やはり昭和30年代の頃ですが、プロレスのTV放送の時間に、時々ミゼットプロレスを見ることができました。ミゼット、つまり先天障害で小人症や児性体格の選手が、そのコミカルな動きや、小さい体格ならではのスピード試合を展開してくれる、素晴らしいパフォーマンスです。
前述した全女の興業では、女子プロと同時に、このミゼットレスリングを楽しむことができたのです。現在はだうなのでせう?存じ上げません。
忘れられないのは、まずプリティアトムといふ選手のスピーディさです。今でいふとレイ・ミステリオ並みにアクロバチックな大技を見せてくれました。もう一人は、ダイナマイト・キング選手!
申し添えますが、当時の女子プロ興業ではリングの色が何と真っ赤なのです。
その真っ赤なリングに、試合の自然な流れに沿つて、バケツなどでまず水を撒きます。相手の選手が、リングの対角線上にキング選手を投げますと、あーら不思議。ダイナマイトキングさんが180度転倒して、つまりツルツル頭だけをリングにつけて、手足を使わずに数メートルを頭で走るのです。だうも言葉では説明が難しいのですが、お解り頂けるでせうか?? 人間が頭を下にして、リング上をすべるわけです。このやうなパフォーマンスは、未だにほかで見たことがありません。
WWEにも、ホーンスワグルやエル・トリートといつたミゼットレスラーが居るので、たまにTVで楽しむことができます。ミゼット試合興業は今、日本でもたぶん存在するのでせうが、なかなか見る機会がないやうです。これは立派な大衆文化だと不肖は確信するものです。もし、ご存知の方が居られましたらご教示下さいませ。