島根県出雲の国一宮「熊野大社」へ、車で3時間かけてお詣りに行く。
オレはここを訪れるのは初めてだが、この神社の御守りは持っている。
前の上司、S園長がオレの病気発覚直後に買ってきて下さったのだ。
その時は帰省か何かの折に立ち寄られたのかと思っていたが、実際に行ってみると主要道路からかなり奥まった山あいにあり、ついでに行けるようなところではなかった。
多忙な中、わざわざ足を運んで下さったことに改めて感謝の念を覚える。
今回オレがお詣りに来た理由は、先日イカ釣り師匠のSちゃんから、友人のTくんが膵臓がんで闘病中であると聞いたからだ。
Tくんは子どもの頃、一緒に草野球をしたりハヤ釣りに行ったりして毎日遊んだ幼馴染みであり、オレのシーバス釣りの師匠でもある。
オレはSちゃんの話を聞いて居ても立っても居られなくなり、休日を待って車を走らせた次第。
現在Tくんは、大学病院で3回目の抗がん剤を投下中とのこと。
人のことを心配できる身ではないが、一刻も早く回復に向かわれますよう。
御守り所では、御守りを3つ授かる。
ひとつはTくん用。ひとつは自分用。もうひとつは同じ病気を患っている友人へ。
昨秋、同じ島根県の出雲大社へ行った際には、駐車場へ車を停めるのに2時間、賽銭箱の行列に30分も並ぶほど大混雑していて駆け足でお詣りした記憶しか残っていないのだが、ここはゆっくりと参拝することができて満足。
御朱印も待たずに貰えたし。
後で聞いたのだが、行った時期がちょうど旧暦の10月(神無月)にあたり、全国の神々が出雲に結集するということで人気の月間だったそうだ。
だからこの界隈で有名な穂高神社の主にも、意図せずオレはお目通りしていたことになると思う。
翌朝は地域の清掃活動へ参加。
最近循環器系の問題なのか、不自然な体勢をとると筋肉がけいれんしやすいため、事前にスコップを構えて動作確認を行っていると、
「素振りか。はりきっているなぁ」
と、諸先輩方に笑われる。
うまく切り返せず、うつむき加減に、
「がんばりまーす。えへへ…」
と素振りを続けながら誤魔化してしまった。
巡回中、ふと見上げた裏山に8分咲きの八重桜。
そうだそうだ。
午後は桜の花を摘んで、桜の塩漬けを作ろう。
そしてそれを口実にS園長に会いに行こう。

