そのために飛んだジフン・ランスロット。7月24日。会えて嬉しいよ

ランスロットの育った背景など、こちらの理解が深まったのと、彼の演技力もあり、私には今までと違って見えたランスロットでした。
まず、アーサーがエクスカリバーを抜いた後の「マルドアンデ」は、純粋な驚きに見えた。嫉妬の要素はなかった。アーサーを守ると誓うのも愛する弟分だし、歴史が動いたという高揚感と善意から。最初の頃(他のランスロット)はちょっと複雑な想いがあるように見えてしまったので。
当然ランスロットを目立たせたいという演出意図があるのはちょっと置いといて。
なぜ一人で離れているのか。アーサーが剣を抜いたことに対して距離を取っているのではなくて、単に彼はもともと友人たちに溶け込んでいない人だから。今回はそう見えた。
「1人でいる時間が長すぎる」
「それが楽だから」
母に捨てられ、酒乱の父親と二人きり残された生い立ちを考えると、彼のトラウマは相当大きいはず。表向きは愉快そうにみんなとふざけたりしているけど、それは意識的にやっていること。実は大きな心の傷を抱えている。 カンスロットの言う外面と内面の落差。これですね。
ギネビアに心惹かれているのは否定できない。村の娘たちと違って元気な姉ちゃんだな、とかで始まって。だから今まで感じたことのない感情に、自分の中で違和感が生じているというか。折り合いをつけて生きてきたのに、何かがかき乱される感じ。
しかも、ギネビアはあっけらかんと「あなたに必要なのは愛よ!」なんて言う。
今まで大した前振りもなく、突然始まった気がしていた「より深い沈黙」
フンスロットは、ギネビアが恋しくて切なくて苦しい心を歌ったと言うより、アーサーとギネビアが運命の愛に出会ったのを目の当たりにして、人を愛することそのもの、自分の心を開くこと、それができずに苦しい、と歌っているように聞こえたんですよね。
♪♪♪
愛は私にとって 白い波の海の泡
届かない蜃気楼
より深い沈黙
散ってしまった雨
消えてしまった 香り
跡形さえも残らない
私には遠すぎる
行き場のない熱望
私のものではない
永遠の愛
より深い沈黙 文字のない詩
無力な熱情
壊れてしまった私の心臓
深い傷
影の中に 永遠に私は
隠れて生きる
♪♪♪
「壊れてしまった私の心臓」この場合は「感情」だと勝手に解釈。「深い傷」のために普通に人を愛することができない。「永遠の愛」なんて「私には遠すぎる」…。そんな感情は「影の中」に封じて本当の自分は隠して生きる。陽気なランスロットとして。
そこにモルガナが一言。
「運命は私たちが欲しいものを与えてはくれない」
フンスロットはその時、「は?何言ってんだ?」と反応するように見えたのです。 私たちもそういうことないですか?人に指摘されて初めて自分の感情に気づくこと。だんだんと形をとる感情。隠れて生きるなんて嘘。自分は誰かを愛したいんだ。
フンスロットの恋が本格的に始まったのはここだったのではないでしょうか。カンスロットの解釈に洗脳されてる気はしますけど。
それからエクターが亡くなり、彼女を守るべきアーサーは目の前でギネビアを何度も傷つける。心配するランスロットがどんどんギネビアに惹かれていくように見えました。モーリンのセリフじゃないですが、運命のせいではなくアーサーが愛する人たちをそちらに押しやっていったとしか思えない。
さて、この辺でふと疑問が。前回展開していたモルガナ黒魔術バリバリ説はどこに?
直接言動で、そしてやはり魔術で、アーサーが煽られている。アーサーによって2人も煽られている。
今までよりもランスロットの行動に納得がいくので無理やり黒魔術のせいにしなくても済んでしまう部分はあるんですが、やはり自殺しようとするあたり、相当影響は受けていると思う。
2人がそうなってしまうのも必然と言えば言えるけど、本当に愛し合ってのことなら、2人があそこまで後悔するかという疑問もある。
後悔はするけれど愛は真実だった、そんな雰囲気が全く無いと思いませんか?ランスロットはともかく、ギネビアは魔術に押されたとしか思えない。辛い時に支えてくれる人だから傾いても不思議ではないけど、ギョンアギネビアからはあまり愛を感じられなかった。
だから黒魔術バリバリ説はまだ健在。
ところで、最後の決戦のスローモーション、凄く気に入ってます。下手をすると陳腐になりかねないけど、上手く作っていると思う。フンスロットが切られてしまうとき本当に辛かったわ。ミーハー的にはフンスロットがトップです。
しかしガンヒョン君は声が
…。천상의 목소리! 天上の声!私の中でグァンホ君と同じ分類に入りました。声が聞ければ作品は問わないレベル。しかもグァンホ君はバリトンのおじさん的な響きがあるけど、ガンヒョン君は爽やか。声が本当に気持ちいいです。
