家から逃げて雪の中に立ち止まった
道の上の旅人
絶望が底を突くまで 絶望した
道の上の旅人
長い歳月 自分を欺き 立っていた
道の上の旅人
自ら雪の中に 希望を埋めた
僕の前に立った あなた
♪♪♪
ごちゃごちゃ言ってないで ここに座りな
本に出てくる旅人だけど
なんで雪の中に立っているんだろう
戦場で家に帰る道が分からなくなったんだろう
さもなければ家に連れ帰ってくれる
母親をなくしたとか
じゃあ あなたは?
あなたはどうして ずっと雪の中に立っているの?
お前今日はほんとにおかしいよ
朝からたわごとばっかり
座ってな!
そんなに寒そうに 寂しい顔して
違うけど?
思い出に
あのテントに 自分を閉じ込めて生きるのかい?
(ドイツにあの原稿を売り渡したのは俺じゃない、お前だ)
(競売にかけた)
(お前が選択したんだ)
(お前は俺たちを捨てたんだ)
(あの時お前は卑怯だった)
(汚らわしい)
(自分だけいい思いをして生きるって)
(母親を捨てた)
(卑怯だ)
(自分だけ1人で)
(お前のせいで)
(お前のせいで、お前のせいで、お前のせいで)
♪♪♪
お前のために、お前だけのために
なぜ自分に 罰を与えて生きるのか
お前のために、お前だけを守ろうと
なぜ自分に 嘘をつくのか
お前のため、他に理由は無い、私は
なぜ僕を 捨てないんだ
難しいことを言うのはおやめ
避けようとするほど
おやめ
僕は何を映しているんだ
友を告発した お前の目 (自分のために)
命乞いをした お前の手 (自分のために)
母さんを捨てた あの時 (自分ひとりのために)
ひとりで うまく生きると去った
逃げたお前、卑怯なお前を
映す鏡
♪♪♪
あの道の上の旅人だけど
実際は 家に帰る道を知っていたんだ
だけど戻れなかった
ひとりで生きると逃げた自分が
憎くて、忌々しくて
虫けらのように嫌悪していたからだ
(逃げたお前)
どん底に閉じ込めたいと考えた
だから もう一度テントに戻ってきた日
(卑怯なお前)
母さんの遺言を見ながら考えたんだ
自分も母さんのように
過去に、原稿に、テントに
自分を閉じ込めて暮らさなければ
(お前は私を映す鏡)
生きたい 幸せになりたいという考えは
一生忘れて
寒さの中で 寂しく生きなければと
なんで 私が
逃げ回った挙句戻ってきたのが
あれほど憎んだ僕だったから
それは あなたと僕への罰だったから!
逃げたお前、卑怯なお前
1度も読まれない本
1度も読まれない人生
お前のせいで 世の中から消された
お前と私の物語
1度も読まれない本
1度も読まれない人生
お前のせいで 世の中から消された
お前と私の物語
自分の人生の機会を奪ったお前
私を駄目にしたのは
私の人生をこんな風にしたのは
あなた自身だ