児相の体制について、よく出る意見です。
児相の業務に、専門性は必要です。
基本的に同意見です。
ただし、正直な心の叫びを言うと
「現状のままじゃ、専門職も続けられなーーい」
です。
児相は、公務員の転勤先の1つです。
例えば、土木、観光等、全く違う部署の所属からの異動もあり得ます。
ただ、私の周りは、児相に何度めかの異動をしている方、福祉関係部署からの異動の方、福祉専門職がほとんどでした。
心理職、警察OB、医師、保健師、弁護士等、様々な職種の職員も、非常勤を含めれば、ほとんどの児相で配置されているのではないでしょうか?(自治体によるでしょうが)
ちなみに、私は、国家資格を含め、複数の福祉関係の資格は持っています。こう見えて(?)熱意はあると思っています。
しかし、それでも、児相の仕事を続けられるか、とても不安でした。
1 気が休まることがない
保護したい子と保護できる条件が揃っている子は、違います。
もちろん、現行の法律による条件が揃っていれば、躊躇なく保護します。そのためのあらゆる工夫もします。児童の安全が最優先です。児童の安全が確保されている方が、私達だって安心です。
しかし、現行の法律内では(調査の意味での保護であっても)、誰でもいつでも保護できるわけではありません。
なかなかそこを、関係機関や地域の方に理解してもらえず、対応に苦慮することも多かったです。
保護した後も、意見の違う、児童、保護者、関係機関に、常に板挟みになりました。
非行の子、精神的に不安定な子、虐待を受けている可能性がある子、この全てが混在している状況の子...。私は熱意を持って、一生懸命、取り組んでいましたが、リスクのある担当児童が元気か、常に不安はありました。
ニュースで出るような虐待事件では、児相の職員の熱意が問題視される論調が一部ありました。
しかし、法律、体制等、児童福祉の問題は山積みです。
私は、熱意の問題にしてはいけないと思っています。
2 時間が足りない
以前も述べたとおり、100件以上のケースを持っている状態で、それでも尚、次々と新規相談が来ていました。
皆さんが思うような公務員の業務実態では全くありません。昼食を食べる間もなくケースに追われること、夜22〜23時まで仕事をすること、電話が次々とくること、1つの電話相談を1時間聞いていること、全てよくあることです。
児相の数も少ないため、訪問先まで片道2時間かかる地域もあり、移動時間もかかります。
意外と知られていないかもしれませんが、事務処理も多く、時間を要します。記録はもちろん、一時保護・施設入所等通知文、児童の生育歴・家族歴・援助指針等もあります。市町村、学校、他児相等の情報交換のための資料も、依頼文、回答文等、毎回必要です。
また、休日に家族と遊びに行っているときも、保護している子が精神的に不安定になる等し、急遽駆けつけ、その子の思いを、何時間と聞くこともありました。
私は、自分が仕事をしていて辛いとき、今まで大変な状況だった子の思いを一握りでも分かち合いたいと思っています。その子は私の辛さの何十倍、何百倍、辛い思いをしてきたと思っています。
そして、いつか書きたいと思っているのですが、嬉しい瞬間、やりがいを感じる瞬間もある仕事だと思っています。
ただ、そういう子達の相談が、何人、何十人と、毎日あり、それが止めどなく続き、自分や家族との時間を犠牲にすることがあまりにも続くと、私自身、立派な人間でも無いので、仕事を続けたくても続けられるだろうかと不安になりました。
3 専門職だけど、専門じゃないスタート
私は国家資格は有していましたが、福祉全般の資格です。
ケースワーカーの実務に近い経験が無く、研修等受けたわけでもない中で、いきなり沢山の担当を持つスタートで、毎日何が起こるか不安の連続でした。何より、担当によって、対応力に差があると、子ども達に申し訳ないです。
福祉の知識や熱意があったとしても、一朝一夕でできる仕事ではなく、専門性を高めるための制度は必須だと思っています。
しかし、そういった制度がかなり不十分だと感じています。
以上のような不安がある中で、児童福祉の問題を減らすこと、及び、専門職が継続して勤務できる職場、になるためには、私が思いつくだけでも、
1 人数増員をし、1人当たりのケース数を減らす。
(自治体によって差はあるでしょうが、現場としては、全く足りていないと思っています。)
2 児相の仕事内容が現在のままなら、夜間や休日の勤務体制を整備する。
(これも自治体によって差があります。一部では整備されています。自治体によっては、日中勤務の職員が、夜勤に近いことまでする日もある状態です。)
3 市町村等、身近な窓口も、人数を増員し、専門性を高める。
(児童福祉に携わっているのは、児相だけではありません。虐待通告は市町村にも可能です。市町村の方が、情報もあり、距離等含めて細やかな支援ができる状況にもあります。しかし、市町村によって対応にかなり差があります。)
4 市町村、他児相との情報交換を、時間を短縮してスムーズに行えるような、全国で統一されたシステムを作る。
(問題のある世帯は、転居が多い場合もあります。そのやりとりに必要な事務文書はなるべく簡略化し、早急な対応が必要だと思います。)
5 児童福祉のケースワーカーに焦点を当てて、実務に近い経験を積みながら専門性を高められる、研修、養成学校等整備する。
6 ・・・お金
(ちょっとふざけた感じになりましたが、大真面目です。
1〜5のためには必要です。でも、福祉の現場は予算も不十分なところがほとんどです)。
以上のような
を、早急に検討していくべきだと思います。
児相には人数がまだまだ必要です。
ただ増えるだけでなく、専門職が増える必要もあると思います。
でも、今の過酷な労働環境で、且つ、問題が起こったときにしか注目されない現場だと、専門職も希望者がいません。継続できません。
熱意があるのに、辞めざるを得ない人を沢山見てきました。本当にもったいないことです。
児相全体の体制強化と、専門職が仕事を続けやすい職場づくりとを、同時に進めて行く必要があります。