ルドウィク : ベートーヴェン・ザ・ピアノ 観客との対話 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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自分の予習復習用につき、かなりの偏りあり
(注意: 目標はネタバレ100%)
メモ付き写真アルバムとしても使用中。

5月26日、ルドウィク : ベートーヴェン・ザ・ピアノ夜公演の終了後に、俳優たちとの質疑応答タイム「観客との対話」がありました。それを雰囲気で再現してみた。脳内で付け加えられたり変質したり、信頼度は低め。質問は順不同。最後に一人一人がピアノの上に楽譜を置いていくシーンの気持ちは?とか、他にも質問はありましたが…忘れた。


〈青年への質問〉
Q: カールはピアノが楽しかったことなど、ただの一度も無いと言ったが、演技を見ていると、そこまで嫌いではなかったのではと感じる。特にソナタはやらされたからではなく、やりたくて作曲したように見える。本当のところはどうだったのか?
A: 本当のところは…楽しい時もあった。カールはベートーベンの葬儀で大泣きしたらしい。なぜかと考えた。自分の幼い頃もそうだったが、子供は愛されているのが分からない事がよくある。あれをしろ、これはするなとか言われて。小さい頃は子供のわがままのような感じで反抗していたとも言えるのではないか。
カールの実母は良い母親では無かったという説がある。だからカールはベートーベンに引き取られて良かったと思ってたんじゃないか。安全な場所を確保できたし。内心、愛されているのを感じていたのかも。

ところが自分はバルトの身代わりだったと考えた時に、自分に向けられたと思っていた愛が、実はバルトに向けられていたのだと思って、それまでの日々が崩れ落ちるようなショックを受けた。だから実際よりも激しい言葉で否定したのではないかと思う。けれども本当に憎んでいたのではなくて、父親として愛していた部分もあるから、亡くなった時はとても悲しかった。

カールが昔に戻れるとしたらベートーベンおじさんに、受けた愛に対してありがとうと言いたかった。

Q: 耳が聞こえなくなっていく時のくぐもった音の効果がすごく良かった。色々な所を叩く時にタイミングよく音が出るが、音に合わせて叩くのか?動作に合わせて音を出すのか?
これは秘密なんだが。僕も初演を見た時不思議だった。練習で早くやってみたかった。エフェクターを上手く使ってくれている、とだけお話ししておく。


〈マリー〉
Q: バルトをすごく愛していたから、バルトが死んだ時ベートーベンを恨んだはずだ。なのに明るく笑いながら再訪できた理由は何か?
A: 恨みはあったと思う。でもマリーは聡明な人だし、ベートーベンの目を見た時どれ程の苦痛を味わっているか理解したので、たとえバルトを預かってくれなくても、恨みは抱かなかった。
再訪して、預かってくれればよかったのに!と言った時も、責めたわけではなく、その事を話し合える人が先生しかいなかったからだ。

その後壁にぶつかりながら生きていく中で、人生をもっと知るようになって、15年後に会った時には先生に対する理解も深まっていたのだと思う。

Q: マリーがベートーベンの死を知りながら葬儀に行かなかったのは、行かれなかったからか。それともあえて行かなかったのか。
A: これは演出家も他のマリーたちもそれぞれ解釈が違う。自分の解釈としては、あえて行かなかった。亡くなったことを知ってはいても、心のどこかではそれを認めたくなかったので、葬儀に出席して事実だと突きつけられるのが嫌だった。認めることが辛すぎるから。
手紙を読んだ時に、ああ本当に亡くなったんだと、実感して認めた。だから一気に涙が溢れて、すごく泣いて、手紙にすごく鼻水が垂れてしまって、(他の俳優やスタッフに?)申し訳ないほど。(笑)

(最後のコメントの中で)マリーは黙って客席を見ていられる時間が結構あって、その時私は皆さんの顔を、表情をずーっと見ている。それは私にやりがいを与えてくれるし、これからも続ける力になっている。これは創作ミュージカルだから、みんなで苦労して作り上げてきたし、これからも育てたい。いつかはオーケストラが入れるような大劇場まで行けたらいいと思っているので、これからも応援してください。


〈ピアニスト/シューベルト〉
Q: 演奏していて一番楽しく幸せな曲は?つらい曲は?
A: 楽しい曲は、マリーが故郷のパン屋の話をするときの伴奏。シューベルトとベートーベンは比較的近所に住んでいたので、シューベルトもマリーと同じようにパン屋の前で演奏を聴いていてと思う。だからマリーがいつも2階から聞こえるピアノを聞いていたと言えば、そのパン屋僕も知ってる、僕も聞いてた!と思うし、パンが美味しかったと言えば、そうそう!と思って、パンの香りが伝わればいいと思いながら楽しく演奏している。
つらい曲は…ありすぎて…。

Q: 大変だと思うのはどういう点か
A: 伴奏だけの仕事は沢山あるが、今回はミュージカルだし、シューベルトとしてベートーベンが崩れ落ちそうなのを見ると自分も崩れ落ちそうになるし、俳優たちの熱演に引き込まれてあまりに同じ気持ちになってしまうと、心が揺れて演奏の方が危なくなる。平衡を保つのが大変だ。
(演奏していない時、彼は味わい深い表情で演技者たちをじっと見つめている。舞台上の感情に沿った演出なのかとも思ったが、彼の素直な感受性の表れでもあるのでしょう。)


〈バルト〉
Q: 一番涙が出たシーンは?その理由は?
バルトは幼いのに両親を亡くして辛い思いをして、それでもマリーと仲良くやっていて、イギリスに行かないためにはベートーベンにピアノでアピールするしかない。だから演奏してからセリフを言う場面で涙がたくさん出た。切実だし、期待感もあるし、あるいは断られる可能性もあるわけだから…不安が大きくて涙が出たんだと思う。

Q: ベートーベンに断られた時、恨んだか?
恨んだ気持ちもあったとは思う。でもそれは自分の都合で、ベートーベンも大変だし気の毒なので、申し訳ないと思う。少し恨むけど、申し訳ない気持ち。


〈ベートーベン〉
Q: もし戻れるとしたら、どこに戻るか?
A: バルトの教師を頼まれた時…マリーと会った時…、いやむしろ、幼い頃虐待を受けていた時に戻って父親に言いたい。音楽は、芸術は強制するものではない。殴らないで。僕は音楽を、ピアノを愛しているから、強制しないで。大丈夫だから僕に任せて欲しい。戻ってこう言いたい。

Q: ベートーベンは実際は、バルトとカールのどちらをより愛していたのか?
A: (悩むベートーベン。アッパ♡と媚を売る青年カール)
うーん、えーと、うーむ、バルト…んー、愛してたのはカールかな。
(負けてちょっと落ち込むバルト。カールでもあるじゃないかと励ます周りの大人俳優たち。)