連休中だが、朝からひどい吐き気で起き上がれない。

今まで体を守っていたバリアがこの15日間で全て剥がされ、剥き出しの状態で放射線を浴びているような感覚を覚える。

顔の右側だけ髭が抜け落ち、日焼けしたように肌が赤みを帯びるなど、いよいよ目に見える症状も現れ始めた。
先週の今頃はまだ味覚も保っていたので、オレの体の中で何かが急激に変わったということなのだろう。


まぁなるようにしかならないのだから、あまりジタバタしないことだ。
体が辛い時は、その辛さを受け入れて粛々と過ごしていこう。


金曜日、職場でS園長に、
「人工甘味料を入れたカフェオレで甘味を感じた」
という話をしたところ、
「人工甘味料には体に良くないものもあるから」
と言っていろいろと調べて下さり、「シュガーカット」という商品が良さそうという情報を頂いた。

どれも同じだと思っていた人工甘味料だが、モノによってアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなど成分に違いがあり、中には発がん性が公式に認められたものもあるそうだ(許容量以下の接種なら安全性は保たれるとのとこ)。

もう発がんしてしまったのだが、安全性が高いに越したことはないので、園長おすすめの「シュガーカット」をドラッグストアで購入して帰宅。
早速本日の昼食で、うどん出汁に加えて試してみることにする。


結果は、微妙。
甘味を感じなくはないものの、それ以上に出汁の旨味が苦味に変換されて途中で箸が止まってしまう。
放射線開始前に79kgあった体重が77kgまで落ちているので何か口に入れなければと思うのだが、苦味が邪魔をして喉を越してくれない。
なかなか吐き気も治らず、やむなく残してしまった。

味の中でも、特に甘味と旨味の2つが強く苦みに変わる気がする。


午後は、頼まれていたDIY工作やアフラック担当者との面談などやりたいことがあったのだが、横になって体力温存に努めた。
そう言うと聞こえはいいが、実際は体調が悪すぎて動けなかっただけ。

妻が「映画でも観よう」と言うのでAmazonプライム・ビデオでロバート・デ・ニーロ主演のクライムコメディ「comeback to Hollywood」を観始めるが、それも前半だけ観て眠ってしまう。

後で妻にあらすじを聞いたら、妻も途中で寝てしまって分からないとのこと。
何だかなぁ…。

面白そうな作品だったので、いつか最初から観直そう。


夕飯は醤油プラスシュガーカットで、牛肉を甘じょっぱく煮つけてもらう。
これが食べられたら食事のバリエーションがかなり広がると期待したのだが、苦味が強く出てしまい2口目に進まなかった。

しかし一緒に付けてあった白菜は甘みを感じながら食べることができたので、やはり牛肉の旨味が邪魔をしているのは間違いなさそうだ。

ここまでの検証で、シュガーカットで甘みを感じることは出来るが、他の強い味が加わると苦味の方が勝ってしまうこと。また記憶している味と実際の味の差が激しいと、拒絶反応が出やすいことなどが分かった。

フラットな気持ちで臨むよう努めているつもりだが、メンタル的な影響もあるのかも知れない。



その時、S園長のサイコパスな提案を思い出す。

「催眠術をかけてもらったら? 苦いのが美味しく感じられるように」



S園長、オレに術をかけてくれ。