健診から1週間。
看護師さんの宣言通り、通常1ヶ月程度かかる結果が早くも手元に届いた。

本日は地元の日本赤十字病院初受診の日。
今回は緊急性が高いとのことで健診センターのドクターがこの通知に一筆入れて下さり、町医者の診察を経ずにいきなり総合病院で診ていただけることとなったのだ。


出発前、困った時の神頼みで地元の神社へお参りに行く。
過去に何度かご利益を実感する出来事があり、個人的な信頼度は高い。

境内横の雑木林で天然のなめこを発見するも、かなり旬を過ぎており残念。
数年は続けて出るので、覚えていたら来年探してみよう。


前回病院を受診した4年前は、階段から落ちて背中の肩甲骨を骨折したという明快な理由があったため、痛みはあっても気分は楽だった。

今回は、痛みはないのに緊急と言われているのだ。精神的には、こちらの方がはるかに気が重い。


爽やかな秋晴れだというのに、ねずみ色の雲がかかったような心境で病院のドアをくぐる。


手続きを済ませ、渡された真新しい診察カードを持って受診科へ移動。

玄関ロビーあたりは新築の近代的な建物なのだが、こちらはいわゆる旧館側でレトロチックな佇まい。
受付で、
「かなりお待ちいただくことになると思います」
と言われたが、確かにすごい人の数だ。


ビニール張りの長椅子に空きを見つけて1時間、ようやくモニターに番号が表示される。

木製のドアを軽くノックして中に入ると、現れたのは現代風なルックスの爽やか青年ドクターだった。
建物の雰囲気から何となく頑固ジジイみたいな医者をイメージしていたので、意外な感じがした。


患部を触診しながら、青年ドクターKに、

「動く感じがあるので悪いものではないような気もしますが、そうだった場合、温存しますか? 取りますか?」

と問われたので、

「取ってください」

と答える。

来週の月曜にCTと超音波の検査をすること、検査の返しは20日に行うことを告げられて、初めての診察は終了。
緊急性が高いと言われた健診センターとは打って変わったのんびりムードに、やや拍子抜けしてしまった。


その後、待ち合い室で、CT検査や造影剤を打つ際の注意事項について看護師さんの説明を聞くが、バカでかい声で内容が他の患者さんに筒抜け。
周りを見るとおじいちゃんやおばあちゃんの患者さんが多数勢なので、よく聞き取れるように大きな声で話すのが習慣になっているのだろう。

それにしてもこの個人情報保護の現代にある病院とは思えないな。
まあ聞かれて困るような内容でもないのだが。



帰宅するにはまだ早い時間だったので、海を見に行く。

8月の大雨で流れ着いたゴミの処理が追いついていない様子。
夏場は海水浴場になっているビーチが、端から端まで流木やプラスチックゴミに覆われている。

木材は刻んで束ねればキャンプ用の薪として処理出来るのでは、など取り止めのないことを考える。



職場の上司S園長が、
「言い続けていればその通りになる」
と常々おっしゃっているので、波の音に向かって、

「オレは大丈夫」

と声に出して言ってみた。


とりあえず治療というレールには乗った。

前向きに進み出したことは間違いないのだ。