〈マタハリ〉観覧後記 (再掲) | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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自分の予習復習用につき、かなりの偏りあり
(注意: 目標はネタバレ100%)
メモ付き写真アルバムとしても使用中。

前に、写真だけ集めておいた下書きがまたしてもアップされてしまい(したのは私ですが)、それにも関わらずいいねしてくださった皆様に申し訳なく、そしてありがとうございます。文を加えて再アップです。立ち上がる

 

8月10日、ロッテワールドタワーのふもと。

江南地域ではあるが浸水の跡は見られない。

 

 

8/10 

 

8/11 

 

8/14 

 

再演しか観ていないので、マタハリのダンスが復活したのを楽しみにしていた。人間にあんな動きができるのね〜と、無心に眺めていた。

 

ストーリーは、アルマン死なない!!といった変更が加えられていて、全体としてスパイの絡んだドキドキストーリーというよりは、スパイにならざるを得なかった女性のラブストーリーだったと思う。

 

実際に観劇される方も増えているので、細かいストーリーはどこかで探していただくことにして。てへぺろ

 

印象に残った最後のシーン。

 

再演の終わり方は、マタハリが最後のハイライトである「最後の瞬間」を歌い上げ、誇り高く投げキッスをする。その瞬間銃声が鳴り響き暗くなって幕。確か黒いドレスだった?

 

今回の3演では銃声が鳴り響くと、投げキッスをした手を高く掲げたマタハリの姿に照明が当たったまま、舞台が回転して後方に消えて行くのだが、それを老人となったアルマンがじっと眺める姿で幕となる。

 

アンナの手による最高に華麗なドレスに身を包み、固まったように動かないマタハリの姿がオルゴールの人形のようでもあり、アルマンの記憶に残る、美しく誇り高い最後のマタハリの姿でもあるのだろう。

 

美しい自分の姿だけを覚えておいて。

死なないで、老人になるまでも生きていて。

 

処刑場に向かう前、マタハリがアルマンに約束させたことを彼は守っているのだと、切なくなった。それがなければ、アルマンはすぐにマタハリの後を追っていただろうから。

 

冒頭に登場する老人のアルマンと最後のアルマンが繋がって、構成としては良かったと思う。私はラブストーリーとして受け入れたが、初演から観ていた人はサスペンス部分が弱くなったのが少々不満とのことだった。

 

 

今回はオク様固定で、アルマン中心に選択。

 

チャンソプ君は〈マリーアントワネット〉で私好みの声系ではないと感じてしまいパス。ソラさんもパス。ちょっと観ておくには15万ウォンが高すぎる。絶望

 

キム・ソンシク。良かったー。ビジュアルも素敵だし、歌もうまいし、演技もメインキャスト初めてとは思えない。もしリピするなら、彼の会だったろうと思う。病院でマタハリを想いながら歌う「평범한 일상 平凡な日常」は泣けた。

 

 

ユン・ソホ。彼も良いです。兵役から帰って来てからなのか、前回の〈エリザベート〉でルドルフをやっていた頃とは何かが違う気がする。殻を破ったというか。恥ずかしがり屋さんなのに、ドタバタ喜劇の〈ウェスタンストーリー〉でもノリノリだったし。

 

ただ問題が一つ。これは私の責任だけど、それこそ〈エリザベート〉の印象が残っていて、マタハリとアルマンの姿に、母エリザベートと息子ルドルフの姿が重なって見えてしまい、ラブストーリーに入り込むのに時間がかかった。

 

 

イ・ホンギ。〈ハーランカウンティ〉以来、私の中で評価爆上がりのホンギ君。歌い出した途端、彼の世界に引き込まれてしまう魅力的な歌声。やはり特別な人だと思う。演技力もあるし、どんどんミュージカルに出てほしい。

 

ただ問題が一つ。ほんと残念。ごめんなさい。こんな事を取り上げるべきじゃないけど。アルマンがマタハリより背が低い。

 

並んで立っている姿に萌えがなくて、バックハグがおんぶに見えてしまい残念。(そこまで言うか!)

 

同時期に渡韓されていた田代さんが、いつもホンギ君はソラさんとの回を選んでいたのはもしやそういう理由があったのか?と疑っている。今度お聞きしてみよう。

 

 

オク様のマタハリは、パリの街をさまよっていたボロボロの姿から男たちを惑わす妖艶な姿、そしてアルマンに見せる純粋な姿まで、余すところなく表現してくれた。

 

アルマンとの出会いで歌うデュエット「저 높은 곳 あの高い所」のスタッカート部分が見事だなあと思ったのを覚えている。技術に支えられた豊かな感情表現。素晴らしいマタハリだった。

 

 

えーと。

ここからは作品に関する辛口コメントになりそうです。ご注意ください。

 

以前、韓国でライセンス物を見る/見ない、大劇場/小劇場、そんな事を書いたのですが、思うに何か自分の中のモヤモヤを整理したかったのかもしれない。

 

以前から微かにあった大劇場作品に対するモヤモヤが濃くなったのは〈マタハリ〉のせいだったかも。

 

〈笑う男〉はダイナマイトでバズーカな職人たちが次々とキリングナンバーを披露する贅沢さがある。デアの澄み切った歌声も魅力。

 

一方、〈マタハリ〉のアルマンたちは素敵でうまいけど職人には達してない。ラドゥ大佐がいるはいるけど、ナンバーでトリハダまではない気がする。そこは俳優の魅力なのかナンバーの出来なのかは分からない。

 

要するに主要人物マタハリのワントップ。いくらオク様でも作品全体を支えるのは無理。

 

〈マタハリ〉と言ったらみんなが熱狂する作品というイメージだったのが、もしかすると、そんなに大した作品ではないのかも?という疑心を抱いてしまった。期待が大きすぎたかな。あくまで観劇日に疲れ気味だった個人の感想ですのでご容赦を。