王様と女王が競演する晩餐会、「にくがとう」での「まぐろがとう」 | じきの食歴

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異論もあるだろうが、流通量や知名度等を考慮すると、獣肉の王様と言えば、やはり牛だろう。
そして、魚の王様…というか、女王は「マグロ」ではなかろうか。
今回、人形町の「にくがとう」にて、その王様と女王が競演する晩餐会が開催された。
「マグロがとう」
それが、この晩餐会の名称。
にくがとうお得意の肉割烹にマグロ料理を取り入れたもの。
特定の幹事が、2階のVIPルームを貸切った場合にのみ提供される特別コース。
内容も毎回ブラッシュアップされているらしい。
実は、にくがとう店長の長久保喜義さんが、魚料理が得意とのことで、こちらでは鰻と和牛コラボの「うながとう」等も開催されている。
今回は、そのマグロ版だ。
今回出て来た料理も、色々と創意工夫が凝らされており、ワクワク感があった。

●前菜
マグロがとう式太巻き
マグロがとう式 和牛とマグロの握り
紅白蒲鉾 とんぶりソース
マグロのお吸い物

握りは、和牛の上にソースとしてマグロのユッケが乗ったもの。
この獣と魚の2種類の油が、ご飯と混じり合い絶妙な旨みを醸し出す。
紅白蒲鉾は、マグロユッケを蒲鉾で挟み、そこに昆布の佃煮を入れて和牛を乗せたもの。
この昆布の旨み成分と蒲鉾の淡泊な旨み、それらが牛とマグロと遭遇し、今までに無い世界を見せてくれた。

●季節野菜の三転盛
数の子・下仁田ネギの木の芽味噌和え
錦糸紅白なます
聖護院蕪の浅漬け

●牛の肉刺し
漬けランプ、リブロース、コメカミ、炙りリブロース、胃袋

牛とメニューには書かれてあったが、出て来たのはマグロ。
そう、牛の各部位に該当するマグロの各部位を刺身で出したもの。
なかなかこじゃれた演出をしてくれる。
メニュー見ながら食べてた人達が、「え?すごい、これってマグロみたい!」って言ってたけど、マグロです(笑)

●かつサンド

メニューに載ってない一品。この店の名物でもある、和牛のカツサンド。これに、特性のツナ缶がついている。
このツナ缶、和牛とまぐろ油漬け(フレーク)となっており、缶も自分達でデザインし、このイベントのみで出しているもの。なかなか手が凝っている。
いや、外観を褒めるだけじゃなく、その味も実に良い。
この缶、そのまま販売してもらいたいぐらいだ。
でも、実はこの缶、市販のツナ缶の中身を食べたものに、自分達で印刷したものを貼り付け中身を入れ替えたたもの。実に残念である。

●お口直し
ベリーのソーダ割り

エディブルフラワーまであしらわれており、見た目も美しい。
酸味のあるベリーが、油を流し去ってくれ、さらに食欲が増進する。

●すき焼き
和牛イチボ、漬けマグロ串
卵じゃない!特製2種のソースで

すき焼きには、和牛とマグロの串が入っている。それを、特製のクリームソースに、ミネストローネのようなものにつけていただく。
うん、これも新しい。

●逸品
マグロの尾の身の赤ワイン煮込み

硬く筋の多い尾の身の部分をじっくりと煮込むことによって、おいしくいただくことができる。
牛テールの赤ワイン煮のオマージュなんだろうが、思いのほか良く煮込まれた牛肉っぽさがあって、よくできている。

●〆もの
バターシーチキンカレー

この前に、赤ワイン煮込みが入ることによって、カレーが活きてくる。
ちゃんと料理の流れができている。
今回は、ベースに和があるため、そんなに辛くもなく、スパイスの匂いもきつくはない。
だが、あとからジワリと湧き立つ辛さはある。
少量のカレーだったが、十分満足できるものだった。

色々な可能性が見えてくる「にくがとう」でのコラボイベント。
次回は、自分紹介で、あの日本酒の聖地「鎮守の森」とのコラボ会が開催される。
こちらもまた楽しみだ。

 

 

 

にくがとう焼肉 / 人形町駅小伝馬町駅三越前駅
夜総合点★★★★ 4.0