「いっちゃん」「みっちゃん」広島お好み焼き食べ比べ | じきの食歴

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広島駅の商業施設ekieの1階にあるekieDININGの一角「廣島ぶちうま通り」。ここには、広島のお好み焼きの名店が横並びに4件並んでいる。
「麗ちゃん」、「いっちゃん」、「みっちゃん総本店」、「福ちゃん」。
今回は、こちらの「いっちゃん」と「みっちゃん」を食べ比べてみた。
みっちゃんは、広島のお好み焼きの基礎を築き上げたとも言われている。
出自は屋台で名称は初代の井畝満夫さんの愛称からで、これが元で広島お好み焼きの屋台の店名に「○○ちゃん」というのが広がったとのこと。
また、ネギの代わりに安いキャベツを入れたり焼きそばの上にお好み焼を載せる今のスタイルを築き上げたのもみちゃんとのこと。
そんなお好み焼きは、「一口ではなく、1枚全部食べ終えた時に、美味しかった」と満足してもらえるお好み焼を目指しているそうだ。
現在は、令和3年3月3日に15歳から初代に師事していた一番弟子が二代目井畝満夫を襲名し若手の指導育成を行われている。
で、いっちゃんだが、もともとここの本店がある場所は「みっちゃん光町店」で2009年9月に現在の店名になった。そしてこちらの創業者は「みっちゃん総本店」の息子さんで本家の三代目。
まあ、色々あるのでしょう…ekieで隣に軒を連ねているのも何かの因果か。

まあ、そういった事情を抜きにして今回は味わってみた。
先ずは、いっちゃんにてねぎかけそば(1050円)。
ちなみにこちらのお店、ミシュランガイド広島版2013年、ミシュランガイド広島・愛媛版2018年のビブグルマンを6年連続獲得しており、その点をアピールしている。
前列7人ぐらいで並び始めて着席し配膳されるまで30分ほど。
全体的にやさしく甘めの味付け。キャベツもしっかり蒸されてほっこりと柔らかく、麺もほど良い感じで焼き目がつけられている。
豚肉の存在感もあって旨い。
マヨネーズが置いてなかったのだが、たまたま自分の所だけだったのかもしれない。
10分ほどで完食。

つづいて、みっちゃんにてそば肉玉子(930円)。ちなみにいっちゃんだと、肉玉そばが850円だったが、老舗だけあって高いのか。
こちらも7人ぐらい並んでおり並び始めて実食開始まで30分ほど。
技術の継承をうたっているだけあり、きれいに成形された状態で出てくる。
こちらはソースがいっちゃんに比べてスパイシー。キャベツもしっかりと蒸されて甘味がある。焼き加減もあるのか麺はこちらの方が美味しかったが、豚肉はペラペラでほとんど存在感が無かった。
ちなみにみっちゃんでは、味を均一にするために伸ばしと盛り、焼き、仕上げの3つのポジションにそれぞれ担当を置いて1枚を3人で仕上げるようにしているとのこと。一人で焼いてしまうと、焼き手によって味が変わってしまうからだそう。
こちらは卓上にマヨネーズ等があったのでそれらも使って味変も楽しんだ。
こちらは15分ほどで完食。

宗家と元祖、どちらも名店だけあり、共に美味しかったが、味のやさしさとみっちゃんは関東にも店舗があったりするので、たまに食べるならいっちゃんだろうか。
次回は、麗ちゃんと福ちゃんの食べ比べでもしてみよう。