開演前の案内を、道化たちがサーカスの始まりそのままの雰囲気でやってくれるので盛り上がる。
道化たちが舞台を降りてハイタッチしてくれるコーナーもあり。たまたま下手の通路席だったので愛と芸術さんとハイタッチ。戦争のジフ君は上手で反対側だったから残念。
だけど彼が歌いながら客席に降りてくる時はちょうど私の横で止まってからUターン。場所はGAの70番。(真横すぎて大きな背中しか見えなかった)
全体面白かったが、怒涛のようなセリフだったので、もう一度観る前に予習復習で訳してみた。
形式として、3人の道化が語っていく物語の通りに、物語の登場人物であるハンスとマリが動いていく仕組み。
もちろんセリフも挟まれるけど、小説を音読している感じなので、雰囲気ではストーリーを想像しにくい部分あり。
メインで語っていない道化はハンスとマリ以外の登場人物を担当。
語っている物語の外側で道化同士がわちゃわちゃするのが楽しい。
とりあえず、愛、戦争、芸術の3要素を混ぜて物語を作ることになったのに、前半戦争と芸術ネタでストーリーが進むものだから、拗ねた愛の道化が家に帰ると言い出すのを、他の2人がおべっかを使って引き止めたりして笑える。
語り担当の道化の言う通りに演じないといけないルールなので、芸術の語りに戦争がゼーゼー言いながら従うシーンは爆笑。多分日替わりで無茶振りをかますコーナーと思われる。
道化なのでおちゃらけてはいるんだけど、戦争の道化はゾッとする笑いを浮かべたりして怖い面もあり。ジフ君はとても存在観があった。
芸術で満たされたカフェ、ロミオとジュリエット、龍を退治して王女様を助ける物語などが劇中で演じられる。
表面に見えている小芝居の裏の本当のテーマ?が、進むつれて姿を表してくる感じを受けた。
物語もだんだん道化たちのコントロールから逸れていきそうな気配を見せてきて、操り人形的に動いていた登場人物が最後は独自に動いたりして。
一番最後、言葉の組み合わせは忘れてしまったけど、「苦痛の中の喜び」「悲しみの中の希望」みたいなセリフが出てきて、道化たちがそれぞれ担当している単純な分け方では人間や人生は語れないという、奥深ーいテーマがあるような、無いような。
もしかすると呑気に笑っていてはいけないのかもしれないし、笑って泣いているだけでいいのかもしれない。楽しくて、悲しくて、辛かった。
要するに良く分からなかったので、再観覧行ってきます。