幼時体験、恐るべし | 還暦を過ぎたトリトンのブログ

還暦を過ぎたトリトンのブログ

団塊世代よりも年下で、
でも新人類より年上で…
昭和30年代生まれの価値観にこだはります

 私は印刷関係のデザイン、版下作成を稼業に致してをります。

 例へば新聞や記念誌を作成する場合、お客様からお預かりした文章や写真を、体裁良く、アクセントの強弱も含めレイアウトして、所定の頁数で納めるといふ仕事です。

 必ずしもお客様の書かれた文章や文字が正しいとは限りません。差し出がましくない程度に、明らかに誤りと思はれる部分は修正して、お客様に恥をかかせないやうにするといふ、水面下の努力も必要になつて参ります。

 といふことは、世間一般の常識、難しいことは無理でも皆が知つてゐるニュースなども、日頃から頭の片隅に入れるやうにすることが望ましいのです。しかし…

 

 さて、私も標題にありますやうに還暦を越ゑまして、若い世代とは違ひ体調管理が必要になつて参りました。また、頭が固くなつて記憶が怪しくなることもあれば、新しいものを頑固に拒否することもございます。以下は、斯様な私の失敗談です。

 

 過日、或る婦人ボランティア団体の記念誌のお仕事で、お預かりした数十枚の写真の中に、裏面に名前の書かれてゐない男性の写真が1点ありました。原稿にもそれらしき名前が出て来ないため、担当者に「名前の書かれてゐない写真があります。これは誰でせう?」と尋ねたところ、その人は怪訝な顔で「あんた、ほんまに知らんの?」

 その写真は、阪神タイガースの赤星といふ有名選手の写真だつたのです。察する処、誰もが知る人なので名前を記入しなかつたのでせうね。

 

 恥づかし乍ら、私はプロ野球を識りません。私が知る選手と言へば長島茂雄さんの頃の人くらひです。

 小学生時代、こんなナゾナゾがありました。

 

 問:道に財布が落ちてゐました。そこに野球選手が3人通りかかりました。それは誰でせう?

 答:「おう、金だ、拾はうか」(王、金田、広岡)

 

 何を隠さう、私の野球知識は未だそのレベルをさほど越ゑてをりません。

 

 実はこれには深い(?)事情がございます。

 

 私が幼稚園から小学校低学年の頃、憧れのTV番組と言へば「ディズニーランド」でした。金曜日の夜8時~9時といふゴールデンタイムです。面白いことに、この番組は隔週放送で、その片割れの番組が「日本プロレス中継」だつたのです。まだ力道山が存命の時代で、これも大好きでした。

 

 殊に「ディズニーランド」は当時の子ども等は殆ど皆が見てたと思ひます。優しい小父さんウォルト・ディズニー自身が、アニメのミッキーマウスと話しながら、漫画がどのやうにして動くのか、制作に如何なる苦労があつたか…等々を分かり易く説明しながら作品を鑑賞するといふ、子ども等にとつて夢に溢れた内容でした。

 

      ウォルト・ディズニーさんの誕生日は12月5日、

      ご命日は12月15日です。

 

 そして、この番組「ディズニーランド」の「敵」は誰あらう、プロ野球中継だつたのです!

 

 試合が延長になる度ごとに、この「ディズニーランド」はいつも放送を中止されるのです。仮令試合が5分でも延長にならうものなら、5分ずらせて放映すれば良いものを、ヒーローインタビュー等と称して、無駄に1時間を費やすので、私は無念でなりませんでした。願わくは雨で試合が無くなることを、ただひたすら祈り続けてをりました。プロ野球なんか深夜にやればいいのに…と本気で考ゑてをりました。

 思へば、子ども時代に私は身勝手極まる「プロ野球」の放送に対して、深い恨みを抱いたのだと思ひます。(どちらが身勝手かは分かりませんが…)

 

 斯くなる幼時体験が、冒頭申し上げましたやうな、極端な野球知識欠乏症を招いたことは、まづ疑い無いところでせうね。

 

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