(勝手な行動を法廷侮辱罪に問うこともできると裁判官。何を思ったか、大人しく被告席に立つホープ。)
(数知れぬユダヤ人を殺したドイツ人に、金のために原稿を売ったと責める原告。ホープは民族より金を選んだと認める。ホープの署名のある競売契約書が証拠として提出される。)
(その証拠があれば裁判を終わらせられるかと尋ねるホープ。これまで自分が控訴を重ねてきたホープに呆れる裁判官。)
(中年に差し掛かる過去ホープが20年ぶりにテントに戻ってくる。死んだ母が残したメモには「私たちに残されたのは原稿しかない」と書かれていた。
原稿なんて、さっさと処分すべきだったと言うホープ。そうできたのに、しなかったのは君だと答えるK。)
(今があまりにも寒くて孤独だと言う過去ホープ。そして自分は幸せになってはならないと、原稿を胸に抱く。
(あんたたちには分からない。これは私が受け取った遺産。私への贈り物。生きてきた証。)
(判決まで休廷となる。ホープに話しかける陪審員。ただの紙に人生をかける女性、エバ・ホープ。私の手帳にどれほど重要なことが書かれていても紙に過ぎないし、あなたが抱え込んでいるその原稿も同じだ。)