横浜ガストロノミ協議会の理事長でもある飯笹光男シェフのお店「シェ・フルール横濱」にて副料理長をされていた本田信高さんが、大倉山にて3月9日にオープンしたお店「minsa」へ。
こちらのお店、沖縄料理と食材を取り入れたフレンチのお店。
なぜ沖縄料理なのかと聞いたところ、奥様が沖縄の方とのこと。
将来的には、沖縄で店を出したいとも語っており、沖縄の食文化に対する思い入れも強そうだった。
そんな本田さんがオープンさせたのは、カウンター6席のみのワンオペのお店。
入口にある看板は、沖縄の赤瓦に店名を掘ってもらったもの。
店名のminsaは、琉球王朝の時代から沖縄に伝わる「ミンサー織り」の柄から取ったそうで、五つの■と四つの■の2パターンからなっている柄で、2つを兼ね合わせると一つの大きな■になる。
「いつの世も末永く幸せに」とか「いつの世までも末長く」といった意味合いがある。
現在、こちらで頂けるのは、\3500(税別)のランチと\7500(税別)のディナーのコースのみ。
今回は、下記のランチをいただいた。
飲み物は、オリオンビールと泡盛の水割り。
これで約5000円というのは、お値打ち感がある。
・美ら人参
美ら人参のピューレとコンソメジュレ。
人参は甘く、それでいて人参らしい香りが残っている。
沖縄人参らしい風味が一気に、遥かなる島へ意識をトリップさせる。
・ラスクと豚のリエット
リエットは、わりとあっさりした感じ。カリカリのラスクは、パン代わりにいただく。
・ジーマーミ豆腐/もずく/スープ
ジーマーミー豆腐は自家製。ピーナッツを茹でるところから始める。しっかりと固めるタイプではなく、山芋をすりおろしたもののような粘度があり、市販のものよりもピーナッツの風味がゆたかだ。
そこに、エクストラバージンオイルと与那国島の塩が振りかけられている。
カンテサンスの名物、山羊のミルクのババロアを初めていただいたときのような感覚を覚えた。
もずくのカットの長さも、キュウリのサイズもほど良い大きさ。甘酸っぱい酸味がほど良い。
スープはカリフラワーで、シェフルールでも出ていたもの。こちらでは、そこに島胡椒のヒバーチが振りかけられている。
・鮮魚と島らっきょう
鰆のカルパッチョで海ぶどうや島ラッキョ、トマト、ディルが用いられている。
沖縄の魚を使いたいのだろうが、鮮度や入手のしやすさ等もあり近海のものを浸かっているとのことだった。
・あやはし牛
沖縄県産黒毛和牛のあやはし牛のハラミのグリエ。
しっかりした焼きで、旨味の凝縮された肉。
・よもぎすば
すばとは、蕎麦のこと。
沖縄の伊佐製麺所のもので、そーきそばによもぎが練りこまれている。
つゆは、鶏ひき肉がベースで、上にはネギがぱらりと振りかけられている。
これはこれでシンプルによもぎの香りが楽しめるのだが、もう一つ何か重層的な旨味が加わると良かったかもしれない。
他の参加者からも、同じような意見が出ていたので、今後何かしら改良されるかもしれない。
・紅イモ
ビスケットの上にアイスと苺を乗せたものが目の前に置かれた。
そのままでと言われて見ていると、手動の絞り機を取り出し紅イモのペーストをその上に絞りだした。
そこへ粉糖をふりかけ、ミントの葉をあしらう。
・珈琲 または やんばる紅茶
自分は、やんばる紅茶を注文。沖縄県産の無農薬の紅茶で、ストレートで飲んで欲しいとのこと。渋み少なくすっきりとした味わいで、香りも華やか。
もう少しして慣れてきたら、アラカルトやちょい飲みにも対応したいとのことだった。
ちなみに、ミンサーの帯の両脇には「ヤシラミ」という柄がある。りますが、これはムカデの足を模したもので、「足しげくお通いください」という思いが込められているとのこと。
うちからはちょっと遠いが、また通いたい、そういう店だった。