脅しに屈しないマキシムたち。逆に、やってきた捜査担当者のジュリアン大佐に、ジャックが証拠を待っていると伝える。
ジャックが持っていたのは、死ぬ数時間前にレベッカから受け取った手紙だった。そこには、大事な話があるから会いたい、と書かれていた。自殺する人間が書く内容ではない、自分たちが愛し合っていたので嫉妬に駆られたマキシムが彼女を殺害したのだ、とジャックは主張する。
それだけでは愛し合っていたことが事実か確認できないしマキシムが犯人である証拠にはならない、と言われたジャックはベンを連れてきて、いつもボート小屋のあたりにいたから目撃したはずだ、自分たちが恋人だったことを証言しろと迫る。しかしベンは「何もしていない、何も見ていない、施設に送らないで」と繰り返すだけ。
荒れ狂うジャックからペンをかばう「私」。ジュリアン大佐はベンに帰って良いと告げる。床にうずくまったままマキシムを見つめるベン。ベンをじっと見つめるマキシム。
(ここの声にならない2人の会話を聞いてみたい!ベンはマキシムが殺したことを知っている。なぜなら、マキシムがあの日起こったことを「私」に再現して見せた時、ベンは小屋の窓から見ていたから。ベンの姿は再現された事件当日の風景の一部。
レベッカの邪悪さを知っていたベン。マキシムに同情していたのか?レベッカを消し去ってくれたマキシムに感謝していたのか?新しく来た善良で優しいドウィンター夫人の役に立ちたかったのか?…物語に戻ろう。)
使用人ながら実際のところ一番近い存在だったダンバース夫人に確認することになる。自殺と他殺、両方の可能性があると聞いたダンバース夫人は、レベッカが自殺する可能性など全く無いと主張する。レベッカの人生は完璧だったから。
ジャックはもちろん、レベッカは誰をも愛していなかった、夜ベッドに並んで腰かけて話を聞いたものだ、レベッカは男たちのことを嘲笑っていた、と証言する。
彼女が唯一恐れていたのは、老いて美しさを失って行くこと。よくこう言っていた。「デニー、いっそ美しいまま、一瞬で死んでしまいたいわ。」
レベッカの日記から彼女が死ぬ前にベイカーという人物に会った事が分かる。それはダンバース夫人さえも聞いたことのない名前。電話をかけてみたその先はベイカー医師の個人病院だった。それも産婦人科の。
自分との子供ができたに違いない、それを知ったマキシムが殺害したに違いないと騒ぐジャック。ジュリアン大佐とジャックがロンドンのベイカー医師に直接話を聞きに行くことにする。「私」も同行する。
数時間後、ロンドンから報告の電話でもたらされた事実は…。
レベッカは自分以外すべての人を完璧に騙していた。妊娠していたのではなく、ガンで余命6ヶ月と宣告されたのだ。
人々は納得し、自分の死期が近いことを知ったレベッカが自殺したと結論する。
しかしダンバース夫人は、レベッカが自分にさえ何も話さなかったことに、人生が覆るほどの衝撃を受ける。