2019年9月18日に公開のTVインタビュー。
"ミス·サイゴン" を中心とした前半から。
MC: 韓国女優として初めて英国ウェストエンド舞台を輝かせたミュージカル俳優、キム·スハ。2015年ミュージカル "ミス·サイゴン" で英国舞台でデビューして以来、イギリス全域はもちろん、ドイツ、スイスでも公演をし、世界の舞台で活躍。このように海外で先に注目された女優キム·スハ。
先日彼女は朝鮮時代の抑圧された民の話を描いた創作ミュージカル "スワッグエイジ: 叫べ、朝鮮!" で韓国の観客と出会った。今日の「Heart-to-Heart」は、海外に続いて韓国の観客を魅了し、多芸多才な魅力を見せている俳優キム·スハに合う。
キム・スハ
ー2019 "スワッグエイジ: 叫べ、朝鮮!" (韓国)
ー2018-2019 "キム" "ミス·サイゴン" 世界ツアー
(英国、ドイツ、スイス)
ー2017-2018 "キム" "ミス·サイゴン"
英国&アイルランドツアー
ー2016-2017 "キム" "ミス·サイゴン" (日本)
ー2015-2016 アンサンブル及びファーストカバー
"キム" "ミス·サイゴン"
ー2016
アンサンブル、映画 "ミス·サイゴン 25周年"
MC: 韓国人として初めて英国ウェストエンドのミュージカル、 "ミス·サイゴン" でヒロイン、キムを演じたミュージカル俳優がいます。世界的なミュージカルの舞台に続き、今度は韓国で新しい創作ミュージカルに挑戦したキム・スハさんをお招きしています。こんにちは。よくいらっしゃいました。
スハ: ご招待いただきありがとうございます。
MC: お忙しいところ「Heart-to-Heart」にご出演いただきありがとうございます。実のところキム・スハさんと言えば "ミス·サイゴン" を思い浮かべずにはいられません。韓国女優としてはじめての事ですよね。
スハ: そうです。女優としてウェストエンドの舞台に進出したのは私が初めてで、男性ミュージカル俳優としては、先に進出したホン・グァンホ先輩がいらっしゃいます。
MC: 当時を考えると思いが新たになると思いますが、いかがですか?
スハ: あの頃は何もわからない学生だったので。私が大学4年生の時、せっかちに(?)するかのように進出することになったので、何も考えず単純に幸せだったと思います。
MC: 当時のことをもう少しお聞きします。ウェストエンドとブロードウェイは世界のミュージカルの二大拠点ですよね。どのようにして役を掴んだんですか。
スハ: 学校に通っている時、偶然知人から日本語バージョンの "ミス·サイゴン" のキムを演じる新人俳優を探していると聞きました。たまたま受けることになって最終オーディションまで通りました。キャメロン・マッキントッシュの作品はみんなそうですが、最終的な映像を彼が見てオーケーを出さないとキムとして舞台に立てません。
それで彼が私の映像を見て、英国に空きがあると。キムのカバーをしながらアンサンブルができる人員として招待したいと。だから英語バージョンで映像を撮れるかと聞かれたので、撮って送りました。それで運良く合格しました。
MC: 高く評価された点が必ずあると思うんですが、キャメロンはどんなところを評価したと思いますか?
スハ: 私が思うに、手垢のついていない、何か純粋な、今じゃあ無理ですけど、あの頃は学生だったし、まだデビューしていない、まるきりの新人でしたから。そんな部分を好意的にご覧になったようです。
それにミュージカル界では、あの方がもともと新人を発掘して育てることが好きだった、そういったことにすごくproudする(誇りを持つ)方だと評判でした。
私の純粋な、一所懸命で情熱的な姿を気に入っていただいたようです。
MC: もちろん技術もあるので選ばれたのでしょうが、きっと勇気も評価されたんでしょうね。大学生でデビュー前なのに。
ウェストエンドの代表作である "ミス·サイゴン" の配役を狙う優秀な人たちが群れをなしていたと思いますが、その映像はどこで撮影したんですか?
スハ: 学校の練習室です。
MC: 練習室?練習はどれくらいしましたか?
スハ: 練習はほとんど毎日熱心にやりました。あの頃は本当に英語の一言もできなくて。日本語のオーディションの時イギリス人の演出家が私に、Can you speak English? と聞いた時も聞き取れなかったんです。
MC: あまりにも緊張して?
スハ: すごく緊張もありましたけど、そんな言葉も聞き取れない程度の私に機会をくださったから、なんだか少し疑ってしまいました。なぜ私にこんな機会を?まるで英語もできないのに。
MC: 準備して練習もして、学校の練習室で…
スハ: iPhoneで。
MC: iPhoneで⁈ 撮ってくれた人がいたんですか?それともセッティングしておいて1人で?
スハ: 1人で、楽譜台に立てて、Playボタンをしたら走っていって、演技して。
MC: 確認して、気に入らなかったら消して、ですね。何回位やりましたか?
スハ: ほぼ100回ぐらいやったかもしれません。ライブだし、1曲を編集なしに撮影して送らなければいけないので、少しでも気に入らない部分があればやり直そうと思って、完璧に近づくまでやりました。あるときは発音が気に入らなくて、また別の時は歌が気に入らなくて。そんなふうにやりました。
MC: スハさんの場合は2年間ツアー公演をされましたよね。どこでなさったのか、どこの反応が1番熱かったか教えてください。
スハ: 最初は2015年にオーディションを受けてウェストエンドに行き、10ヵ月ほどアンサンブルとキムのカバーをしました。その後2016年から17年まで日本で、日本語でキムを演じました。
その後2017年から2019年までインターナショナルツアーをしました。なんといっても1番熱い反応だったのは、英国のエジンバラです。
エジンバラではフェスティバルがあるんです。ミュージカルや演劇のフェスティバルがあって。その都市の皆さんは公演に対して心がオープンな方が多いから、本当に熱かったです。いつも満席で、カーテンコールにはいつもスタンディングオベーションしてくださって。一番感動的だったのは、青い瞳の人たちが、私たちに、熱い涙を流しながら拍手をしてくださった時ですね。その感情を一緒に分け合った瞬間が忘れられません。
MC: Interaction(相互作用)? 何かConnection(つながり)を感じる瞬間があるようですね。
スハ: そうなんです。
MC: その10倍、100倍の感動を与えたから、そんなResponse (反応) を受け取られたのですね。ここで視聴者の皆さんのために "ミス·サイゴン" の名曲をお願いしてもいいですか?
スハ: "Sun and moon" という曲で、キムとクリスが愛し合うようになって、お互いを知っていく、その過程…君は…"You are sunlight and I'm moon" という曲。私たちは反対だけど、私たちは空で出会う、というのを短くやります。
(8:44から)
MC: ありがとうございます。すぐ横で歌ってくださる姿を見るとキムをぐっと感じるし、声もとても素敵です。
もしかしてミュージカル俳優が昔から夢だったんですか?
スハ: はい。小学校5年生の時に両親と一緒に大学路のすごく小さな劇場に行きました。"THE PLAY X" という公演でした。50席も無いような本当に小さな劇場で、狭くて暗くて。
中に入ると舞台の横にピアノが1台置いてあります。伴奏者がピアノを弾いていて、ヒロインではなかったと思いますが、ある女優さんがピアノに座って楽しそうに歌うんです。その姿が私には衝撃的で、ああこれって何だろう?と思いました。実はミュージカルの内容は覚えていないんです。それほどその瞬間が感動的だったみたいですね。
終わって外に出て母にこれは何かと聞いたら、ミュージカルと言うもので、あの人たちはミュージカル俳優なのよ、と言うんです。私これやるわ、って、ただそうして私の夢になりました。
MC: どんな学生だったんですか?幼い頃からミュージカル俳優が夢で、人の前に立つのが楽しかったのかどうか。
スハ: 楽しかったんだと思います。クラスでいつも落ち着きがなくて。1番うるさくておしゃべりでした。小学校4年生の時の先生が、休み時間になるといつもテレビで童謡を流してくださいました。私はそれに合わせて踊ったり、友達を集めてガールズグループみたいに歌ったり踊ったり、開脚してました。
MC: 目に浮かびます。
スハ: そんなバタバタした子供でしたが、ある先生がそんな私を見て…スハはとてもおしゃべりで他の子の気をそらす、そう言う先生もいましたが、4年の時の先生は私の才能を見抜いてくださったようでした。
なので、ウェストエンドにも公演を見に来てくださったり、私のデビュー舞台も見に来て下さったし、韓国のデビュー舞台も来てくださいました。そんな子供だったようです。
MC: 舞台に立てば公演もし、実に大きな声で歌われるし、とにかくパワフルに歌われると思うんですが、今日初めて化粧室でお会いした時、とても小さな声で話されたので、ああ、もともとはかなり内省的で静かな学生だったんじゃないかと思ったんです。反対なんですね。
スハ: そうですね。(笑)
(後半に続く)