン/パク・ジョンウォン
先日キャス変のため観られなかったペア。
ジョンウォン・バイロンは優雅でセクシー。でも時に、嵐のよう。
ソクチン君はバイロンに立ち向かう系ジョンだが、立ち向かいながらも精神状態が安定していない。アヘン中毒のせいか、それとも劇中で飲んでいるワインのせいか、気づくと足元がふらふらしている。攻撃が激しくなるにつれよろめきが大きくなる。正気もしくは意志力が弱まっていって陥落する感じ。
5月4日 ホン・スンアン/チュ・ミンジン
ようやく入手した台本集でざっと台詞を把握してから観覧に臨んだ。
ミンジン・バイロンはオーラはあるが、がさつで優雅さに欠ける。わざと指を突っ込んだワイングラスを渡して飲ませたりする。
ジョンへの(精神的)攻撃も乱暴だが、実はすごく見守っている風でもある。やり過ぎたと思うとジョンの気を引き立てるような態度に変わったり。
自問自答。
Q. ルースベンはイアンテに会うためにやって来たが、ジョンがイアンテと知っていたのか?
A. 知らなかった。カシミールの蝶を歌うジョンを見て、その可能性を疑うようになったと思う。
これは今日初めてのディテール。
16日と19日の公演が別物と思ったのは16日のミンジンさんが独特だったかららしい。
セリフをかなり独自に変更している。追加もしたり。受ける方のセリフは変えなくても対応できる感じではあるが、
攻撃の方向や強さが独特なので
受ける方の感情の揺れも変化して
台本には無いが
心の叫びが出てしまったりして
まさに真剣勝負で![]()
スンアン・ジョンは3人の中で1番まともで健康そうに見えて、精神の鎧で武装しているが、一旦鎧が外れるとダムが決壊するかのように崩れていく。容赦ないミンジン・バイロンとのやり合いで狂気じみた興奮と錯乱が演技とは思えなかった。
7回目にもかかわらず
見ているこっちの緊張感が半端ない。
「精神的攻撃」
取調室で熟練の刑事が、冷静に質問したかと思うと、わざと刺激して興奮させたり、同情的な姿を見せて警戒心が下がったところで、鋭く切り込んだり。
そんな事を思わせる展開の中、バイロンが突然の沈黙を続けたりすると、
知っているはずなのに、次どうなるの![]()
ってドキドキだった。こんな演技されたら参るしかない。
この頃日本の舞台でAチーム、Bチームと分けたりするが、なぜチームに固定してしまうんだろう。安全だろうけど。いつも同じメンバーってどうなのかな。
相手が変わる方が演じ手も刺激的で楽しくないかな。チーム全体の演技が変わっていったりするから、それはそれでいいのかな。
5月5日 チェ・ソクチン/パク・ジョンウォン
「どこに行けば(イアンテに)会える?ギリシャ?」
このセリフの言い方がまるで違う。
前回→ ジョンをからかう、もしくは挑発するかのように、後ろから首筋で囁いたが、
今回→ ハッとしたように離れて、後ろの机に手をついて背を向けたまま、動揺を悟られまいとしてとりあえず言葉を発する。イアンテが誰なのか気づいて興奮した様子が続く。
最終的に向き合った時、今日のルースベンはイアンテに会えて嬉しくて、声を震わせて「私の命、私のイアンテ」と囁く。こんなに感情的なのは初めて。
ルースベンが、闇に閉じ込められて涙をこらえながら光の側にとどまりたくなると言っていた。結局泣いていた!(これまでは割とクールだったのに。)
ジョンに「さよなら」と2回言われて、渋々去るみたいだった。(いつもは1回であっさり。)
5月10日 ホン・スンアン/パク・ジョンウォン
一番好みなペア。スンアン氏はしみじみうまい。声がいい。ジョンウォン君を好きな理由もまさにそれなので、2人の声の響き合いに痺れてしまう。
引き続きイアンテに対するルースベンの愛が大きく表現されるようになってきた。
イアンテとルースベンが最後に向き合う時、今まではイアンテの方がルースベンの肩に顔をうずめるパターンだったのに、逆。前回あたりからルースベンがイアンテを熱愛していて嬉しくて感激が抑えられない雰囲気。
光と闇に分かれてからルースベンが何度か光の方に手を伸ばすが、届かせることができない。悲しそうなルースベン。
ジョンウォン・バイロンは以前から本とか色んな物にキスが多い。ジョンの額にもする。思い返すとジョンにキスする場合、イアンテと悟ってからなような気もする。
5月13日 ホン・スンアン/チュ・ミンジン
5月13日9時ごろ。大学路も新しいビルが増えた。












