いつかお願いと待ち望んでいた中継の知らせに、感謝感激だった2022年1月。
床面と角度のついた壁2面にLEDモニターを使用して、初演では分かりにくかった場所と時間の移動が理解しやすくなった。しかも美しい。
小劇場の公演で先駆的な舞台を作り上げたのは立派だと思う。サイズが小さいとは言え、〈デスノート 〉の演出と方向は同じわけだ。
右側の窓から風が吹き込んでくると、カーテンが大きくはためく。映像と思うとびっくりするクオリティ。
2月14日バレンタインデーの中継。キャストはチェ・ヨヌ、チョン・フィ。
このペアだと年下彼氏に見えて一層くすぐられるのだが、ホンワカしてはいられないストーリー展開だ。
一方ではハッピーエンドだが、一方では鋭く胸をえぐる切ないエンディングでもある。
ウンギが一年くらい待てば良かったのでは?そんな意見も多い。確かに。だが、冒頭の時間の経過を表すシーンで、ジェイを見つめるウンギと、ウンギの腕の中に留まらないで遠くを見つめるジェイの対比が描かれて、初演よりもウンギの不安感が理解できるようになった。
ウンギを中心に話が展開するが、終盤で明らかにされるジェイの心情を丁寧に追ってみると、主人公は確かにジェイだったのだと感じる。台本集を入手できたので、正確にストーリーを追うことができた。
最後、ポロポロと涙を流し続けるジェイ。選択が間違っていたのだと後から言うことはできるが、彼女の悲しみがそんな正論を押し退けて、胸の痛みに共鳴せざるを得ない。
そんな大好きな作品〈こんなに普通の〉字幕版へのリンクはこちらに。
追記:配信が1回だったので、総括のカウントも1回。だが考えてみると、作業開始前に3回以上は見ていたかもしれない。何度見ても集中して見てしまうので、可能な状況だったら劇場に通っていたかもしれない。